「東京の下町」を聞かれて、真っ先に思い浮かぶのが「浅草」ではないでしょうか。しかし、そんな「江戸下町情緒」のイメージが強い浅草で、サンバの祭典が開かれているのはご存じでしょうか。今回は浅草の夏を締めくくる熱いお祭り「浅草サンバカーニバル」をご紹介します。
浅草サンバカーニバルとは?
下町のランドマーク・浅草の夏を締めくくるのが「浅草サンバカーニバル」です。
昭和56年に始まって以来、賑やかなことが大好きな浅草っ子に支えられながら発展し、今では浅草の夏を彩る一大イベントとして有名になりました。
この「浅草サンバカーニバル」、実はコンテストになっています。各チームともブラジルはリオデジャネイロのカーニバルをお手本に努力を重ね、リーグに分かれて真剣勝負を繰り広げているのです!
浅草サンバカーニバルの見どころをご紹介!
見どころとして、衣装・チームワーク・審査基準の3つをご紹介します。
1)豪華な衣装は要チェック!
浅草サンバカーニバルの見どころとして、豪華な衣装は外せません。各チームとも、自分たちでパレードのテーマを決めています。パレードの衣装は、テーマを表現する大事な手段なので、大きな羽根飾りや帽子が付くのもうなずけます。なお、コンテストのトップリーグである「S1リーグ」では、着用する衣装(ファンタジア)をブラジルに発注制作することもあります。
また、露出度の高い女性の衣装が印象的ですが、このような衣装を着るダンサーはごく一部です。衣装のほかに、踊りでもテーマを表現しているので、大多数のダンサーの衣装もチェックしてみてください。衣装の色のバランス・デザインのセンスもコンテストの評価対象なので、チームを丸ごと目で見て楽しんでみましょう。
2)見よ!参加チームのチームワーク
浅草サンバカーニバルのパレードは、ブラジル・リオデジャネイロのサンバカーニバルを目指しています。
「S1リーグ」からは8チーム以内、「S2リーグ」からは12チーム以内の、総勢20チームで順位を競っています。
・S1リーグ:
150名以上の構成人数で、自チームの実演によるダンス・演奏・歌唱を必須としています。使用するサンバ楽曲は、チームオリジナルのもののみです。
なお、パレードではアレゴリア(山車)・PA車の出場が求められています。
・S2リーグ:
30名以上150名未満の構成人数によるチームを結成します。当リーグでも、自チームの実演によるダンス・演奏・歌唱が求められます。アレゴリアの出場はできません。
この内、S1リーグで出場記録を誇るのが「G.R.E.S.仲見世バルバロス」です。1991年にオリジナル曲「青一色の旗」を制作、1993年にはテーマに沿った楽曲・衣装・アレゴリアを制作し、以来本場ブラジルに倣った現在のスタイルを築き上げてきました。
2019年開催の第38回浅草サンバカーニバルでは、パレードのトリを務めます!
3)サンバの審査の基準
続いても初出場!
2017年結成のチーム「GERSアカデミコス ダ グローリア」
テーマ:「『Muito Prazer Glória!!』初めまして!グローリア」#jcom #浅草サンバ #生中継 pic.twitter.com/we6fUDMttt— 【J:COM公式】浅草サンバ生放送 (@samba_live) 2018年8月25日
浅草サンバカーニバルのコンテストは、複数のリーグに分かれてパフォーマンスの出来を競い合います。リーグごとに審査基準が設定されており、上位リーグほど高度なパフォーマンスを求められます。
審査項目は、テーマの表現・躍動感・衣装・演奏・ダンス・総合評価の6つが設定されています。パレードはテーマに沿って展開されるので、その良し悪しがパレードの成否のカギを握っていると言えるでしょう。
例えば、躍動感はチーム全体の盛り上がり・躍動感が評価されます。「観客にも盛り上がりが伝わっているか?」も評価対象なので、沿道から声援を送ったり手を振ったりすると、ダンサーが近くまで来てくれるかもしれません。間近で踊ってくれる可能性が高くなります!
