巨大なたいまつの前での狂喜乱舞
奇妙かつ迫力満点のパフォーマンスを堪能出来る奇祭『勝部の火まつり』をご紹介したい。
不思議な空間は、記憶に残る事間違いなしである。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年12月24日 編集部更新)
1.身体4倍の高さの炎とふんどし男児
何と言っても、このお祭りの見どころは天に向かって一気に燃え盛る炎。
ふんどしの男たちが、全長6m、直径4m、重さ400kgを超える巨大たいまつを境内に運んでくる。
大太鼓を担ぐ姿は勇ましい。
大たいまつは当日の朝に完成させるそうで、会場前の道にも用意されていた。しっかりと乾燥した状態の菜種がらが印象的である。
この天然の燃焼材料をたっぷり積んだ、たいまつ12基に一気に火をつけるのだからその熱量は凄まじい。高さはおよそ10数メートルにもなる。当日、気温は氷点下近かったが、着火後は方々から「あつっ!」という声が聞こえてくる。
2.輪になって・・・
この炎を背景に、ふんどしの男が同じくふんどしの男を担ぎ、それを中心としてやはりふんどしの男達が輪になって回り始める。
かなり奇妙な光景が目の前に広がり「ごうよ」「ひょうよ」という叫び声ともに乱舞していく。
800年前 天皇が重いご病気になられた。占い師がこの地にいた大蛇がご病気の原因とし、この大蛇を殺し火に焼いたところ、回復したという謂れから、御悩(ごのう)=ごうよ、平癒(へいゆ)=ひょうよ。に転じたという説を会場では紹介していた。
炎の勢いが強い分、たいまつは約10分間という短い時間で燃え尽きる。この10分間が見どころである。
3.火まつり概要
日時・・・ 毎年1月第二土曜日
場所・・・ 滋賀県守山市勝部神社
◆火まつりスケジュール
18時 修祓式 紅白のふんどし一丁の若衆が宮入
18時30分 太鼓渡り 太鼓を担ぎながら町内を練り歩く
19時50分 太鼓宮入
20時 たいまつ宮入
20時30分 たいまつ奉火
◆アクセス情報
会場になっている勝部神社は、JR琵琶湖線の守山駅から徒歩10分と、この手のお祭りには珍しく電車でのアクセスも良い。神社から徒歩10分の場所に無料の駐車場の用意があるのも嬉しい(台数は来場者数と比べると多くないと感じたので18時過ぎに駐車出来るよう行動する事をオススメする)。
4.鑑賞おすすめスポット
火まつりの会場では、神社本殿の脇が一番全体の動きを鑑賞し易いスポット。
場所によっては、たいまつの真裏になってしまう。人気のお祭りの為、19時頃には鑑賞場所を確保したい。(18時には、前から2列ほどは場所取りされている。)20時頃からの太鼓宮入の時間には、境内は身動きが取れないほど混雑するのでお気をつけ願いたい。
◆お役立ち情報
神社近くの勝部自治会火まつり交流館がある。そこに多目的トイレもあり、さほど混雑していないので、ちいさなお子様連れの家族でも安心。
この地域は、この時期非常に寒い(雪の降る中祭りを行った年があるほど)。場所取りが必要になる祭である為、防寒具は必須アイテム!温かい飲み物と一緒に身体が冷え込まないように。
滋賀県守山市と聞いてもイメージが湧かなかった方も、勝部の火祭りの街と覚えれば忘れないはずだ。
一年の健康を祈って、新年一発目に見応えのあるお祭りに是非足を運んで頂きたい!