だんじり祭りの代名詞ともいえる、大阪の「岸和田だんじり祭」。
お祭りに参加するだけではなく、岸和田ならではのローカルフードも押さえれば、さらに楽しみが広がります。
今回は、岸和田周辺の代表的な郷土料理と屋台めしにスポットを当て、岸和田や泉州地域、大阪市内で食べられるグルメの魅力をご紹介します!
まずはここから!岸和田の郷土料理
岸和田にはこの地方ならではの郷土料理があります。今回はそのうち、代表的なものを4つご紹介します。
祭りの時期が旬!「ワタリガニ」
ガザミ(通称ワタリガニ)の身をほぐし、かに味噌とあえた一品。濃厚な味わいです。全国的に有名な大阪・岸和田の「だんじり祭り」では、このカニを食べる風習がありますが、近年は地元・大阪湾産よりも、宮城県産の流通が多くなっています。#カニ #ガザミ #ワタリガニ #祭り pic.twitter.com/3voDbUvVIU
— 山本智之 (@yamamoto92) April 23, 2019
大阪湾でとれる「ワタリガニ」の一番美味しい季節は、だんじり祭りと同時期の9月~10月です。近年は他県産のものも増えていますが、かつて祭りの時期に遠方からやってきた人に対して旬のカニを振る舞ったことから、だんじり祭りは別名「カニ祭り」とも呼ばれています。
岸和田地域でのカニと言えば「ガザミ」で、塩茹でにして食べるのが一般的です。祭りのときに親戚や旅人が集まってガザミに舌鼓を打つ光景は、だんじりシーズンの風物詩とも言えます。
足の身も美味しいですが、メインとなるのは濃厚な旨味が魅力のかにみそや内子です。
香りが食欲をそそる「関東煮」
関東煮は「かんとだき」と読み、おでんのことを指します。同じものを関西では「関東煮」、関東では「おでん」と呼ぶのですが、関東煮の由来は「関東から伝わったから」「関西に移住した関東人が広めたから」と諸説あります。
違いは味付けにもあります。濃い目に味を染み込ませるおでんに対し、関東煮は薄口しょうゆを使った甘めの味付けが特徴です。だんじり期間中は多くの家庭が関東煮を作るため、方々から関東煮のいい匂いが漂ってきます。
この関東煮ですが、基本的には祭りの際に自宅や町内会婦人部の方が準備してくれるもの。他には屋台で食べたりがメインになりますが、食べ逃しは絶対に避けたいアナタに向けて、大阪近郊で美味しい関東煮を提供している有名店を二軒ご紹介します。
・たこ梅
日本最古のおでん屋と言われており、軒先にある提灯には関東煮とおでんの両方の文字が入っています。おすすめは大根。ほんのりした甘さが特徴で、よく味が染みています。
・きくや
アッサリとした白出汁が特徴です。人気メニューは、澄んだ出汁に肉を入れた肉吸いや肉うどん。春菊やえのきなど、夜限定のおでん種も見逃せません。
胡桃じゃない!大豆でできた「くるみ餅」
大阪堺が発祥のくるみ餅は、泉州地域で広く親しまれている和菓子です。餡で「くるむ」ことから「くるみ餅」と呼ばれ、胡桃は使われていません。本家の堺は枝豆餡なのに対し、岸和田周辺では大豆餡で餅をくるんでいます。大豆臭さは無く、瑞々しさがあり、大豆の上品な甘さを味わうことができます。だんじり期間中は各家庭でくるみ餅を用意し、お客様を迎えるのが慣習です。
美味しいくるみ餅が手に入るお店を二軒ご紹介します。
・みかさや
みかさやのくるみ餅は無添加のため、賞味期限は当日中です。ペースト状のなめらかな餡と甘いお餅は相性抜群。すぐに会える方向けにぜひおすすめしたいお土産です。
・お菓子司 小山梅花堂
創業は天保10年。岸和田城主の岡部氏ご用達のお店です。どっしりとした大豆餡が特徴で、お餅とのからみが絶妙です。甘めのスイーツがお好きな方におすすめです。
お土産にはこれ!伝統和菓子「村雨」
