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神田祭のディープさとは、神田明神の広報担当者に語ってもらいました!

2019/5/8
2024/2/29
神田祭のディープさとは、神田明神の広報担当者に語ってもらいました!

日本三大祭りの一つに数えられる神田祭。神田祭の存在を知らない方はいないと思います。今回は、神田明神の広報を担当している、岸川さん※以下、敬称略 にお話を伺ってきました!ディープな神田祭の世界をお届けいたします!

※インタビュアー:オマツリジャパン 神輿エバンジェリスト カツ
オマツリジャパン ライター りか

そもそも神田祭とは?

千代田区に鎮座する神田明神の例大祭で、日本三大祭りの一つに数えられています。2年に1回の頻度で行われ、今年(2019年)は開催年にあたります。

・5月11日(土)終日   神幸祭(神田、日本橋、大手・丸の内、秋葉原巡行)
・5月11日(土)15:00~ 附け祭(つけまつり)
・5月11日(土)16:00~ 神幸祭神輿宮入
・5月12日(日)終日   神輿宮入

今年の主な日程はこのようになっています。
次からはメインとなる神輿宮入、附け祭についてご紹介しますが、神田祭は1週間に渡り様々な行事が行われています。各行事についての詳細は公式HPからご確認ください。

神田祭の公式HPはコチラ

その数200以上!?壮大なスケールで行われる神輿宮入!

神田祭のいちばんの見所と言えば何と言っても盛大に行われる神輿宮入!2019年は5月12日(日)に行われます。神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内…などなど、108ある氏子の町会から、200を超えるお神輿が練り歩きます!これだけの規模と数は神田祭ならでは。圧巻の迫力です!

12日(日)は朝9時から続々と神田明神に各町会の宮入が始まります。神田明神下までの通りには宮入を待つ神輿が行列を作っています。そんな姿を見れるのも神田祭ぐらい?

神田祭では108の町会が地区毎に分かれて連合渡御(複数の神輿が列を作って渡御していくこと)を行います。神田明神だけでなく、秋葉原から日本橋まで本当に広い地域で1日中お神輿の渡御を見ることが出来ます。

特に、有名なのは秋葉原の中央通り。通常は車と買い物客で賑わう秋葉原をこの日だけはお神輿と担ぎ手たちが大通りを埋め尽くされます。通りを見渡す限り全てお神輿という壮観を見ることが出来ます。

神田祭を楽しむ為には、神田明神だけでなく地図を片手に周辺地域を散策してみてはいかがでしょうか?!

順路図ダウンロードはこちら:https://www.kandamyoujin.or.jp/kandamatsuri/download/

1日かけて行われる日曜日の神輿宮入。このクライマックスを務めるのは江戸神社の本社神輿です。神田にはその昔は青果市場「神田市場」がありました。昔から神田市場では都内屈指の大きさを誇るお神輿を神田祭の時には渡御していました。神田市場は1989年に現太田市場に移転しましたが、その際にお神輿も江戸神社として神田明神に奉安されることとなりました。

今でも2年に1度の本祭では、この江戸神社の本社神輿は秋葉原から神田明神まで渡御を行い、神田祭のクライマックスを盛大に盛り上げます。

あまりの大きさに隨神門(境内に通じる門のこと)を通ることが出来ないため、神楽殿の脇を通って境内に登場します。お神輿の上に3名が乗り、掛け声を合わせて担ぎ上げる姿は圧巻です。是非、夕方まで境内で粘ってみてはいかがでしょうか?!

江戸時代の文化を色濃く残す「附け祭」とは?

「神幸祭」の一部として行われる附け祭。江戸時代に流行した文化芸能を多様に取り入れ、踊り屋台や疋き物、仮装行列が行われます。毎回テーマや趣向を変えた出し物が出されたため、神田祭の中では特に賑やかな行列で、最も人気があったと言われています。
現在も毎回テーマや趣向が異なる出し物が出されており、代表的なものには「大江山凱陣(おおえやまがいじん)」があります!

 

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中にはこんなアニメとのコラボ山車も…

 

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2017年5月13日 #東京#Tokyo#神田祭#神幸祭#神輿#鳳輦#mikoshi#祭り#附け祭#こち亀

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神田祭のディープな情報①アニメとのコラボを受け入れる理由

先ほどご紹介した「附け祭」では、こち亀の両さんの山車が出る…等、積極的にアニメやスマホゲームとのコラボを行っている神田祭。アニメとのコラボを受け入れていることについて、お話を伺いました!

岸川)アニメとのコラボを受け入れることについては、企業側からオファーをいただくことが多いですね。神田神社としては、「全て受け入れる」位のスタンスでいます。銭形平次(架空の人物)の記念碑が境内にあったり…等、東京の雑多な文化を受け入れることは昔からやっていました。

りか)そうなんですね!

岸川)ロンバケって分かりますか?

りか)ええと…「ロングバケーション」という、木村拓哉と山口智子のドラマでしたっけ…?

