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菅原道真ゆかりの「うそ替え神事」
日本の全国各地に学問の神様とされる菅原道真を祀る神社が社殿を構えています。東京都中野区の新井天神北野神社も、菅原道真を祭神とする神社です。毎年1月25日には菅原道真ゆかりの神事である「うそ替え神事」が開催されています。
鷽(うそ)は幸運を招く鳥とされ、鷽の字が、學の字に似ているため、学問の神様の天神様とつながりが深いと考えられているのです。毎年1月25日に木彫りの鷽を交換することによって、前年の凶事を嘘とし、新しい一年が幸運に恵まれることを祈念します。
本殿東の授与所で交換する木彫りの鷽
新井天神北野神社では本殿の東の授与所で、木彫りの鷽を交換することができます。授与所前に設置されたデスクの上の盆に前年の木彫りの鷽を納め、新年のものを授与して頂くのです。「うそ替え神事」は15:00から行われるので、それまでに前年の木彫りの鷽を返納しなければなりません。
返納された木彫りの鷽の前で大麻を振ることによって始まる「うそ替え神事」
15:00になると授与所の前に神主が姿を現します。返納された木彫りの鷽の前で大麻を振るい、お祓いの神事が始まるのです。
大麻によって穢れが払われた木彫りの鷽は、神主の手で本殿中央の神棚に運ばれます。
本殿中央の神棚に並べられお祓いが行われる木彫りの鷽
返納された木彫りの鷽を神棚に並べ終えると、神主によってお祓いが行われます。
神棚でのお祓いが終わると木彫りの鷽は、次に境内に設けられた焚き上げ場に移されます。
神事の最後に行われる焚き上げ
全ての木彫りの鷽が焚き上げ場に移されると、大麻が振られ火が点されます。
焚き上げ場に炎が揺れるようになると、木彫りの鷽が火の中に投入されます。
木彫りの鷽が炎の中で焚き上げられている間には、何度も神主によるお祓いが行われます。お祓いの道具として、日本刀が使われる場面もあります。
木彫りの鷽の全てが炎の中に入れられると、最後にお札を焚き上げ「うそ替え神事」は終了します。
新井天神北野神社は、西武新宿線の新井薬師前駅から西に約700メートルに社殿を構えています。神社と駅の道すがらには新井薬師があります。「うそ替え神事」の前後に新井薬師に参拝すれば、ご利益は倍増することでしょう。またJR中央線中野駅からであれば北に1キロあまりです。いずれの駅からも路線バスが運行されており、北野神社前のバス停で下車すれば目の前が鳥居です。
東京都中野区の新井天神北野神社は、菅原道真を祭神とし、毎年1月25日には「うそ替え神事」が開催されています。境内は小ぢんまりとしていますが、15:00から神事の一部始終を間近で見ることができます。