※2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響で、御神幸行列・露店等は中止となりました。2021年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。(2020年5月26日 編集部)
お祭りの舞台は新潟県加茂市
お祭りの舞台加茂市は、新潟県の中央部に位置し新潟市の隣にある市です。古くから京都の賀茂神社とつながりがあり、平安時代から続く落ち着いた街並みは「越後の小京都」と呼ばれてきました。市名の加茂も賀茂神社が由来となっているそうです。今回のお祭りの内容は、そんな小京都にふさわしい歴史と雅さを感じる見ごたえのあるものになっています!(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。 2020年5月26日 編集部更新)
祭礼に先立ち準備をする市民
上条まつり(じょうじょうまつり)当日の6月15日。お祭りがはじまる14時を前に、神社に続く参道には多くの役者が準備をして出番を待っています。
上条まつりと地元の人に愛着を持って呼ばれるこのお祭りの正式名称は「長瀬神社春季祭礼」。上条とは長瀬神社周辺の地名で、さらに長瀬神社は「八幡さま」と呼ばれ親しまれています。長治2年(1105年)に京都の石清水八幡宮から神様を勧進したことから、こう呼ばれているそうです。
長瀬神社の境内には諏訪社、住吉社、伊勢社のような末社が複数あり、さらに石祠もたくさんあることから歴史と格式の高さを伺えます。
さて市内に目を向けると、お祭りの開始を前にして道路は歩行者天国にされ提灯が店先に掲げられ準備万端です!
※新潟県内にはJR只見線の上条駅(かみじょう えき)がありますが、こちらのお祭りは上条まつり(じょうじょう まつり)なので読み方にご注意を!
六角形の珍しいお神輿が登場!
長瀬神社のある山を登り、頂上の神社境内へやってきました。神社社殿の前に日本全国でも珍しい、六角形のお神輿があります!宮出を前に、ちょうど飾り付けをしているところでした。
お神輿を正面から見てみます。飾りつけもすすみ神々しいです!
こちらの長瀬神社の六角形お神輿ですが、今から約170年前の弘化5年(1848年)に造られたものです。屋根の漆塗りや側面の金色で彩られた装飾から、当時の技を感じられますね!
最後に金色の鳳凰が設置され、宮出の準備が整いました!
お神輿の準備が整ったところで祭礼がはじまります。まず宮司さんによる儀式が行われました。
続いてお神楽の奉納です。境内にある舞殿で披露されます。仮面が独特ですね。
新潟県加茂市の長瀬神社春季例祭(上条まつり)へ来ています!日本中で珍しい六角形のお神輿の宮出の前にお神楽が舞われています!#新潟 #加茂 #長瀬神社 #上条まつり #お神輿 #祭り pic.twitter.com/TuppLFxVog
— 高橋佑馬@お祭りトラベラー (@yuma_walking) June 15, 2019
いよいよ宮出!
一通りの祭礼行事が終わり、いよいよ宮出が行われます!氏子の皆さんが勢いよくお神輿を担ぎあげました!
新潟県加茂市の上条まつり。長瀬神社の珍しい六角形お神輿の宮出の様子です!このお神輿は弘化5年(1848年)に造られたものなんだとか。屋根をはじめ、全体的に細工が素晴らしく見ていて惹きつけられます!#祭り #お神輿 #新潟 #加茂 #長瀬神社 #幕末 pic.twitter.com/lYOnGRsyKh
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階段の参道を降り、鳥居の所までお神輿がやってきました!沿道の方から歓声が上がります!
上条まつり、長瀬神社の参道を降り、鳥居から六角形のお神輿が登場しました!お神輿の後ろに続く太鼓、笛の一行もいいですね!#祭り #お神輿 #長瀬神社 #上条まつり #お囃子 #新潟 #加茂 pic.twitter.com/8bxVYeqiQ8
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お神輿の後ろからはお囃子の隊列が続きます。笛の音色と太鼓の響きがいいですね!
上条まつりはお神輿を導く行列を見ると、地域住民総出で盛り上げているお祭りだと言うことがわかります。こちらは地元の青年たち。手荷持っているハトがユニークですが、旅芸人か何かでしょうか?
地元の子どもたちによる稚児行列もあります!赤い衣装がかわいらしいですね。
左大臣右大臣なんてのもいます!かなり凝った衣装!
ユニークな行列はまるで時代絵巻
長瀬神社前の農村を抜けると、賀茂川にかかる橋を渡り商店街へと入っていきます。
お神輿行列の先頭を導くのは天狗(猿田彦)です!
天狗の後ろからは天狗の面を旗に括り付けて歩く地元っ子が続きます!「てーんぐ、てんぐ。」の歌と共に進む姿はユニークです!
新潟県加茂市、長瀬神社の上条まつり。このお祭りの形式はとてもユニーク!天狗(猿田彦)や白馬がいるだけでなく、町の人が鉄砲隊をはじめいろんな衣装を来て行列をつくり練り歩いていました。老若男女役割を背負って町の人総出でお祭りを継承している感があるのが印象深かったです。 pic.twitter.com/BkgfI9GLHW
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弓・鉄砲隊と太陽の馬印が続きます!
東西南北の神、四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)を描いた旗も進みます!
さらに大きな行事が続きます!
さらに白馬まで登場しました!
商店街を進む六角形お神輿
盛大にお神輿を揺らしながら商店街を進みます!沿道からは多くの市民の皆さんがお神輿の到来を楽しみにしています。
上条まつり、日本中探しても珍しい六角形のお神輿が、新潟県加茂市の町中を賑わせます!#祭り #お神輿 #上条まつり #新潟 #加茂 pic.twitter.com/rlBTsvBqkK
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上条まつりを見ていいなと思ったのが、沿道の皆さんがお神輿や白馬に乗った宮司さんが来る度に柏手を打ち頭を下げてお祈りしている様子です。とても印象的で、市民から愛されているお祭りなのだと感じました!
こちらが宮司さんです。かなり雰囲気があります!
別名:だんご祭り
上条まつりは別名「だんご祭り」とも呼ばれています。なぜ団子なのか。その理由は、お祭りが開かれる時期にこの地域の特産の笹だんごが作られ、のぼりがたくさん上がるからだそうです。実際に商店街を歩くと何カ所ものぼりが上がっていました!
実際に食べてみました。これはおいしすぎです。ぜひお祭りと併せて食べていただきたいです!
上条まつり、いかがでしたでしょうか?地元の方が総出で作り上げる伝統のお祭り、世にも珍しい六角形のお神輿と見どころがたくさんです。旬の笹だんごを食べられると言うおまけまであります。都内からでも車で3時間半、新幹線で3時間程で行けますので、ぜひ来年はチェックしてみてください!!