岸川)そう。あれは実は一話のオープニングはうち(神田明神)なんですよ。

りか&カツ)へぇぇーー!

岸川)ですので、アニメに限らずスマホゲーム、テレビドラマ…etc「芸能」と言う文化を、幅広く受け入れるというスタンスですね。

カツ)江戸時代の「附け祭」も、当時の流行を取り入れていたと聞いています。「流行の文化を受け入れる」という点では、今も昔もブレないんですね。

岸川)そうですね。調べてみると、江戸時代はかなり柔軟に流行の文化をお祭りに取り入れていたことが分かります。歩きながら漫才やったり…。伝統とは「変わらない」ということをいう人がいますけど、お祭りの形や装束は昔ながらのものであっても、お祭りをやる人は現代人なわけですからね。否が応でも変わらざるを得ないものだと思っています。

りか)1300年の歴史がある神田明神の「神田祭」と言うと、それだけで「高尚な」「変わらない」というイメージを抱いてしまうのですが…。

岸川)歴史を知れば知るほど、神聖さばかりがお祭りでなく、俗っぽさがあることが分かると思いますよ。また時代を経るごとに変化していっています。
神田明神では、アニメとのコラボ以外にプロレスの興行もやっていますけれど、「プロレスを境内でやるって不謹慎ではありませんか?」って聞く人もいるんですよ。そんなこと言いだしたら、お祭りの屋台で飲み食いして酔っぱらっているのも不謹慎ってことになってしまうし(笑)

りか&カツ)本当に、その通りですね…。

岸川)お祭りって、一方的な道徳の尺度だけではとらえられないものだと思うんですよね。

神田祭のディープな情報②なぜ2年に1回なの?

カツ)神田祭は2年に1回、山王祭(赤坂日枝神社のお祭り)と交互に開催されていますが、これには何か理由があるのでしょうか?

岸川)もともと、江戸時代は神田明神と赤坂日枝神社の氏子が一部被っていたんですよ。それで、年に2回も大きなお祭りをやるのは、街自体も疲弊していくということで、年に1回になるようにしたのが由来ですね。

カツ)そうだったんですね!氏子の都合でお祭りの開催頻度が変わることもあるんですね。

岸川)やっぱりお祭りは、氏子の気持ちが大切だと思いますね。2年に1回の方が気持ちも盛り上がりますしね。

神田祭のディープな情報③今年の附け祭の山車は?何を出すの?

カツ)前回(2017年)の神田祭で、なまずの山車が出ていましたが、あれは昔あったものを復活させたのでしょうか?

岸田)そうですね、あれは時代の流れや、人との縁によって実現できたのですが、江戸時代に出ていたなまずの山車を2005年に復活させたんです。ちょうど江戸開府400年という節目の年を2003年に迎えて、江戸文化に対するブームが起こっていた。江戸文化を復活させようという機運の中で、江戸時代の神田祭の様子を描いた絵巻物から、なまずの山車を復活させることになったんです。ちょうどスマトラ沖の大地震もあったので、「地震除け」の意味も込めての復活でした。

カツ)そうだったんですね!

岸田)ただ…今年は耐久性の問題でなまずは出せないんですよ…。

カツ)なんと!…では今年はどんな山車を出すのでしょうか??

岸田)今年は、「浦島太郎」と「花咲爺さん」ですね。前回(2017年)と同じではあります。
また、今年は新天皇ご即位の記念の年でもありますので、御即位をお祝いするのぼり等が出るので注目頂きたいですね。

 

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2017年5月13日 #東京#Tokyo#神田祭#神幸祭#神輿#鳳輦#mikoshi#祭り#馬#horse

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神田祭のディープな情報④お神輿の動線は把握しているの?

りか)神輿宮入では、108もの町会から、200を超えるお神輿が練り歩きますよね。この動線って把握されているんでしょうか?

岸川)いえ、我々神社側の人間も、全ては把握していないですね。その辺は氏子にお任せしています。また、神社側で氏子の担当者はもちろんいるんですが、さすがに108もあるので分担制なんですよ。

カツ)108の町会の代表者を集めて合意形成…って、大変ですよね。

りか)全員入りきる部屋を確保するだけでも大変そうですね。

岸川)そうなんです。このお神輿の動線を今、論文に書こうとしている研究者がいるんですが、なかなか大変そうですね。一人で研究しているので人手が足りないというのもあると思いますが、なにせ微妙に変化していくので把握しきれないと。

カツ)そういったところからも「お祭りは変化していく」「お祭りは生き物」という感じがしますね。

岸川)その通りです。

まとめ

今回は、神田明神の広報担当岸川さんにお話をお伺いしました!
氏子の皆さんの神田祭に対する熱いパワーと、変化を受け入れる神社側の姿勢が、今日の神田祭を作っているんですね。
2019年は浦島太郎と花咲爺さんの山車が出され、新天皇ご即位祝いののぼりも出されるとのこと。
神田祭に足を運ぶ際は、前回との違いを探してみるのも面白いのではないでしょうか。

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