日中の気温が30度を越え、秋とは思えない暑い日差しが照りつける中、石鳥谷の街には、沢山の笑い声があふれました。
2023年9月8日(金)から10日(日)の3日間、4年振りの本格開催となった第42回石鳥谷祭りには、近隣の町内からも沢山の人が訪れ、祭りを楽しんでいました。
石鳥谷とはどんな町?
石鳥谷は、岩手県のほぼ中央に位置し、2006(平成18)年に花巻市と合併しました。
兵庫県の「丹波杜氏」、新潟の「越後杜氏」そして岩手の「南部杜氏」は日本三大杜氏と言われ、石鳥谷は南部杜氏発祥の地としても知られています。酒造り340年余りの歴史を持ち、今も尚、南部杜氏は日本各地の酒蔵で活躍しています。
石鳥谷はかつて宿場町として栄え、その名残としてかつて、街道沿いには4つの一里塚があったといわれています。
こちらはかつてあった一里塚跡です。市では、当時の資料として看板を作り後世に周知しています。
季節ごとのお祭りも盛んで、日本酒の魅力を堪能できる「南部杜氏の里まつり」や沢水が凍りついてできた氷柱の太さでその年の作柄を占う「たろし滝測定会」、夏の夜を彩る「石鳥谷夢まつり」、そして今回ご紹介する「石鳥谷まつり」など一年中住民や観光客を楽しませています。
「石鳥谷祭りパレード」にウキウキ
今回は、最終日の10日に行われた祭りのメインイベントである「石鳥谷祭りパレード」に出かけました。町のメインストリートに石鳥谷町内の保育園、幼稚園の皆さんが集まり、子供神輿や子供山車を披露。およそ300メートルの距離を笑顔で、大きな声で「わっしょいわっしょい」、「それ、それ」などかけ声をかけて練り歩きました。
保育園の子供たちによる、盛岡さんさ踊りの太鼓も披露され、可愛らしい中にもビシッと揃った太鼓の音に沿道から大きな拍手が送られていました。
4年振りに街中で盛り上げる
街の家々の軒先には、赤やピンクの飾りがつけられ街中で祭りを盛り上げていました。
まちの駅いしどりや「酒蔵交流館」では、今年で42回を迎える山車の手ぬぐいをデザインしたパネルが、組ごとに飾られていました。
大きな山車に圧倒される
今年は5台の南部流山車が出ました。
盛岡や花巻の山車と比べると、石鳥谷の山車は台座がある分2~3メートル背が高いイメージです。写真を撮影する時も山車の下からだと見上げるようになります。
盛岡の南部流山車は、ヒノキやケヤキなどで作られた大八車があり、山車を曳くとギイギイと音が鳴り、この音も祭りの風物詩として楽しむことができます。花巻はゴムのタイヤで動きがスムーズで優雅なのが特徴です。
石鳥谷は現在は花巻市の一部ではありますが、山車は近くを通るとギイギイと音が聞こえ祭りの気分を盛り上げます。
南部風流山車には、「天(てん)・人(じん)・地(ち)・海(かい)」と呼ばれ、天井部分には生木の松、側面左右には紅白の牡丹、人形の足元には張子の黒岩を飾って紙製の笹の枝をさし、水玉のついた銀の波しぶきと波の絵、大八車の横には滝の絵、大きな軒花を飾るなど細かい決まりごとが沢山あります。ここも各地区の山車の違いを感じられるポイントの一つで、魅力となっています。
4年ぶりの迫力満点の山車の大勢の観客から大きな拍手が送られていました。
石鳥谷は道が狭く、見ているこちらが大丈夫かなと思うような狭い通りにも、山車が入っていく姿は圧巻です。どの沿道でも観客から大きな声がかけられていました。
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まとめ
4年振りとなった石鳥谷まつりには、コロナで帰省できなかった人や太鼓の音を聞きつけた年配の方々も多く足を運んでいて、祭りから元気をもらっていました。また来年も元気にお会いしましょうと誓った祭りとなりました。
おまけですが、酒造りの里として知られる石鳥谷にお越しの際は、お土産物産館「酒匠館」にお立ち寄りください。お酒はもちろんのこと、個人的には「酒ケーキ」がイチオシです。
ほのかに香る日本酒とふわふわ食感がたまらない大人のケーキです。
ぜひ、来年は緑豊かな石鳥谷のお祭りにお越しください。