Now Loading...

秋田竿燈まつり、技と美しさの共演をご覧あれ!まるで実り豊かな稲穂、竿燈の起源とは?

2023/8/15
2024/3/5
秋田竿燈まつり、技と美しさの共演をご覧あれ!まるで実り豊かな稲穂、竿燈の起源とは?

夜空と街を照らす竿燈の数々、まるで実り豊かな稲穂である。人々は夏の夜空にどんな願いを託すのか。夏の眠りを覚ます為に始まったというこのお祭りは、大規模なお祭りに発展。青森のねぶた祭り、仙台の七夕まつりと並んで東北三大祭りの1つとされる。その名も、秋田県秋田市の竿燈まつり。2023年8月3日に現地を訪れた様子をお届けする。

秋田竿燈まつりとは?

秋田県の夏の風物詩、竿燈。国の重要無形民俗文化財に指定されている。見どころは何と言っても、竿燈通りを所狭しと埋め尽くす灯篭の明かりと、技を競い合う担い手の人々の活気溢れる姿だ。五穀豊穣、邪気祓い、睡魔祓い、七夕、お盆などさまざまな願いを融合した行事とされる。今年は大雨被害からの復旧という願いも込められている。2023年のスケジュールは以下の通りだ。

<8月3日〜8/6日 夜竿燈>
18:15 交通規制
18:50 竿燈入場
19:15~20:35 竿燈演技×3回
20:35〜 ふれあいタイム(竿燈に触れたり記念撮影をしたりできる)
21:00 終了(交通規制は21:30まで)

2023年は67団体、竿燈の本数が256本ということで、4年ぶりの通常開催となった。今年は声出しもokで、竿燈の掛け声を来場者に促すような場面もあった。256本の光の饗宴が見られた。提灯には町内ごとの「町紋」が描かれており、そのデザインは町内の象徴、風雅、長寿、祝福、豊作、子宝を意味する縁起物などである。

秋田竿燈祭りの起源とは?

竿燈の起源は江戸時代中期とされており、「ねぶり流し」と呼ばれる睡魔を払うお盆行事だったとされる説が有力。昔は夏が来ると暑さから労働が厳しくてつい眠くなり、その隙に睡魔が忍び寄ってきて眠り病に冒されると考えられていた。

竿燈の掛け声は「ドッコイショードッコイショードッコイショッショドッコイショ、オエタサーオエタサー、根ッコツイタ オエタサ」ドッコイショは重いものを持ち上げる時の掛け声であり、オエタサーはうまく据わった竿燈が、根づいた稲のように動かない意味を表す。

秋田竿燈まつり、夏の夜空に届け

さあ、それでは8月3日に現地に訪れた様子を振り返っていこう。

18:50ごろに竿燈の入場が始まった。

竿燈だけでなく、太鼓を乗せた屋台や、笛を吹くお囃子の姿も見られた。

竿燈は近くから見るとなかなか迫力があり、その大きさが感じられる。

ものすごい派手で、ピカピカと光る装飾がされた屋台もある。

各団体が定位置についたところで、お囃子が止む。それを合図に「1回目の竿燈の始まりです!」の合図がかかり、夜空に向かって、竿燈が一斉に掲げられる。

どんどんと竹を継ぎ足しながら、高くなっていく竿燈。まるで、夜空に向かって、願いを畳み掛けているように、暗闇を竿燈の光で照らす。

竿燈の提灯に書かれるデザインはさまざま。町名、企業のロゴなど、本当に多種多様である。企業や団体、地域が竿燈を通じてこの場に集っていることがよくわかる。

大通りの中央の並木沿いには、有料観覧席が設けられており、ここから拍手や歓声を届ける来場者たちもいる。間近で少し高い位置から眺められるのはこの席だからこそである。

太鼓は車の上に台が設けられてのせられている。撮影させていただこうとすると、気前よくポーズを取ったり、手を振ってくださったりした。

「幼」の文字が書かれた幼若と呼ばれるサイズの竿燈は、子どもたちが挑戦する用である。大人用に比べると少し小さいが、それでも高々と上げる子どもがいると、会場がいつも以上に湧いていた。子どもたちもこの会場では、ヒーローになれるのだ。

さあ、竿燈の長々と続く連なりが観たいと、行列の最後尾の「山王十字路」まで移動した。ここでは道路の車線を分断する並木道がなく、広い道路空間を目一杯使って、数多くの団体がここで竿燈を実施していた。

終了時間が近づくにつれて、徐々に竿燈は高く高く上がるようになっていった。クライマックスは非常に高度な技が見られるに違いない。隣り合う竿燈同士、ぶつけ合ったり、高さや技を競い合ったりしているような場面も多く見られた。

竿燈のしなり具合が半端ない、その技には驚愕である。この大きさの竿燈を手だけでなく、肩や額、腰で支えているというのも重要なポイントだ。ぶつけ合ったりぎゅっと寄せ合って、互いの技を披露し合っている。そろそろ終焉に時が近づいた。最後までそのともしびをつなごうと高々と上げる技と想いに感動する。

さて、秋田竿燈まつりの本日のプログラムは終了。その後は「ふれあいタイム」ということで、太鼓を叩いたり、竿燈との記念撮影タイムとなった。

それから祭りの余韻とともに、担い手たちは撤収に向かっていった。

技と美しさの共演

秋田竿燈まつりを初めて訪問して感じたのは、明るく夜空を照らす竿燈そのものの美しさと、技を競い合う各団体の担い手たちの姿が感動を生むのだと思った。ぜひ、秋田竿燈まつりを訪れる際は、有料観覧席や、山王十字路など、観覧場所を考えながら、これらをぜひ堪能していただきたい。

タグ一覧