小豆や砂糖、餅粉などを混ぜて蒸しあげた、小豆色のカステラのような和菓子です。ほろほろとモッチリが共存している触感が堪まりません。泉州名物の村雨ですが、「村雨」という名前は「お菓子司 塩五」のお店のものです。他店では「時雨(しぐれ)」という表示になっていますが、有名な和菓子なので、どのお店でも「村雨」で通じます。
・お菓子司 塩五
1854年の創業当時より村雨を作り続けている老舗です。添加物を使っておりませんが、包装の仕方を工夫することで賞味期限を2~3日まで伸ばすことができたそうです。
だんじり祭りの名物屋台めし
だんじり祭りでは岸和田ならではの屋台が出店されます。ここではその中から特に注目の5つの屋台めしをご紹介します。
揚げたてがたまらない「がっちょの唐揚げ」
天満大酒会は泉州名物とされる『がっちょ』とかいう謎の魚の唐揚げを食べるイベントでもある(?) pic.twitter.com/a3Uc5vgV28
— でるた (@delta1007) May 25, 2019
がっちょとは「めごち」と呼ばれる体長20cm弱の魚のことで、大阪湾で多く獲れます。180℃で15分間しっかり揚げれば、カリカリ・サクサクの唐揚げになります。揚げたては何とも言えない香ばしさが食欲をそそります。唐揚げにすると骨まで食べることができ、年代を問わず人気の一品です。
岸和田のソウルフード「かしみん焼」
かしみん焼とは、西日本で鶏肉を意味する「かしわ」と、「ミンチ」にした牛脂を使った料理です。お好み焼きに似ていますが、お好み焼きのように混ぜて焼くではなく、生地を焼いた上に具を乗せて作ります。鉄板で焼き上げてすぐ食べれば、パリっとした生地のまま最高に美味しい状態で食べることができます。
まつりの定番も岸和田スタイル「だんじり型ベビーカステラ」
だんじりのベビーカステラ
味は普通のベビーカステラw pic.twitter.com/fgMcCSNvIl— まゆまゆ (@mayumayukko) October 8, 2017
全国のお祭りで売られているベビーカステラですが、岸和田だんじり祭のベビーカステラはもちろんだんじり型です。細部まで再現されており、岸和田ならではの屋根が二重になっただんじりの形をしています。
甘いフルーツのような名産「水ナスの漬物」
水ナスは、泉州泉南地域で江戸時代初期より栽培されています。果皮がやわらかく、水分を多く含み、サラダで食べられるほどアクも少なくほのかな甘味があります。だんじり祭り開催中は、この水ナスをぬか漬けにした浅漬けが屋台に並びます。
たこ焼きで見つけたらラッキー!「泉タコ」
泉タコとは泉州沖で獲れたマダコをボイルしたものです。有名な明石タコは身が固くコリコリとしていますが、泉タコはしっとりとやわらかい食感が最大の特徴です。泉タコを使ったたこ焼きが食べられる地域は少ないため、泉州地域に足を運んだ際は勿論ですが、泉タコを使ったタコ焼きに出会ったら是非食べてみてください!
だんじり祭りの屋台の歩き方
岸和田だんじり祭は、9月と10月に計2回開催されます。「岸和田地区」と「春木地区」とで行われますが、岸和田地区の方が規模が大きく、特に9月の方が多くの屋台が出ています。屋台は探すまでもありませんが、特に駅前やカンカン場、岸和田港塔原線がメインスポットです。
屋台は9時頃には開店し、各町にだんじりが戻る22時頃まで楽しめます。
なお、屋台周辺もだんじりが通るスペースを確保するためにスペースが狭くなっています。ゆっくり楽しみたいのであれば、コンビニなどで事前に観覧席チケットを入手するのがおすすめです。
だんじり祭りもグルメも両方贅沢に楽しもう!
食べてみたい!と思うグルメがたくさんありましたね。
どの料理も岸和田のある泉州ならでは、だんじり祭りならではのグルメです。岸和田だんじり祭に行く予定を立てたら、ぜひ欲張って、さまざまな食を楽しんでみてください!