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迫力ある屋台や起こし太鼓!飛騨古川まつり会館でお祭り気分を味わう

更新日:2021/5/21 稲村 行真
迫力ある屋台や起こし太鼓!飛騨古川まつり会館でお祭り気分を味わう

飛騨古川の地に伝わる勇壮なお祭り「古川祭」は、春の訪れとともに、毎年4月19.20日の2日間にわたって行われる。今年は新型コロナウイルスの影響もあり、規模を縮小しての開催となってしまったが、普段の祭り気分を一年中味わえる場所がある。それが「飛騨古川まつり会館」だ。実際に使われている屋台などが堂々と展示され、シアターでは実際の躍動感あふれる祭りの映像も見られる。祭りに参加したい、見たいと思っている方にとっては特に、見応えのある展示だろう。実際にこの場所を訪れ、感じたことをレポートする。

古川祭の雰囲気を味わえる、飛騨古川まつり会館

約400年の歴史があると言われ、江戸時代に始まった古川祭。町を見守る形で存在する気多若宮神社の例大祭だ。見所は大きな太鼓を鳴らして練り歩く「起こし太鼓」と動く陽明門とも言われる10台の「屋台曳行(やたいえいこう)」である。この2つはユネスコの無形文化遺産や国の重要無形文化財にも登録されている。

飛騨古川まつり会館は、映画「君の名は。」の聖地としても知られる飛騨古川駅から徒歩5分。駐車場もあり、電車でも車でもアクセスしやすい。私は実際に駅から徒歩で向かった。途中、白壁の美しい街並みが広がっており、心地よい風景を見ながら飛騨古川まつり会館へとたどり着いた。

飛騨古川まつり会館の入り口

増島城の御城印が販売されているようだ

人力車にも乗れるらしい

映像で躍動感あふれる祭りを体感!

まず館内に入ると、受付で獅子頭がお出迎えしてくれた。ここで入場料700円(飛騨の匠文化館とセットの場合は800円)を支払うと、中に入ることができる。まずは古川祭の説明パネルなどがあり、その廊下を抜け下の階に降りると、スタッフの方が4Kシアターに案内してくれた。4Kシアターでは、毎時20分おきに古川祭の様子を映画館のような大型のスクリーンで楽しめる。映像の綺麗さにはとても驚いて、まるで映画を見ているような気分に浸ることができた。ここでまず映像を見ておくと、展示を見るにも祭りの流れがわかるので、より楽しむことができると感じた。合わせて古川祭の屋台に関する映像資料も展示されており、より理解を深めることができた。

受付には大きな獅子頭

古川祭の説明書きがあった

古川祭の屋台に関する映像

屋台の実物が3つ展示されている

古川祭では実際に10台の屋台が使われるが、そのうち3つの屋台が常時展示されている。定期的に入れ替えをするようだが、どれも人間の背丈をはるかに超える圧巻の大きさだ。そして、伝統工芸の飾りや彫り物の美しさと細かさがとても際立っている。自動で回転しているものもあり、展示場の工夫もされていた。この大きな屋台が実際に街を練り歩いているという姿を想像すると、迫力のある雰囲気が想像できる。古川祭当日には、この屋台に子供達が上がって、からくり人形や子供歌舞伎などを演じるようだ。

大きな屋台

屋台が展示されている空間

からくり人形の操作体験もできる!屋台とともに移動するものは何?

からくり人形に関しては、実際に紐を引っ張って左右に動かす操作体験ができるようになっている。また、その背後には油単(ゆたん)の胴体を持つ獅子舞や、闘鶏楽、義経と弁慶の子供歌舞伎などの展示もある。獅子舞については、個人的には幌とカヤのものばかり見てきたので、油単(ゆたん)がとても新鮮だった。

操作体験ができるからくり人形

油単の胴体を持つ獅子舞

子供歌舞伎の牛若丸と弁慶

起こし太鼓の迫力を体感!

それから、古川祭の見どころの一つである起こし太鼓のレプリカと、その行列を再現した展示がある。「付け太鼓」の棒の上で行われる「とんぼ」という曲芸を実際に体験できるコーナーもある。先ほどのからくり人形含め、実際に臨場感あるれる展示とともに古川祭の様子を体験できることがこの飛騨古川まつり会館の面白さだろう。

堂々とした起こし太鼓

リンゴの枝で再現された起こし太鼓

どんな行列を作る?衣装を着ることもできる

それから再び受付などがある上の階へと階段を上ると、人形による祭り当日の行列の再現がある。数百メートルにもなるこの行列の長さにびっくりだ。屋台や起こし太鼓だけでなく、獅子、闘鶏楽、舞姫、雅楽など様々な立場の人が行列に加わっていることを実感することができ、ここで祭りの全体像がくっきりと見えてくる。これほど盛大な祭りが開催されているというのは驚きだ。街の人々がどれほど古川祭に対して想いを込めているかが伝わってくる。その先には、実際に行列の人々が着用している衣服を着ることができ、お客さんにとっては見せ合いや写真撮影などできたらとても楽しいだろう。このお祭りの行列の一員になった気分が味わえるに違いない。

長く続く古川祭の行列

行列の人々の衣装

衣装を着ることも出来る

飛騨の匠文化館など周辺の施設も充実

飛騨古川まつり会館の近くには、飛騨の伝統建築の担い手の職人の技を知ることができる「飛騨の匠文化館」もある。職人たちは自分の作った柱に印をつけるなどして職人としての誇りをつないできたようだ。柱を組み合わせるパズルなどもあり、スタッフが組み立て方を丁寧に解説してくれた。また、実際に職人が製作したものの一つに、獅子舞に使われる木彫りの獅子頭が展示されていた。職人が伝える伝統工芸の技術が飛騨古川のまつり文化を下支えしているという実感も得ることができた。

また外の堀には綺麗な鯉が泳いでいたり、白壁の街並みを歩いてみたり、売店で五平餅や団子を買って食べてみたりと、街全体でも楽しめる場所が様々にあることが分かった。コロナ禍でお祭りも例年どおり開催できない中で、休日にお祭り気分が味わえる飛騨古川まつり会館と周辺の施設や町歩きを、ぜひこの機会に楽しんでみてはいかがだろうか。お祭り気分を堪能できるに違いない。

◯飛騨古川まつり会館について
場所:岐阜県飛騨市古川町壱之町14-5
開館時間:午前9:00~午後5:00(3月~11月), 午前9:00~午後4:30(12月~2月)
アクセス:JR高山本線 飛騨古川駅から徒歩5分, 駐車場あり
入館料:入場料 大人(高校生以上) 700円, 小人 300円  ※障がい者割引 料金の半額

飛騨古川まつり会館のホームページ

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
日本全国500件以上の獅子舞を取材してきました。民俗芸能に関する執筆、研究、作品制作等を行っています。

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