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日本三大奇祭とは?いつ開催?男鹿のナマハゲ、黒石寺蘇民祭、もうひとつはどこ?

日本三大奇祭とは?いつ開催?男鹿のナマハゲ、黒石寺蘇民祭、もうひとつはどこ?

日本には、古くからその地域に根付き、毎年執り行われ継承されてきたお祭りが数多くあります。その中でも、「奇祭」と呼ばれる風変わりで独特なお祭りがあることをご存知でしょうか。常識を超え、謎めくインパクト絶大な奇祭は多くのファンを虜にしています。

この記事では、一般的な説で「日本三大奇祭」に名前のあがる「なまはげ柴灯まつり(男鹿のナマハゲ)」、「吉田の火祭り」、「国石寺蘇民祭」の3つの奇祭についてご紹介します。

(この記事は2022年に公開されたものを再編集しています。2023年8月25日 編集部更新)

なまはげ柴灯まつり(男鹿のナマハゲ)

秋田県男鹿市北浦に位置する真山(しんざん)神社で執り行われるのが、「なまはげ柴灯(せど)まつり」です。毎年2月の第2土曜日を含む金・土・日の3日間開催されます。

このお祭りは、900年以上前から真山神社で毎年行われている「柴灯祭」と、民俗行事「ナマハゲ」を組み合わせた男鹿市の冬の観光行事で、1964年から続いています。
もともとは演歌歌手や民謡歌手を招いたり、その土地の人々による綱引き大会を開催したりと、地域住民のための祭事でしたが、2018年に「男鹿のナマハゲ」がユネスコ無形文化遺産に登録されると、多くの観光客がこのお祭りを見るために訪れるようになりました。

そもそもナマハゲは、毎年大晦日という決まったタイミングで男鹿の集落にやってくる「来訪神」という存在で、神様あるは神様の使いとされています。
寒いからと囲炉裏にあたってばかりの人にできた「ナモミ(秋田の方言で火ダコのこと)」を剥ぎ取りにやってくる「ナモミハギ」が、ナマハゲの語源なのだとか。「悪い子はいねがー!」と叫びながら家々を回り、怠け者や悪事を働く子どもを戒めるとともに、家の中の悪霊を払い、来る新年の無病息災や豊作などを祈願する行事です。

ちなみに、重要無形民俗文化財への指定がカタカナだったため「ナマハゲ」が正式表記とされますが、地元ではひらがなでも書かれるのだそう。また、民俗行事や神事、神としては「ナマハゲ」、観光行事や建物の名前、一般名詞としては「なまはげ」と使い分けている場合もあるようです。

民俗行事としてのナマハゲについて、詳しくは下記の記事もぜひご参照ください。


さて、話を日本三大奇祭の「なまはげ柴灯まつり」に戻しますと、お祭りの最大の見どころはやはりなまはげ!参道入口での「なまはげ入魂」が始まり、神楽殿では、なまはげ行事の再現が行われます。

男鹿のナマハゲなまはげたちの登場

その後、柴灯火の下でなまはげの乱舞が始まり、なまはげ太鼓へと続いたのち、護摩餅が配られ、なまはげは山に帰っていきます。真山神社境内に焚き上げられる柴灯のもとで乱舞する勇壮ななまはげは迫力満点!

大晦日に地元の人以外はなかなか見ることができなかったナマハゲに会える貴重なチャンスが「なまはげ柴灯まつり」です。ぜひ体感しに訪れてみてはいかがでしょうか。

◎2023年の日程と行事は?

2023年は、2月10日(金)から12日(日)にかけて行われ、のべ4,000人弱が訪れ祭りを楽しみました。2024年の開催についてはまだ発表がありませんので、日程が近づいたら公式サイトなどでご確認ください。

オマツリジャパンでは、2023年の現地の様子を克明にレポート!また、お祭りを途切れることなく開催してきた方たちの思いも伺いました。ぜひご覧ください。


吉田の火祭り

吉田の火祭り

「吉田の火祭り」は、山梨県富士吉田市にある「北口本宮冨士浅間神社」と、境内内摂社の「諏訪神社」両社のお祭りで、8月26日と27日の2日間に渡って行われます。「日本十大火祭り」にも数えられる富士吉田を代表するこのお祭りは、夏の富士山の山じまいとして行われるもので、26日の行事は「鎮火祭」、27日の行事は「すすき祭り」とも呼ばれています。

「鎮火祭」の名の示すとおり、富士山の噴火を鎮める祭で、400年以上前から行われていたと考えられています。富士山を神格化した浅間神社のご祭神・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が、猛火の中でご安産なされた伝説が火祭りの起源の一つとされています。

