火焚祭とは?
火焚祭をご存知でしょうか?京都では11月になると各地の神社から火を焚く煙が空高く上がり、その景色が冬を迎える風物詩となっています。火を焚くことで、厄払いや秋の収穫への感謝を示すものとなっており、神社によっては11月23日の新嘗祭に合わせ行われることもあります。また火の中に入れられるのは、奉納された火焚串(護摩木)。奉納者の想いを祈願する場としても大切にされています。
それでは、令和2年に行われた火焚祭を4カ所ご紹介していきます!
城南宮の火焚祭
京都市伏見区にある神社、城南宮。平安京ができる際(8世紀後半から9世紀前半頃)に創建され、方除(ほうよけ)の神様として大切にされてきた神社です。こちらでは毎年11月20日14時から、無病息災、家内安全を願って火焚祭が行われています。
城南宮火焚祭の見どころは2本立!前半の火焚神事と後半の浦安の舞です。浦安の舞では、美しく着飾った巫女が優雅な舞を披露します!
新熊野神社の火焚祭
京都市東山区にある新熊野神社(いまくまの じんじゃ)。平安時代末期、後白河法皇によって創建された神社です。創建の際には、当時の武家のトップであった平清盛が中心となって動いていたと伝わるんだとか。この新熊野神社では、毎年新嘗祭に合わせ11月23日に火焚祭が行われています!
熊野信仰の厚い時代に建てられた新熊野神社。その流れを汲み、本殿の屋根の上には足が三本ある八咫烏(ヤタガラス)がいました。八咫烏は導きの神と言われます。ぜひチェックしてみてください!
車折神社の火焚祭
京都市嵐山、紅葉の名所として有名なこの地にある車折神社(くるまざき じんじゃ)。平安時代後期の儒学者、清原頼業(きよはら よりなり)がご祭神の神社で、「その才、神というべく尊ぶべし」と言われた頼業のご利益にあずかろうと多くの方が参拝に来ます。こちらも毎年11月23日に、五穀豊穣への感謝、厄災消除を祈り火焚祭が行われています!
火焚祭の後は、ぜひ境内を散策してみてください。境内社の芸能神社は、その名の通り芸能関係の方の信仰が厚い神社。社殿を取り囲む玉垣には芸能人の名前がびっしり書かれており、お目当ての芸能人の名前を探しに来る方もいるそうです。
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濡髪大明神の護摩焚き
京都市東山区の古刹、知恩院。このお寺の敷地内を奥へ奥へと進んだ先に濡髪大明神(ぬれがみ だいみょうじん)があります。こちらでは毎年11月25日14時から、「濡髪大明神大祭」の中で火焚きが行われます!
濡髪大明神の前には、三つ葉葵が掲げられた大きなお墓があります。江戸幕府二代将軍、徳川秀忠の娘の千姫のものです。なぜここにあるのかと言うと、徳川家康が熱心な浄土宗信仰者だったため。江戸時代初期に浄土宗の総本山である知恩院の発展に力を入れてきたこともあり、知恩院と徳川家の関係が深いことからなんだとか。
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火焚祭は、江戸時代から続く京都に冬を告げる大切なお祭り。紹介した4カ所のほかにも、貴船神社や伏見稲荷大社、御香宮神社など複数の神社で開催されています。ぜひ11月の京都へお越しの際は、火焚祭へも行ってみてください!