平成30年9月15~16日は岸和田だんじり祭り(注1)に行ってきました。
9月15日、午前6時少し前に曳き出しが始まりました。各町のだんじりが岸和田駅前商店街へとやってきます。
商店街のアーケードにだんじり囃子と威勢のいい掛け声が反響し、祭りムードが一気に高まります。
商店街で一通りだんじりを見た後は、紀州街道へ移動して見物しました。この辺りはそれほど頻繁にだんじりが通るわけではありませんが、古い街並みとだんじりが非常に良くマッチします。
曳き出し後は休憩があり、9時から午前曳行が始まります。
午前曳行時には中町と中之濱町の並走が行われます。通常2台のだんじりが並走することはありませんが、毎年、南海本線から旧国道26号線まで仲良く並走します。
13時からは岸和田駅前パレード。22台のだんじりが岸和田駅前で順番にセレモニーを行います。仮装したりする人もいて少しお遊びの要素も入ります。この時、岸和田駅前や商店街のアーケード内は物凄い人で溢れかえります。
駅前パレード終了後、私はカンカン場(注2)近くへ移動しました。
岸和田だんじり祭りの醍醐味はなんといっても勇壮さですが、豪快な「やりまわし(注3)」を見ることができるのがこのカンカン場です。各町のだんじりが町の威信をかけ、17時くらいまで目いっぱいのやりまわしを行います。
19時からは灯入れ曳行です。提灯に明かりが灯り、多くの子供たちが綱を曳き、ゆっくりと曳行します。昼間の豪快さとは打って変わって優雅な雰囲気をかもしだします。
日付が変わって16日、朝から宮入です。私は岸城神社の宮入(注4)を見てきました。コナカラ坂と呼ばれる坂を一気に駆け上がり、豪快にやりまわしをして岸城神社へと向かいます。
他の交差点とは違い、この場所は1年に1回しか通りません。コナカラ坂のやりまわしは各町にとって特別な思い入れがあります。失敗は許されません。
各町、豪快にやりまわしを決めていきました。
岸和田城の周りを1周して岸城神社へと向かいます。だんじりとお城がこれまた非常にマッチします。
宮入が終わった町から午後曳行が始まります。来年の祭りをにらみ、役割の引継ぎを行いながら曳行をしていきます。
フルマラソン並みに走るこの祭り、終盤を迎えると疲労が溜まってきますが、疲労度合いとは逆にカンカン場でのやりまわしはスピードを増していきます。
ひとつ間違えると事故になってしまいますが、ぎりぎり限界まで攻めて曲がります。祭りの最後を惜しむように17時過ぎまで、くり返しやりまわしは行われます。
日が沈み、とうとう最後の灯入れ曳行。ゆっくりと街中を曳行し、22時頃に各町のだんじりは小屋へと帰って行きました。
今年の祭りも物損事故はありましたが、人命にかかわるような大きな人身事故はなく、無事に平成最後の岸和田だんじり祭りは終わりました。
働き方改革が叫ばれるこのご時世ですが、祭りに魅せられた私は2日間で30時間、3000枚以上撮影し、仕事以上にハードでした。
注1:大阪府岸和田市には80台を超えるだんじりがあり、9月に祭りを行う地区(旧市と春木)と10月に祭りを行う地区があります。その中でもマスコミにもよく取り上げられるのが9月の旧市で、私が今回記事にしたのは旧市の祭りです。
注2:府道臨海線岸和田港交差点を通称「カンカン場」と言います。豪快なやりまわしが見れるスポットです。
注3:やりまわしとは走りながら90度方向転換することです。
注4:宮入は岸城神社(15台)、岸和田天神宮(6台)、弥栄神社(1台)でそれぞれ行われます。