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「赤穂義士祭」元禄時代の絵巻が広がる|観光経済新聞

2021/6/12
2021/7/26
「赤穂義士祭」元禄時代の絵巻が広がる|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2021年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

元禄時代の絵巻が広がる

「忠臣蔵」は歌舞伎や浄瑠璃の演目となり、時を超え、多くの日本人の胸を打つ歴史物語として語り継がれている。1年の歳月をかけて主君の仇を討った赤穂浪士の大石内蔵助がヒーロー視されることも多い。江戸本所の吉良邸に討入りをして本懐を遂げた12月14日には毎年、兵庫県赤穂市で「赤穂義士祭」が開催される。1903年から1世紀を超えて続く伝統行事は、年末の風物詩としてすっかり定着している。

赤穂義士祭の当日は、赤穂市の市街地はすっかり忠臣蔵のムードで包まれる。JR赤穂駅から赤穂城を結ぶメインストリートには隙間なく露店が軒を連ね、熱気が放出しているようだ。

祭りのクライマックスを飾るのはフィナーレの「義士行列」だ。四十七士の最後尾の大石内蔵助は毎年、高橋英樹や松平健などの著名人が扮している。赤穂城を出発した義士は太鼓を打ちながら、一歩一歩踏みしめるように市街地を進み、歴代の赤穂藩主の菩提寺である花岳寺東の広場で勝ちどきをあげる。

義士行列の前には多彩なプログラムが組まれ、雰囲気を盛り上げている。「忠臣蔵名場面の山車」のパレードでは、「忠臣蔵」のストーリーの中で印象的な場面が車上で再現される。赤穂義士祭の歴史的背景がリアルに物語られ、赤穂事件の元禄絵巻を広げたかのようだ。「大名行列」では、長持運びや槍(やり)持ちなどが「奴(やっこ)振り」と呼ばれる独特なステップを踏みながら前に進む。槍持ちの毛槍の投げ渡しのユニークな仕草も見逃せない。駕籠(かご)が揺れないように呼吸をぴたりと合わせる4人の駕籠の担ぎ手にも注目だ。赤穂義士の吉良邸討入りシーンを再現した「東映剣会殺陣」には迫力がみなぎる。

他にも地元の演芸サークルや学校の音楽団体のパレードも企画され、市民全員で祭りを作り上げていることも大きな特徴だ。毎年12月14日、赤穂市には元禄時代にタイムスリップしたかのような雰囲気が満ちあふれる。

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