宮城県岩沼市の「金蛇水神社(かなへびすいじんじゃ)」は、千年以上の昔に由緒を遡る、古くから愛されてきた神社です。地元の方はもちろん、遠方からもたくさんの参拝客が訪れるその魅力を、5月開催の「花まつり」を中心にレポートします!
目次
千年を超える由緒ある神社、金蛇水神社とは?
金蛇水神社は「金蛇沢」という谷の水の出口に鎮座し、古くから水神信仰の地となっています。金運や商売繁盛、厄除開運などさまざまなご利益で知られていますが、やはり金運を願って参拝される方が多いように思います。
境内には「蛇紋石」という、蛇が浮かび上がったような岩がたくさんあり、触れたり、財布で撫でたりすると金運が上がると言われています。
本殿に向かって左手にたくさん蛇紋石が並んでいます。多くの方が本殿で手を合わせたあと、こちらの蛇紋石を撫でていました。
御守りやおみくじもさまざまありますが…
「白ヘビ金運おみくじ」(初穂料500円)は、思わず部屋に飾っておきたくなる可愛さ。
背中に藤の模様がありますが、鳥居を入ってすぐのところに樹齢300年といわれる「九竜の藤」の藤棚があるのです。満開の時には紫色の滝が流れるような景色がみられるんですよ。
例年なら5月上旬の花まつりの時期に見ごろになっていますが、2023年は開花が早かったこともあり、私が参拝した5月5日には早くも寂しい感じに…。
ですが咲き残りの藤も新緑に映えて美しかったです。
ところで、こちらは最近は思いがけないことで話題になっているのだとか。
「蛇」がご神体、白蛇が宿っているかのようなご神木もあり、なおかつ鳥居を入ってすぐに藤棚がある。この「蛇」と「藤」から、『鬼滅の刃』のファンの方がたくさん参拝されるようになったんです。
やっぱり「蛇柱」の伊黒小芭内ファンの方が多いようですが、絵馬にはファンの方が書かれた様々なキャラクターのイラストがありました。
さらにもう1つ。こちらでは、神社で採れた花の蜜でオリジナルのはちみつを作っていたりもするんです。
「蛇」に「藤」、さらに「蜜」となると、鬼滅好きならますます足を運びたくなりますね!
「花まつり」では優美な牡丹が咲き誇る
たくさんの参拝者を惹きつける魅力は、ご利益だけではないんです。
こちらには百種を超える牡丹が咲く牡丹園があり、毎年5月頃には豪華で美しい花を咲かせます。「富貴花」とも呼ばれる牡丹はこの神社のイメージにぴったり。
牡丹園は、鳥居の向かいにある広場の先にあります。位置関係はこちらの案内図がわかりやすいです。
入園料300円をお納めして牡丹園に入園しました。
白、赤、ピンク、そして黄色など、色とりどり!
2023年は例年より10日ほど開花が早かったそう。5月5日の時点でピークは少し過ぎていたようでしたが、大きくて優雅な牡丹は1つ1つが美しく、本当にゴージャスでした。
牡丹園の中には藤棚も。鳥居の前の藤棚よりもこちらのほうが咲き残っていました。
庭園内には少し高くなっているところもあるので、上から牡丹園全体を眺めることもできるんです。
牡丹などの美しい花を咲かせるのは、神様への献花の意味があるそうです。かつては5月15日からの春季例大祭の時期に咲いていたのですが、近年は開花が早くなり、例大祭の時期と合わなくなってきてしまったそう。近年中に、牡丹より少し遅い時期に咲く芍薬(シャクヤク)苑を開園する予定とのことです。
イベントや限定御朱印、ライトアップも
「花まつり」では、牡丹を楽しめるだけでなく、様々なイベントも行われています。
境内の藤棚の近くの休憩所では野点体験も。
着物のレンタルや、なんと「抜刀試し斬り体験」なども行われていました。
手水舎には華やかな花手水。
御朱印をいただくのが楽しみ、という方も多いですが、こちらでは通常御朱印のほか、「花まつり」期間だけの限定御朱印もいただけます。繊細な切り絵御朱印、背景が虹色の台紙になっているのです。美しい…!
御朱印帳も、「花まつり」期間だけの限定御朱印帳が用意されています(初穂料:3000円)。
絵柄が裏表で繋がっていて、デザインがとても素敵。
牡丹園前には神楽舞台があり(下の写真左手上)、週末や祝日にはさまざまな奉納技芸が行われます。
そして夜になると…
2023年は、花まつり期間中の「宵詣(よいもうで)」を初開催。牡丹園、広場がライトアップされます!
