中世の水利遺跡の一部に整備された赤堀花しょうぶ園
群馬県伊勢崎市の北部の赤堀地区には、12世紀中頃に農業用水路が開削されました。中世の水利遺跡の一部に花しょうぶ園が整備され、例年6月上旬から下旬にかけて鮮やかな彩りを見せ、「赤堀花しょうぶ園まつり」が開催されています。2021年には6月13日に予定しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となりました。イベントを楽しむことはできませんが、マスクを着用してソーシャル・ディスタンスをキープしながら花しょうぶを鑑賞することができます。
(この記事は2020年に公開されたものを再編集しています。 2021年6月10日 編集部更新)
中世の水の流れに沿って咲く約24,000株の花しょうぶ
赤堀を経由する水路は、赤城山南麓の前橋市上泉町から伊勢崎市田部井町まで総延長約13キロにも及ぶ規模であったと伝わっています。赤堀花しょうぶ園の入口には石の灯篭や小橋が設置され歴史的な雰囲気を偲ばせています。
赤堀花しょうぶ園は、南端にあたる入口から北に200メートル足らずのエリアに、約24,000株の花しょうぶが植栽されています。初夏になると中世の水の流れに沿って花しょうぶが紫色や白色などの豊かな彩りの花を咲かせ、バランスのとれた色彩のグラデーションで覆われます。
花しょうぶ園の中には木道が設けられ、例年は花園を散策することができます。ところが、2020年は園内への立ち入りが制限され、堀沿いの側道から花しょうぶを眺めることとなります。
全てがオンリーワンの花しょうぶの花弁の模様
花しょうぶは、種類が豊富で数千種類が品種改良によって産み出されています。花弁の数や、花の開き方に加えて、花弁の模様にも注意を注ぐと、花しょうぶへの興味や愛着は底知れぬものとなることでしょう。花弁の表面の脈や筋、絞り、刷毛でぼかしたような模様、砂子模様、覆輪など、品種ごとに大きく異なります。
花しょうぶと同時期に花を咲かせるあじさい
花しょうぶ園の北端には、数多くのあじさいが育ち、花しょうぶと時期を同じくして手毬のような花を咲かせています。あじさいに囲まれる小ぢんまりした公園には、四阿が設けられており腰をかけて2種類の花が作り上げる色のコントラストを楽しむことができます。
伊勢崎市北部の赤堀地区に12世紀中頃に開削された農業用水路一部に花しょうぶ園が整備されています。例年6月上旬から下旬にかけて種類豊富な花しょうぶが、鮮やかな彩りをつけ「赤堀花しょうぶ園まつり」が開催されています。約24,000株の花しょうぶが、中世の水利施設を色彩のグラデーションで覆います。