神輿渡御の様子神輿渡御の様子

26日は諏訪神社での本殿祭と諏訪神社祭が行われた後、明神型の神輿と赤富士をかたどった御山神輿の2基が、見物客で賑わう参道を下っていきます。日の暮れる頃には「御旅所」に奉安され、同時に高さ3mの大松明90本余りに一斉に火が付けられます。町中はまるで火の海のようになり、夜遅くまで熱気を帯び、まさに火祭りの名前にふさわしい光景です。

27日夕刻には、氏子中を渡御した2基の神輿が浅間神社に還御。夕闇の中、境内を2基の神輿が練り歩き、その後を追って氏子の崇敬者たちが手に「すすきの玉串」を持ち一緒に廻り、見物客も一体となって神社内は熱気と荘厳な空気に満ち溢れます。

◎2023年の日程と行事は?

2023年の吉田の火祭りは、例年通り8月26日(金)と27日(土)に行われます。昨年、例年の規模に戻って開催されたのに続き、今年も通常開催となる見込みです。詳細や最新情報は富士吉田市観光ガイド 公式サイトなどでご確認ください。

【開催概要】
開催日:2023年8月26日(土)、8月27日(日)
内容と時間・場所:
<8月26日(土)>
14:30  北口本宮冨士浅間神社、諏訪神社にて神事
17:00  神輿渡御 (明神神輿と御山神輿)
18:30  御旅所着輿(上吉田コミュニティセンター)、松明点火(神輿到着次第)
22:00  大松明撤収開始

<8月27日(日)>
13:15  御旅所にて神事(上吉田コミュニティセンター)
14:00  神輿発輿(明神神輿と御山神輿)
15:30  金鳥居祭
18:00  御鞍石祭
19:00  北口本宮冨士浅間神社にて神事

黒石寺蘇民祭

黒石寺蘇民祭

岩手県奥州市の黒石寺(こくせきじ)で行われる1,000年以上の歴史を持つお祭りが「蘇民祭(そみんさい)」です。旧正月7日の深夜から翌朝にかけて行われ、厄払いと五穀豊穣を祈願します。

蘇民祭は、「備後国風土記」に記されている人物、蘇民将来(そみんしょうらい)の説話が由来とされています。ある日、武塔神(むとうしん。牛頭天王やスサノオノミコトと同一神とされる)から一夜の宿を乞われた蘇民将来は、その貧しさにもかかわらず快く泊めてあげたことから、子々孫々までも厄除けの加護を受けたというのが説話の内容です。蘇民祭の原形は、平安時代中期にはできあがったのではないかといわれています。

男たちが下帯1枚だけの裸になり、炎と共に災厄を払ったり五穀豊穣を願う「裸参り」にはじまり、「柴燈木登り」「別当登り」「鬼子登り」と呼ばれる儀式を夜通し行うなど、ユニークでエネルギッシュなお祭りです。翌日の日の出直前まで繰り広げられる「蘇民袋」の争奪戦は、黒石寺蘇民祭のハイライトであり、熱気は最高潮に達します。

「蘇民袋」の争奪戦の様子蘇民袋の争奪戦

真冬の寒さの中、男たちが裸でぶつかり合う姿は一見の価値ありです。

◎2023年の日程と行事は?

2023年は規模を縮小して、御祈祷・夏参りのみ1月29日(日)午前に開催されました。2024年の開催についてはまだ発表がありませんので、日程が近づいたら岩手観光ポータルサイトなどでご確認ください。

まとめ

今回ご紹介した3つのお祭りは、どのお祭りも一般的なお祭りの少しイメージとは違ったのではないでしょうか。どれも奇祭と呼ばれるにふさわしい、迫力と魅力に溢れた勇壮なお祭りです。

日本には奇祭がたくさんあることを反映してか、「日本三大奇祭」にも数多くの異説があります。代表的なものとしては、黒石寺蘇民祭の代わりに、長野県諏訪市で7年に一度開催される諏訪大社の御柱祭を挙げる説。ほかにも、異説としてあげられているお祭りはがいくつもあります。
それぞれオマツリジャパンで紹介した記事などがありますので、ぜひリンク先からチェックしてみてください。

国府宮はだか祭:愛知県稲沢市(尾張大國霊神社)
西大寺会陽(えよう):岡山県岡山市(西大寺)
裸押合大祭(大ローソクまつり) :新潟県南魚沼市(普光寺毘沙門堂)
島田大祭帯まつり :静岡県島田市(大井神社)
修正会結願法要「どやどや」:大阪府大阪市(四天王寺)
悪態まつり :茨城県笠間市(愛宕神社)

日本各地で行われる地域特有の熱い祭事の日程を確認し、実際にご自分の目で見てみるのはいかがでしょうか。その魅力にハマってしまうかもしれませんよ。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
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