もちろん境内も。
足元を照らす竹あかりにも様々な模様が。あら、この竹あかりは…
蛇の模様が浮かび上がっていますね。ちょっと短めで、蛇といえども可愛らしい。
花手水も美しく照らされています。
そして限定御朱印も…
宵詣バージョンに!これは昼夜両方揃えたくなりますね。
話題のSando terraceで一息。びっくりメニューも!
金蛇水神社のもう1つの魅力は、ゆっくり休憩や買い物ができるSando Terrace(サンドウテラス)があること。
中には食事処の「IKoMiKi」、お土産処の「MiZuHa」があります。
こちらは「IKoMiKi」内。カウンターでオーダーし、自分で席まで運ぶセルフ方式です。
「IKoMiKi」ではドリンクやスイーツなどのカフェメニューのほか、しっかり食事ができるランチメニューも充実。
ちょっとびっくりな注目メニューはやっぱりこれでしょう!
どどーんと白蛇がのっかった「金蛇カレー」(税込1200円)。
白蛇形の米粉ナンがすごい存在感!これはちょっと他では食べられませんよね。
ちなみにナンではなく御神米の「黄金水神」を使ったライスバージョン(税込1000円)もあります。
カレーはチキンカレーで、しっかりスパイスの効いた本格派。もっちりしたナンとよく合います。
和食が好きならお蕎麦はいかが?
鮮やかな藤色の「白蛇そば(とろろ)」の「藤」(税込1100円)。ちなみに濃い目のピンク色の「牡丹」もあります。地味な印象のそばがこんなに華やかになるとは!
なお、右手前の小皿の粒々はお清めの塩。まずはこれをかけて清めてからいただきます。
そして、カフェメニューで人気なのはやはりこちら。
いやはや、太いソフトクリームの白蛇感がすごいです。
神社オリジナルのはちみつもたっぷり。
濃厚なソフトクリームの甘さにちょっと疲れたころに口に入るコーヒーのほろ苦さが相性抜群!
他にも「御神酒」や「黄金水神」(ビール)、甘酒など、メニューは本当に多彩です。何度も通いたくなりそう。
お土産処の「MiZuHa」には、神社ならではの神棚やご神具のほか、日用使いの小物や食品、御神酒やドリンクなどもありとにかく種類豊富。
神社オリジナルのはちみつもここで購入できます。
お参りして、ランチを食べて、あちこち見て回ってお買い物もして、またカフェメニューを…のサイクルで一日過ごせそう。
なお、花まつり期間中、「IKoMiKi」では日にち限定で「御神酒の夕べ」も開催されていました。
1000円でオリジナルの花祭招福枡付き。檜の香る枡にお酒を注いでいただきます。お酒は無料のものもあれば、200~500円などの追加料金を支払っていただく大吟醸酒なども!
神社オリジナルの御神酒「黄金水神」もラインナップに入っています。ほかに宮城の酒蔵の浦霞や澤乃泉のお酒もありました。
実施日は5月3~6日と5月13日。これからだと5月13日がラストチャンスです!
お参りも見どころもイベントも盛りだくさんで、半日ほど滞在しましたが意外に早く時間が過ぎました。
人が少なければ参拝も牡丹観賞もあわせて1時間程度で可能だと思いますが、せっかくなのでSando Terraceなども利用して、ゆっくり過ごすのがおすすめです!
なお、混雑時には本殿参拝も御朱印もSando Terraceもかなりの列ができます。時間に余裕をみておいてくださいね。
「花まつり」開催概要&アクセス
【金蛇水神社「花まつり」開催概要】
所在地:宮城県岩沼市三色吉字水神7
開催期間:2023年5月3日(水)~15日(月)
牡丹園開園時間:8:30~16:30(入園は16:00まで)
入園料:300円
牡丹園夜間入園時間:17:30~20:30(入園は20:00まで)
宵詣ライトアップ(牡丹園入園料含む):奉納技芸実施日は800円、他は600円
※花の開花状況により変更可能性あり。
奉納技芸実施日:5月3~7日、13~15日
【アクセス】
〔車〕
東北自動車道 菅生スマートIC・村田ICより約20分
※無料駐車場あり
〔バス〕
JR岩沼駅より市民バス大師線にて約15分、「ハナトピア岩沼」下車、徒歩約10分
「花まつり」期間中は岩沼駅発着の臨時直通バスあり(所要約15分)。
※市民バスは非常に本数が少ないので、直通バスの利用をおすすめします。
岩沼市公式サイト|市民バス
2023年5月5日時点でJR岩沼駅に貼られていた直通バスの時刻表はこちらです。
〔その他〕
タクシー:岩沼駅から約10分(1500円程度)
徒歩:岩沼駅から約40分
5月15日(月)~21日(日)は春季例大祭が行われます。こちらもさまざまな御神事や行事があり、特に15日は花まつりと例大祭の両方が楽しめますよ。
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