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京都・上賀茂神社の桃花神事を速報レポート!伝統的な「ひな流し」で無病息災を祈願

更新日:2022/3/4 高橋 諒
京都・上賀茂神社の桃花神事を速報レポート!伝統的な「ひな流し」で無病息災を祈願

京都の上賀茂神社では毎年3月3日の桃の節句に、桃花神事(とうかしんじ)が行われます。桃花神事は、無病息災と子供の成長を祈念するひな祭りです。

2022年の桃花神事では、例年行われるご祈祷とひな流しの他に、湯立神楽(ゆだてかぐら)も行われました。神事が執り行われる日であることから、鳥居前には神馬も登場し、大変華やかなお祭りとなりました。

小川のほとりで行われるひな流し

上賀茂神社の桃花神事は、10時からの本殿でのご祈祷から始まります。

本殿でのご祈祷を終えた10時40分頃、神職が本殿を出て、境内を流れる小川のほとりまで移動します。

小川のお祓いをして、ひな流し神事に移ります。

ひな流し神事の前に、穢れを祓う

ひな流しは、ひなまつりの原点とも言われる行事です。平安時代の頃に中国から伝来し、日本でも行われるようになったとされています。紙で作った人形に罪や身の穢(けが)れを移してから、川などの水に流すことでお祓いし、1年の無病息災と子供の成長を祈願したものです。

ひな流しのひな人形は奥のテントで頒布

上賀茂神社のひな流しでは、短冊に願い事を書いたあと、ひな人形と一緒に小川に流します。
まずは2人の巫女が、ひな人形を小川に流しました。

巫女の手を離れて小川を流れていくひな人形

続いて神職、そして参拝者もひな人形を流します。

京都ではまだ寒さの残るこの日。朝から大勢の参拝者のみなさんが、ひな流しの光景を楽しみに待っておられました。たくさんの方々に見守られて、願いをのせたひな人形が、日の光にきらめく小川をゆっくり流れていきます。

湯立神楽でさらなる厄祓い

2022年の上賀茂神社の桃花神事では、11時からと14時からの2回にわたって、湯立神楽が執り行われました。場所は参道から二の鳥居をくぐってすぐの場所に建てられた、細殿(ほそどの)と呼ばれる建物の前です。

細殿の前には、白砂をきれいな円錐形に盛り上げた立砂が設けられています。この立砂は、上賀茂神社の御祭神である賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)が降臨したといわれる神山(こうやま)をかたどったものです。神を招く憑代(よりしろ)の役割を果たしています。

神を招く細殿の前で行われる上賀茂神社の湯立神楽は、無病息災と五穀豊穣を祈念する神事です。2022年は、さらに新型コロナウイルスの収束を祈願しました。

煮えたつ湯の中に清めの塩や御神酒を入れた後、熱湯を四方に撒いて厄を払います。

御神酒を熱湯に注ぐ

御幣(ごへい)の舞

湯立神楽のクライマックス、笹の舞

清めた熱湯を周囲に撒く撒かれた湯をかぶることで厄祓いができるとされており、湯をかぶった参拝者は感謝の念を込めて一礼する不思議な神事です。

上賀茂神社の湯立神楽は、2021年11月26日(いいふろの日)に初めて行われるようになりました。桃花神事で湯立神楽が行われるのは、2022年が初めてです。

鳥居前の神馬舎では白馬がお出迎え

上賀茂神社には、一の鳥居と二の鳥居の間に芝のスペースが広がっています。このスペース、実は馬場なのです。神馬のための厩舎もあります。いつもは離れた場所で暮らしている神馬ですが、この日は桃花神事のために、上賀茂神社を訪れていました。

上賀茂神社の神馬、神山号

神山号にエサをあげようと、参拝者の方々が列を成していました。お皿越しにエサを与えるので、小さなお子さんも安心です。「お馬さんかわいい!もっとごはんをあげたい!」と親御さんにお願いする様子に、和やかな空気が広がりました。

厄を流して無病息災を願う

上賀茂神社の桃花神事は、穢れを清らかな水に流して祓い、健康と子供の成長を願うお祭りです。

京都最古級の歴史を誇り、1994年には境内全域が世界文化遺産に認定された格式高い神社である上賀茂神社。荘厳な中に、たおやかでまろやかな雰囲気を持つ、癒しの神社です。やわらかな空気の中で行われる厄祓いのお祭りである桃花神事で、目まぐるしい日々の厄災を、ふわりと祓ってみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
関西在住の神社仏閣&お散歩ライターです。
みんなが自然と笑顔になってしまうお祭りが大好きで、お祭りのあるところに引き寄せられてしまいます。

それぞれのお祭りに込められた思いを大切にしながら、初めてのお祭りでも安心して楽しむための情報をお届けします。

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