2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2021年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)
春を告げる国際的奇祭
今回はある意味「最も国際的な奇祭」と言っても過言ではない、かなまら祭について紹介しよう。
「かなまら祭」とは毎年、川崎にある金山神社で行われる春の大祭である。この神社の御神体は金属製の男根、「かなまら様」。商売繁盛、子孫繁栄、安産、夫婦の夜の営みだけでなく、下半身のあらゆる病気にご利益がある、ありがたい神様で、どうもこれが「エイズ除けにも効く」というところから、日本人だけでなく、外国人にも人気が出るようになったという。
コロナ禍以前の過去は、日本人よりも海外からの観光客のほうが多いぐらいで、境内に入るには大行列に並んで、1、2時間待ちということもザラであった。境内では売り切れ必至の名物「子宝飴(あめ)」をはじめ、かなまらTシャツなど各種グッズも販売されている。境内の子宝飴はすぐに完売するため、どうしても手に入れたい場合は近隣の川崎大師に隣接する商店街をチェックしてみよう。
境内でグッズを買い、男根形のご神体といっしょに写真を撮ったら、次は神輿(みこし)巡業の見物に行こう。かなまら神輿は全部で3体。なかでも人気なのが、ショッキング・ピンクがまぶしいエリザベス神輿だ。これは浅草橋の女装クラブ「エリザベス会館」から寄贈されたもので、担ぎ手もエリザベス会館の女装者が中心となる。かけ声は「わっしょい! わっしょい!」ではなく、「かなまら! でっかいまら!」である。男根神輿が境内を出て街中を練り歩く異風景は一見の価値ありだ。その後、境内では男根形に成形された大根の競売会も開かれる。実に観光しがいのある奇祭である。
なお、このたびのコロナ禍によってかなまら祭も神事のみでの開催が2年連続となった。来年こそは騒々しくも活気ある、かなまら祭の復活を願う。