大阪くらしの今昔館では、大阪の祭りや年中行事について知れる展示が満載!昔の大阪の町並みが再現されており、天神祭や疫病封じ、四季の室礼(しつらい)などに関する展示も見られます。ただ展示されているだけでなく、歴史や背景についての解説も豊富で、ガイドツアーや音声ガイドの貸し出しも行っているとのこと。お祭りの中止が続く中、気軽にお祭り気分を味わえる場所として、良いお出かけスポットかもしれません。今回は、展示風景を見て感じたことについて、レポートをお届けします。
大阪くらしの今昔館とは?
大阪天神橋六丁目に高くそびえるビルの8~10階に位置する大阪くらしの今昔館。日本初の「住まいの歴史と文化」をテーマにした専門ミュージアムで、2001年にオープンしました。9階の「なにわ町家の歳時記」の展示では、江戸時代天保初年(1830年代前半)の大阪の町並みを忠実に再現している一方で、8階の「モダン大阪パノラマ遊覧」では、明治・大正・昭和の大阪の町並みを模型や資料で展示しています。大阪の町を実寸大で体感するとともに、俯瞰して見ることもできるのです。様々な角度から大阪の暮らしについて知れるのが、大阪くらしの今昔館の魅力と言えるでしょう。
こちらが大阪くらしの今昔館があるビルです。阪急電鉄「天神橋筋六丁目」駅から出て、天神橋筋を左にそれた所にすぐ入り口があります。それでは実際に中に入って、お祭りや年中行事の展示などを見ていきましょう。
実際に中に入ると、一番目を引くのが9階の江戸時代の町並みを再現した展示です。実物大の町家がたくさん並び、まるで江戸時代にタイムスリップしたような気分に浸れます。これらの町家一軒一軒に映像や展示が見られ、大阪の暮らしをたっぷりと堪能することができます。
様々な疫病封じの道具たち
9階では例えば、疫病封じの玩具に関する展示が見られます。江戸時代の人々にとって疫病は悩みのもとであり、その原因とされた悪神「疱瘡神(ほうそうしん)」を避けると言われるのが赤色の玩具です。達磨や獅子頭、でんでん太鼓など様々な形態があります。また、黄色い張子の虎は、コレラを退治するとされる郷土玩具です。この虎をよく見ると、それぞれデザインが違っていて面白いですね。子供達の健やかな成長を願い、作られた玩具が一堂に会しています。
きらびやかな雛飾り
女子の健やかな成長を願う、雛飾りの展示も見られます。雛飾りは写真のように壇上に飾る「段飾り」の場合と、御殿の中に天皇皇后を模したお人形を入れる「御殿飾り」の場合があるとのこと。雛飾りがあると、空間が一気に華やかになりますね。館内では、数カ所で雛飾りの展示がありました。
船がずらりと並ぶ圧巻の天神祭
また8階では、天神祭に関する展示が見られます。天神祭は、7月24日・25日に行われる祭礼行事で、大阪では最大規模のお祭りの1つです。天神祭の始まりは今から約1000年前に、大阪天満宮の鎮座の折、禊祓い(みそぎはらい)を行いそれを神領民が船を仕立てて奉迎したことでした。
祭りのクライマックスは、最終日に大川・堂島川で繰り広げられる船渡御で、大勢の見物客で賑わいます。周辺にはかがり火や露店が並び、打ち上げ花火もあり、とても豪華な内容です。大正10(1921)年に描かれた絵巻物をもとに模型を作り、天神祭を再現したものが飾られています。
模型を一つ一つ見ると、とても細かなつくりをしていて、風がなびく様子まで再現されています。川べりには見物客がずらりと並び、船の渡御を見守っているようです。
天神祭をさらに楽しめる展示が追加!
このように、大阪くらしの今昔館では、お祭りや年中行事に関する展示がたくさんあります。館内の江戸時代にタイムスリップしたかのような町並みの展示は、半年ごとに模様替えをするようで、2021年4月10日からは天神祭の風景に一変するとのこと。大通りには高張り提灯が並び、各町家には家紋を染め抜いた幔幕(まんまく)が掛けられるのだとか。2021年4月5~9日で展示替えを行うようで、どのような展示になるのかとても楽しみです。展示イメージの詳細は大阪くらしの今昔館HPよりご覧ください。
現在、新型コロナウイルスが流行する中で、お祭りが中止になったり、規模が縮小したりということも多いです。休日にふらっと気軽に訪れられお祭り気分を味わえる場所として、大阪くらしの今昔館への訪問を検討してみてはいかがでしょうか。
※今回ご紹介した「疫病封じの玩具」は2021年4月10日以降もご覧いただけますが、雛飾りの展示は3月末日までのようですので、御注意ください。季節ごとに展示替えが行われ、一年中楽しめるのが大阪くらしの今昔館の魅力の1つと言えるかもしれません。
※天神祭の詳細は大阪天満宮のホームページにも詳しく書かれているので、ぜひご覧ください。