※2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響で中止となりました。2021年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。
(2020年11月10日 編集部)
都心にありながらも、四季ごとに情緒豊かな彩りをみせる小石川後楽園。秋にはモミジやイチョウなどの紅葉が見頃を迎え、紅葉まつりが開催されます。
都会のオアシスでの紅葉狩りで秋の風情をご堪能ください。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年11月10日 編集部更新)
・四季折々の表情を見せる都会のオアシス「小石川後楽園」
近代的なビルが隙間なく林立する都心にも、少なからずオアシスのような庭園を見つけだすことができます。小石川後楽園は、東京ドームに接する庭園です。園内には、ウメ、サクラ、ツツジ、ハナショウブ、モミジ、イチョウなどが植樹され、四季ごとに豊かな情緒を漂わせています。春には、「梅まつり」、「桜まつり」、秋には「紅葉まつり」が開催されています。2019年の「紅葉まつり」の予定は、11月15日(金)~12月5日(木)です。
小石川後楽園は江戸時代初期の寛永年間1629年に、水戸徳川家の祖である頼房が造園を始め、2代藩主の光圀の代に完成しました。池を中心とする「回遊式築山泉水」様式の庭園です。中国をはじめ各地の景勝地を模した風景が、園内にちりばめられています。
公園の入口は南西の端、東京ドームの反対側にあります。「紅葉まつり」の開催期間には、長い行列ができることもしばしばです。入口を入ると紅葉越しに東京ドームの姿も見えます。
・順路に従い「渡月橋」から「通天橋」へ
順路に従って、北西の方向に歩きます。灯り取りとして玻璃障子紙が使われる茅葺の茶屋「涵徳亭」を過ぎると、水辺に小さな橋が架けられています。京都の嵐山で絶景の紅葉が楽しめる橋をイメージし、「渡月橋」と名づけられています。橋の上では思い思いのアングルでシャッターを切る人が並びます。
「渡月橋」の西は、「西湖の堤」と呼ばれています。中国の杭州に行けば、同じような紅葉の風景が見られるのでしょうか。
橋の東に流れる川は、「大堰川」です。都心ではあっても、古都京都での紅葉狩りの情緒を感じとることができるかもしれません。
「大堰川」の東に架かる橋は「通天橋」です。京都の東福寺の紅葉に包まれる橋が思い起こされます。「通天橋」を超えたところに設けられた休憩所も、紅葉に覆われています。
・「白糸の滝」を落ちる水が流れ込む「大泉水」
休憩所から東に進むと「白糸の滝」が水しぶきをあげています。紅葉の彩りに潤いを与える滝の風景は、全国各地で見られることでしょう。
「白糸の滝」を落ちる水は「回遊式築山泉水庭園」の中央に広がる「大泉水」に流れ込みます。たっぷりと水を湛える池の周囲を紅葉が取り囲んでいます。
・「内庭」から「大泉水」の南西岸に続く紅葉林を散策
「大泉水」の東岸をゆっくりと歩くと、公園の南東の端の「内庭」に入り込みます。公園の端であっても秋の彩りが消えることはありません。紅葉越しには東京ドームの円形屋根が見えます。
「内庭」からは「大泉水」の南西岸に続く紅葉林を歩いて入口に戻ることになります。
小石川後楽園を一周して秋の情緒に浸った後の帰り道となる外塀の道なりにも秋の装いをつけています。
「小石川後楽園」は四季ごとに豊かな情緒を漂わせています。春には、「梅まつり」、「桜まつり」、秋には「紅葉まつり」が開催されています。秋には順路に沿って園内を一周すると、紅葉が場所ごとに異なる表情で語りかけてきます。「小石川後楽園」は都会のオアシスと言えるでしょう。