Now Loading...

『氷菓』10周年に3年ぶり復活「飛騨生きびな祭り」が私、気になります!

2023/3/31
2023/3/30
『氷菓』10周年に3年ぶり復活「飛騨生きびな祭り」が私、気になります!

4月3日、飛騨一宮水無神社(岐阜県)で「飛騨生きびな祭り」が行われます。

春遅い飛騨高山の風土と、かつての養蚕業隆盛の歴史のもとに取り行われるこのひな祭り。美しく華やかな情景は、TVアニメ『氷菓』(原作:米澤穂信、制作:京都アニメーション)でも取り上げられ、全国に知られるようになりました。

 

この投稿をInstagramで見る

 

KyoAni | 京アニ(@kyoanipost)がシェアした投稿

コロナ禍で3年間の休止を経て、第70回目の記念となる今年、高山の春の風物詩を楽しみに多くの人が訪れることでしょう。この記事では飛騨一宮水無神社の「飛騨生きびな祭り」の魅力を紹介します。

「飛騨生きびな祭り」とは?

飛騨生きびな祭は、周囲を北アルプスなど3000メートル級の山に囲まれた高山市で毎年4月3日に行われる祭です。舞台となる水無神社は飛騨の位山(くらいやま)を御神体とした飛騨の鎮守です。

飛騨一宮水無神社

耕地が少なかったため、古くから養蚕業が盛んだった飛騨高山は、江戸期には幕府天領として栄え、明治維新後も養蚕・製紙業の一大拠点として発展しました。

飛騨生きびな祭りは、養蚕業の祭として行われていた春の「蚕糸業祭」に、ひな祭りを取り入れ、1952(昭和27)年に創始。「絹に象徴される女性の気品と幸福を祈念する」とともに、一年の豊作を願うお祭りです。

 

この投稿をInstagramで見る

 

A.Kobayashi(@kobayashi701)がシェアした投稿

祭りの見どころとなっているのが、内裏(だいり)、后(きさき)、左大臣、右大臣、五人官女に扮した女性らによる練り歩きです。露払いの赤鬼と青鬼をはじめ、音楽を奏でる伶人、稚児(2023年は規模縮小のため休止)、巫女、奉賛会の人々ら百数人とともに参道をパレードします。

お祭りの最後には特設の舞台において、1年の豊作を祈願して、生きびな様たちがもち投げを行います。

『氷菓』千反田えるが務めた「生きびな」

生きたひな人形に扮する、合計9人の女性は、飛騨地方3市1村の未婚の女性から選ばれます。

冒頭で紹介したTVアニメ『氷菓』は、高校の<古典部>を舞台にしたミステリー小説シリーズが原作で、作者の人気作家・米澤穂信さんの出身地である高山市がモデルになっているとされています。2012年のアニメ化に際しても、米澤さんの母校である斐太高校や、江戸時代の商人街の雰囲気を残した街並み、推定樹齢1100年という「臥龍桜」など飛騨高山の魅力的なランドマークがたくさん描かれました。

臥龍桜

そして、『氷菓』第22話「遠回りする雛」では、作中のヒロイン・千反田(ちたんだ)えるの地元の祭りとして「生きびな祭り」が登場。えるが后役を務め、前述の臥龍桜も話の重要な鍵となります。アニメスタッフが実際に「飛騨生きびな祭り」を見学に訪れ、丁寧に描がれた情景は、夢見心地の美しさ。「女性の幸福を祈念する」という「飛騨生きびな祭り」の願いを絶妙に絡ませたストーリー展開と相まって、伝説の最終話として多くの人から絶賛されています。

アニメの人気に伴い、伝統ある「生きびな祭り」も広く知られるようになり、「聖地巡礼」として多くのファンが訪れるようになりました。放送後の2013年には、ファンと地元の熱意により、公式なコラボレーションも実施され、お祭りには例年500〜800人だった来場者数が2500人も集まったそうです。

放送から10年経った今も、愛されている『氷菓』。高山市の各所では、ヒロインのえると飛騨の伝統的お守りであるさるぼぼがコラボした「えるぼぼ」キーホルダーなど、コラボグッズに出会うことができます。

2023年1月から3月まで、『氷菓』放送10周年を記念したスタンプラリーも行われています。『氷菓』は、2018年から2023年まで6年連続で「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」に選ばれています。

 

この投稿をInstagramで見る

 

@mh_s0o25がシェアした投稿

女性のためのご祈祷も

飛騨一宮水無神社では、女性の幸せを祈念するという「生きびな祭り」に先駆け、例年3月に「御姫幸(おきさき)祈祷」を行います。これは、仕事や家事に追われる現代の女性が、自身を見つめ直すきっかけとなり、潤いのある本来の姿に立ち返ることを祈願するご祈祷です。本人だけでなく、家族やパートナーのための代理祈祷もしてもらえるので、ぜひ大切な女性のために訪れてみるのはいかがでしょうか。

タグ一覧