埴輪の製作遺跡を中心に整備された「馬渡はにわ公園」
茨城県のひたちなか市は、大手電機メーカが拠点を構える企業城下町ですが、市の中心部の馬渡地区で1963年に埴輪の製作遺跡が発見されました。遺跡を中心に「馬渡はにわ公園」が整備され、敷地内に花しょうぶ園が設けられています。例年6月上旬から下旬にかけて季節の彩りで包まれ、「花しょうぶ園まつり」が開催されています。2019年は6月1日~6月25日に行われました。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となりましたが、マスクを着用してソーシャル・ディスタンスをキープしながら花しょうぶを鑑賞することができます。
地域の人々が作り上げた花の名所
「馬渡はにわ公園」の花しょうぶ園は、敷地の東南部に整備されています。花しょうぶ園が誕生したきっかけは、1991年にこの地域に住んでいる方が花の名所を作るために、4千本の花しょうぶを提供したことです。それ以来、地元の方々が手入れを続け、現在では約2,500平方メートルの敷地に2万本を超える花しょうぶが育っています。
花しょうぶは、幅10メートル足らず、長さ約100メートルの細長いエリアで植栽されています。園の外周を園路が囲み、中央にはベンチが設置してあります。
色、花弁の数も多彩な花しょうぶ
花しょうぶには数千種の品種が育成されていますが、「馬渡はにわ公園」では約100種類を見ることができます。品種ごとに大きく異なる個性をもっていますが、花の色、花弁の数、花型、模様などのポイントに注目すれば、各々の品種の特徴を鮮明にすることができます。花の色、花弁の数だけでも、千差万別です。花しょうぶでは、花弁に相当する部分を花被あるいは英と呼んでいます。3枚の花被をもった原種の「三英」の花を品種改良することによって、「六英」、「多弁」の花が誕生しました。
花しょうぶ園の南で異なる姿を見せるアジサイやハス
花しょうぶ園の南には蓮池が設けられています。池を囲むアジサイに誘われ、早咲きのハスが花の輪を開いています。
花しょうぶ園と蓮池を隔てる木道を進むと、埴輪の製作遺跡のエリアとなります。鮮やかな緑に包まれる中に、5世紀末から6世紀にかけて埴輪を作っていた窯跡、工房跡が残されています。
「馬渡はにわ公園」へのアクセス
「馬渡はにわ公園」へ公共交通機関を利用して行くには、JR勝田駅からバスを利用することになります。公園の入口近くに「はにわ公園入口」のバス停はあるのですが、この路線は1日に3便しか運行されていません。この路線の時刻表に合わせてスケジュールを組むこともできるかもしれませんが、徒歩5分以内の圏内に「本郷台団地入口」、「弥生団地」、「市営弥生アパート」などのバス停があるので、各々の路線の時刻表を確認してスケジュールを組むと時間を効率的に使えるでしょう。
茨城県のひたちなか市で発見された埴輪の製作遺跡を中心に、「馬渡はにわ公園」が造園されました。この敷地内に花の名所を作りたいと願った地域の人々によって花しょうぶ園が整備されています。当初は4千本であった花しょうぶは、現在では2万本を超えます。例年6月上旬から下旬にかけて豊かな彩りの花を咲かせ、「花しょうぶ園まつり」が開催されています。