そして、そのダンスについては、元気があるか、サンバに合わせた動きになっているかが評価されます。観客もサンバの盛り上がりを楽しんでみましょう!
浅草サンバカーニバルの概要
「浅草サンバカーニバル」は、毎年8月の最終土曜日に行われており、2019年は8月31日(土)に開催されます。ここからは、もう少し詳しく、浅草サンバカーニバルの歴史から、開催概要、周辺の観光についてご紹介します。
●浅草サンバカーニバルの歴史
昭和56年が第1回となる浅草サンバカーニバルは、兵庫県の神戸まつりで行われていたサンバカーニバルを参考に始まりました。
娯楽の一大中心地として有名な浅草は、昭和30~40年代に街の活気が下火になりつつありました。街の活気を取り戻し、浅草の新しいイメージをつくり出そうと、ブラジルのサンバカーニバルを「浅草のお祭り」として取り入れることになったのです。
この発案者は、当時の内山台東区長と浅草喜劇俳優の故・伴淳三郎氏であり、浅草の商店連合会がカーニバルの運営主体となりました。
そして現在、浅草観光連盟がカーニバル推進協議会に加わり、出場チームは全国区に広がっています。
●浅草サンバカーニバルの開催日時
- 名称:第38回浅草サンバカーニバル
- 日程:2019年8月31日(土)小雨決行(毎年8月の最終土曜日に開催)
- 時間:13:00~18:00
- 場所:浅草の馬道通り→雷門通り
●おすすめ観覧スポットとアクセス
まず、開催場所の最寄駅「浅草」へのアクセスです。東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレスで浅草駅を目指してください。
次に、無料のおすすめ観覧スポットです。パレードの見応えがあるのは、フィニッシュ直前となる「我妻橋交差点南側」そして「雷門通り」でしょう。「我妻橋交差点南側」では、正面から来るパレードを観ることができます。「雷門通り」は道幅が広く、パレードの雰囲気を存分に味わうことができます。なお、人気観覧スポットのため計画的な場所取りが大切です。
利便性・見やすさを重視する場合は、「馬道通り」西側に設置される「特設招待席(有料)」の少し南側がおすすめです。
浅草サンバカーニバルは有料の観覧席もあります。「特設招待席」と呼ばれるもので、スタート直後の「馬道通りの西側」と、フィニッシュ直前の「雷門通り」に設けられています。余裕がある場合には、個人協賛という形で事前に購入するのも良いでしょう。
あわせてチェックしたい周辺の観光スポット!
今日の夕刻
サンバの余韻もあり
蒸し暑かった浅草寺 pic.twitter.com/TIV4CelaVq— 猪口民人הער ינאָגוטשי (@inoguchita3110) 2018年8月25日
浅草サンバカーニバルは13:00~18:00に開催されるので、前後の時間に食事や観光もできます。周辺の観光スポットを3つご紹介しましょう。
●浅草寺をお参りする
浅草のランドマークともいえる「浅草寺」をお参りしてみましょう。大きな提灯が下がる雷門を抜け、仲見世通りで食べ歩きグルメを楽しみながら歩いていくと、浅草寺本堂にたどり着きます。
●花やしきで思い切り楽しむ
日本最古の遊園地として有名なのが「浅草花やしき」です。つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩3分という好立地にあります。ローラーコースターやお化け屋敷でスリルを楽しんだり、メリーゴーランドやスカイシップでファンタジーな世界を味わったり、様々なアトラクションを思いっきり楽しんでみてはいかがでしょうか。
●東京都観光汽船に乗る
涼を求めて、東京都観光汽船の隅田川クルーズもおすすめです。浅草を起点として隅田川を下り、お台場・浜離宮・豊洲・日の出桟橋など、東京観光に興じることができます。
まとめ
今回は、「浅草サンバカーニバル」について、その歴史や見どころ、周辺の観光スポットまでをご紹介しました。今年は8月31日という、正に夏を締めくくる日程での開催となります。夏の終わりに、サンバの雰囲気を思いっきり楽しんでみてはいかがでしょうか。