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松尾芭蕉が『奥の細道』の旅で最初に訪れた日光街道沿いの草加宿
日本文学のスタイルとして定着している俳句は、季節を現す季語を入れ十七音の言葉で自然の美しさなどを表現します。江戸時代に数え切れない名句を残した松尾芭蕉も桜を季語とする俳句を数多く残しています。芭蕉の代表作『奥の細道』を知らない人はいないでしょう。江戸を旅立ち東北地方を巡り次々に名句を詠みました。1689年3月27日に千住を出発した芭蕉は日光街道を北上し、最初に訪れたのは草加宿です。早春の時期にあたり、宿場町を彩る満開の桜を楽しんだことでしょう。綾瀬川と伝右川に挟まれるエリアは現在、札場河岸公園として整備され、例年3月下旬から4月上旬にかけて桜の花が彩ります。2017年は3月30日(木)前後が見頃となりましたが、2021年は気候の影響から3月の4週目から月末が見頃となりそうです。
札場河岸公園は東武スカイツリーラインの草加駅から北東に約1キロに位置します。駅前から路線バスに乗車して谷古宇橋のバス停で下車すれば、公園の入口で松尾芭蕉の像が出迎えてくれます。
札場河岸公園で桜の見頃に合わせて開催される「桜並木撮影会」
札場河岸公園では例年、桜の見頃に合わせて「桜並木撮影会」が開催されています。2021年には3月27日に、第16代草加さわやかさんが姿を現します。公園中央に設置される展望塔の望桜に接する芭蕉庵では、抹茶のおもてなしが行われます。
綾瀬川の両岸に並木道を作るソメイヨシノ
公園の東側には綾瀬川が流れています。川の両岸にはソメイヨシノが並木道を作り、早春の花を楽しみながら散策をすることができます。
芭蕉に春の訪れを知らせる「そうか桜」
入口に立つ松尾芭蕉の像も、少し離れたところから早春の色彩で彩られます。芭蕉に春の訪れを知らせるのは「そうか桜」です。草加市役所の本庁舎玄関前で”しだれ桜”の子どもを接ぎ木して育成した品種で、ソメイヨシノより数日早く開花します。
公園の西側には伝右川が流れます。川沿いの遊歩道は「そうか桜」で彩られます。
一年を通して緑が溢れる草加松原
札場河岸公園が整備されているところは、江戸時代には日光街道が通っていました。公園の北には街道沿いに約1.5キロの松並木が続きます。江戸時代から日光街道の名所とされる草加松原は、一年を通して緑が溢れています。
埼玉県草加市は江戸時代には日光街道沿いの宿場町として発展しました。市内を流れる綾瀬川と伝右川に挟まれる日光街道跡には、札場河岸公園として整備されています。例年3月下旬から4月上旬にかけて、ソメイヨシノや「そうか桜」が、園内に立つ松尾芭蕉に春の訪れを知らせます。