一気に空気も春めいて、4月4日のイースター【復活祭】も目前に迫ってきました。
そういえば昔こんな記事を書いたことがあります。
イースターっていつ?そもそもなにをする日? 復活祭あれこれ
イースターエッグや料理など、まだギリギリマイナーな風習を先取りできる稀有なオマツリでもあるので、雪解けとともに毎年何かやりたくなってうずうずしています。
最近は全然オマツリに行けず(行かず)、ドムとかプラモとか作りながら
オルタナティブ系ライター(自称)としての立ち位置を確立しつつある私に、突然編集部から「よしおさん、うさぎ料理って食べたことありますか!?」との問い合わせが…
どうしてこうなった。
ほら、こう手先の器用さ生かして「イースターエッグ作ってみた!」とかの依頼がきそうなもんじゃん?
※ちなみにあとで調べたら、一般的にイースターで食べられるのは「ウサギの形をしたチョコレート」らしい。完全に確信犯ですありがとうございました。またしごとください。
というわけで、いつものようにAmazonさんにお願いしました。
■ミートガイ うさぎ骨付きモモ肉 (2本 約400g) スペイン産 兎肉 キュイスラパン
送料込みで¥2,000ちょっと。100g400円という金額感なので、ちょっとしたすき焼き用お肉ぐらいの価格帯ですかね。ちなみにキュイス=脚 ラパン=ウサギ。
さて、ウサギといえば多産と繁栄の象徴でもあるので、キリスト復活祭であり生命の誕生を祝うイースターでもモチーフにされます。
大地を踏みしめて駆けていくウサギは、直接その土地からのエネルギーをため込むと考えられ、古代ケルトでは呪術的モチーフとして扱われることもありました。
某国産RPGでも、アクセサリとして「ウサギの脚」なんてものがあったと記憶しています。
だいたい運か素早さがちょっと上がるか、逃走率成功率upします。
数日後、クール便でちょっとしたサイズの段ボールが届きました。
早速開封してみるとこんな感じ。
まず目についたのはハラル認証、ウサギは豚ではないのでイスラム教徒の方も安心。知ってた。
原産国はスペイン。
どうやらスペイン、というかイベリア半島は家畜としてのウサギの原産地らしく。スペインの語源でラテン語の「ヒスパニア」も、フェニキア語でウサギの土地を意味するようことです。
説明書に沿って数時間冷蔵庫で解凍して開封したものがこちら。
先っちょから骨がはみ出してるのが若干ワイルドだけど、ぶりんぶりんの弾力ある見事な肉体(?)。
若干スジとか脂が気になるので今のうちに掃除しておきます。
ミスった時の保険として比較用に手羽元も買ってきました
ジビエは何度か触ったことあるものの、臭みとりなど結構気を使うことも多く不安もあるので今回は割り切ってこれに頼ります。
ハーブソルト大先生!!
ちょっと癖のある食材もこれ一袋でたぶんだいたい誤魔化せるうまくいく!!
ハーブソルトと黒コショウ、ちょっと余ってたコンソメをもみこんで10分ほど放置、
付け合わせが欲しくて安くなってたアスパラガスも添えることにしました。
さて、下準備が終わったら、まずは油をひいて熱したフライパンで焼き目をつけていきます。
中火の強火で2分ぐらい。
ひっくり返してさらに3分ぐらい。想像の5倍ぐらいいい感じに美味しそうな雰囲気。
ふたをして弱火にしてさらに3分ぐらい、そしたら火を消してしばし放置。蒸し焼きってヤツですね。
にじむ脂からめちゃくちゃいい匂いがする。
手羽元もだいたい同じですね。ウサギ肉が難易度Lv5ならこっちはLv2ぐらい。楽ちん。
完成!『ハーブウサギ&ハーブチキン』
いい感じの焼き色にテンションが上がります。今日の晩餐は(経費で)とっても豪勢です。いつもありがとうございます!!!
にしてもこの照りよ。
まずはウサギ肉。フォークを刺すと十分な反動を感じるほどには密度感があるみっちりした肉質です。
取り分けるにはちょっとコツがいるけどまずは一口…
…うまいやんけ…。
見た目どおりちょっとだけ鶏肉っぽく、口に入れた瞬間はしっかりとした食感の割に結構あっさり目な印象。だけど噛みしめると遅れてやってくる脂の風味が妙に旨くて、とおくに感じるかすかなケモノ臭が『肉を食ってる!!』という強烈なイメージで殴りつけてきます。
あっさりしてるけど旨味が濃い?みたいな不思議な感想。
何に似てる?って聞かれたら、記憶曖昧だけど軍鶏とかそんな系統の味がします。ケモノ臭のする軍鶏。うさぎ美味しいかーのーやーまー♪とかそんなどうでもいいことを考えている。
ただ、やっぱり筋線維がしっかりしててみちっとした食感なのは特徴。
途中から骨離れがとても悪くて、切り分けながら一人シュラスコみたいな食べ方してました、たのしい。
※中まで火が入ってるかちょっと怪しいのでレンジで追い加熱しました。
うっめ。完食。すでに満足。
存在を忘れかけてた手羽元にいきます。
噛んだ瞬間にほろりとほどける肉、いつもの味。安心。
ウサギのあとだとこの食べやすさはもう奇跡です。『君は僕に食べられるために生まれてきたんだね』という謎の感情が生まれる。家畜化ってすごい。
ごちそうさまでした。
総論として、「食べたことのないものを買ってきて、調理して、食べる」という経験は刺激的で、新鮮です。ジビエと呼ばれるものはいろいろありますが、ウサギは比較的ハードル低いほうだと思います。
よく知らないオマツリも、ちょっと調べてやってみれば立派な文化交流体験になります。
食卓から世界を冒険、してみては?
さて、最後に骨だけが残りました。
先述のとおり古代ケルトでは呪術アイテムとして「ウサギの脚」をアクセサリにしていたようです。
おかげさまで材料はそろってしまいましたね。呪術廻戦さながらロスティンパラダイできそうです。
次回:『おうちで作る特級呪物「兎之脚」』
ドルイドの秘術が、現代に蘇ったり蘇らなかったりするかもしれません。