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「別府八湯温泉まつり」温泉街ならではの春の祭り|観光経済新聞

2019/10/26
2020/8/29
「別府八湯温泉まつり」温泉街ならではの春の祭り|観光経済新聞

観光経済新聞のコラム記事連載が、2019年9月14号からスタートしました!「お祭り」をフックに旅情あふれる記事を、オマツリジャパンライターの皆さんに書いていただき、毎週掲載して行きます。普段のマツログ記事とは一味違う表現で書いていただいていますので、ぜひお楽しみください。(オマツリジャパン編集部)

別府八湯温泉まつり(大分県別府市)

山は富士、海は瀬戸内、湯は別府。JR日豊本線を降り別府駅前に出ると、両手を上げた愉快なおじさんの石像に刻まれたこの文字が目に入ってくる。石像のおじさんの名前は油屋熊八。近代の別府観光の礎を築いた人物であり、日本初の女性バスガイド付き観光バスを生み出した男でもある。この熊八さんの石像を前に、度肝を抜いたお神輿(みこし)がスタートするのが別府八湯温泉まつりだ。

お神輿の姿はなんと天狗。お祭りは4月1日の温泉感謝の日を皮切りに1週間程度行われるが、その中で巡行する。天狗は真っ赤な長い鼻にたくましい髭(ひげ)が目立ち、お神輿をつくった商店街の名にちなみ「やよい天狗」と呼ばれている。度々災害にあった別府の町を救おうと昭和48年に火災厄除を願って作られたんだそうだ。ダイナミックに別府の町を練り歩く天狗神輿だが、表は男性を、裏は女性を表している。裏に回ると目をひく何かがあるので、ぜひ天狗神輿に遭遇したら見てもらいたい。

温泉まつりという名前の通り、お祭り期間中は市内100カ所以上の共同温泉が無料開放されるのもありがたい。別府八湯という呼び名があるように、さまざまな泉質の湯をこの機会に体験してみるのもいい。湯煙の景色で有名な鉄輪(かんなわ)温泉や、硫黄の香りに包まれ湯の花が浮かぶ明礬(みょうばん)温泉ははずせないだろう。また4月2日には別府の町を見下ろす扇山で火まつりが行われる。闇夜に斜面一面が火に包まれていく様子は圧巻だ。そして最終日にはお神輿が複数出て「湯・ぶっかけまつり」が行われる。ホースやバケツを使って、これでもかと温泉をお神輿に掛けまくっていく。沿道のお客さんもどんどん温泉を浴びていく。ここまできたら温泉まみれになってなんぼだ。

お祭りを堪能したら、お神輿が通ったアーケード内にある赤提灯のお店を目指して、別府名物のとり天に関アジ・関サバをつつきながら、大分麦焼酎を堪能するのもいいかもしれない。

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※トップ画像提供:東京神父

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