古くから伝わる伝統的な日本のエンターテインメント「人形芝居」。人形がまるで魂が宿っているかのように、人間の感情を生き生きと表現します。
2024年3月、三重県志摩市で安乗(あのり)の人形芝居の特別公演が開催されます。安乗は、岬にある漁村であのりふぐなどが名産として知られています。また、有名な伊勢神宮のある伊勢市と並んで、伊勢・志摩と称されるエリア。
人形芝居の舞台はこの地域の信仰を集める安乗(あのり)神社です。建立時、この地域は「畔乗(あのり)」の表記でしたが、16世紀の朝鮮出兵の際、水軍として活躍した九鬼嘉隆(くきよしたか)が海上安全と戦の勝利を祈願したところ、風向きが変わり追い風となり無事に出港することができたことから、「安」全に船に「乗」るというご利益で有名になり「安乗」に改名されたと言われています。
安乗の人形芝居はこの神社に奉納される人形芝居として400年以上受け継がれてきました。
見た人の心を揺さぶる!400年以上の歴史をもつ伝統芸能「安乗の人形芝居」とは
安乗の人形芝居は毎年9月に行われる安乗神社の祭礼の際に、境内の舞台で演じられる人形芝居です。安土桃山時代に始まり、400年以上にわたって受け継がれてきました。その始まりは朝鮮出兵の際に現在の安乗神社を参拝した九鬼嘉隆を地域の人々がもてなすために披露した手踊りと言われています。また、港町で伝承されていることから、大漁祈願の願いとも結びつきました。
1978年1月に「安乗人形芝居」として、記録作成等の措置を構ずべき無形の民俗文化財に、1980年1月には国の重要無形民俗文化財にも指定され、貴重な民俗文化として今に伝えられています。
難しいのは感情を人形に託して表現すること。ひとつの人形を3人で操り、手や足を繊細に動かしながら、表現していきます。喜怒哀楽の表現がとっても奥深く、呼吸を合わせて演じます。地域の多世代の住民が担い手となり、魂を込めて演じています。
その演目には恵比寿様がお酒を飲んで気分が良くなり福を運んでくる「戎舞(えびすまい)」、親子の再会と突き返さねばならない悲しみを描く「傾城(けいせい)阿波の鳴門」などがあります。どれも豊かな喜怒哀楽表現で、見た人の心揺さぶるものばかりです。
安乗の人形芝居をより深く体験するには?
今回、安乗の人形芝居の真髄に触れることができる体験ツアーを企画しました。このツアーでは、人形芝居の歴史についての学びを行い、理解した上で鑑賞するプログラムをご用意。また芸能の継承者たちとの交流を通じて、安乗の人々の温もりを感じることができます。このツアーを通じ、安乗の人形芝居をより奥深く味わっていただけたらと考えています。
2024年3月17日(日)出発
上演場所:安乗神社(三重県志摩市阿児町安乗844)
①日帰り:コース番号H8240
安乗人形芝居とVISION「笠庵 賛否両論」の昼食
おひとり様旅行代金:13,800円
<スケジュール>
名古屋駅(9:00発)―昼食(VISON「笠庵 賛否両論」で和食膳)―安乗人形芝居を貸切上演―道の駅伊勢志摩―名古屋駅(19:00予定)
②宿泊:コース番号H8239
安乗人形芝居と志摩の海の恵みを愉しむ2日間
おひとり様旅行代金:49,900円(2~4名/1室)
※1名1室(部屋数限定)8,000円増
<スケジュール>
・1日目
名古屋駅(8:30発)―昼食(あのりふぐ料理まるせい)―安乗人形芝居を貸切上演―伊勢志摩温泉・賢島宝生苑燦陽棟(泊)
・2日目
伊勢志摩温泉(10:00出発)―道の駅伊勢志摩(買い物)―昼食(いかだ荘山上)―伊勢神宮内宮・おかげ横丁(自由散策)―名古屋駅(19:00予定)
オマツリジャパンからの推奨コメント
江戸時代、安乗は、全国の幕府の領地から江戸などに運ばれる年貢米(御城米)を運ぶ船が寄港する港として栄えました。その安乗を護る安乗神社に奉納する三人遣いの人形芝居「安乗の人形芝居」は地域の航海安全と大漁満足を祈願する漁民信仰を今に伝える民俗芸能。新年の大漁祈願を目的として式三番を舞わすという風習はこの地ならでは。海女たちの娯楽として楽しまれていた歴史もあり、これぞ三重の風土が生んだ芸能のひとつです。