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神輿JAPANにインタビュー!神輿の楽しみ方・歴史や文化、地域にとっての価値を熱く語っていただきました!

2018/8/17
2020/6/8
神輿JAPANにインタビュー!神輿の楽しみ方・歴史や文化、地域にとっての価値を熱く語っていただきました!

「神輿JAPAN」という団体をご存知でしょうか。2017年に発足した新しい団体ではありますが、「神輿の可能性を国内外に発信し、日本文化を次の世代に繋げて行きたい!」の理念や、自前の神輿による神輿担ぎ体験などのユニークな取り組みが話題となり、「マツコの知らない世界」や「月曜から夜更かし」、キリンビールのテレビCM出演なども果たしています。

今回はその「神輿JAPAN」さんへ突撃インタビュー!代表の川上さん、栂村さんより神輿の普及のために精力的に活動する理由や、神輿の楽しみ方、神輿を通じて目指すものなど、素晴らしいお話の数々をお聞きしました!

神輿JAPANってどんな団体?何をやっているの?

神輿JAPANは「神輿を世界に!」~神輿で日本を盛り上げよう~ のスローガンを掲げ、2017年に発足した団体。首都圏を中心に活動しています。

具体的な活動の内容は、「誰にでも担げる神輿」をコンセプトとした私服での「神輿体験」や、子供たちが実際に神輿を担ぐ「子供神輿」の開催。お祭りの参加に講演会など。「神輿レンタル」では本物の神輿を結婚式やイベントの会場などに貸し出すなどの取り組みを行っています。

神輿を担ぐために自前のトレーニングマシン「神輿担ぐ君2号」を作成し「アスリート並みのトレーニング」を行う姿などがユニークとされていますが、実際に使用してみるとこれが非常に重たく、皆さんの神輿に対する真剣さが伝わってきます。

神輿JAPAN 神輿担ぐ君2号
こちらは神輿JAPANさんお手製のトレーニングマシン「神輿担ぐ君2号」。重量調整もできます。


実際にトレーニングする様子も再現してもらいました。

神輿JAPANの活動は「神輿は楽しい」を伝え「辛い」という先入観を取り払うこと!

早速ですが、神輿JAPANの活動について教えてください

もちろん「神輿の魅力を広めたい」です。ただ、その広め方が難しいと思っています。例えば、神輿に興味がある人がいてもどう参加したらいいのかがわからない。ツテがあったとしても、だいたい「ハイ、やって」といった具合でいきなりのスタートになるので、何も知らないまま辛い思いをして、1回で神輿が嫌いになってしまうというパターンがほぼほぼなんです。なので、何が正しいとかはないですけど、まずは「神輿は楽しい」ということを伝えていきたいと思っています。

お神輿で一番楽しい時というのはどんな時なんですか?

一体感を感じる時です。初心者の方には普段味わえない一体感を感じてもらいたいと思います。ちょっとくらい重い神輿であれば、担いでいる時に息が合うとスッと軽くなる瞬間があるんです。乗っけてる感じもしないくらい。その感覚を味わってもらいたいです。

辛いところがパッと消えて楽しいだけが残るような状態?

実は「辛い」は最初から無いんですよ。そもそも誤解されがちですが、実は辛くない。だから「辛くない」ということをアピールしていきたいです。

神輿担ぎの体験会ではどういったことを教えられているんですか?

体験会では痛くない担ぎ方を教えています。だいたい参加する人は初めてとか、せいぜい2回目、3回目の人なので、やり方よりも楽しみ方。とにかく楽しむことでポジティブな印象を持ってもらうようにしています。

初めてだとどうしても「痛い」イメージを持ってしまいますよね

痛いは痛いけど、あまり痛くならないコツもあります。担ぎ棒を肩の外側で持つと皮が薄いし骨もあるから、首の内側に当てて密着させる。息が合わないと木が浮いて体との隙間ができてしまい、それが落っこちるときに当たってしまいます。なので、人と人との息がしっかり合わせるて密着させることで「痛い」は解決できるんです。

痛くない神輿の担ぎ方
肩ではなく首に密着させるのがポイントとのこと。実際に見せていただきました。

なるほど。私服で神輿を担げるような取り組みもやっていますね。

神輿は半纏を着て担ぐという常識がありますが、それは神様を中に入れている神社の祭礼の話です。
神輿JAPANで持っている神輿は自前のものなので、せっかく持っているから普及のために何かやりたいということで考えたのが私服での神輿なんです。
神輿に興味があっても、何かツテがないとダボシャツを買ったり半纏を借りるの段階が大きなハードルになってしまうんですが、それだけでやらないのも勿体無いので、「自由な神輿があるので私服でやってみましょう」というコンセプトで取り組んでいます。
ただ、最後のフォローはしっかりしていますね。祭礼の時は違うってことはしっかりと伝えています。

神輿の楽しさを子供たちに知ってもらいたい!体験を通じて様々なことを学ぶことも。

神輿JAPANで今後やっていきたいことは何かありますか?

川上代表:今後はとにかく子供を巻き込んでいくことを考えています。学童保育の子どもたちにダンボール神輿を担がせて、自分たちの本当の担ぎ方の見本を見せたところ、「カッコよかった」と反応が良かったです。本物を一回見せることで「担ぐとは」どういうことなのか、神輿とは何かをまず教えています。
次に地域の神輿の成り立ちを教えます。このお神輿は普段あそこの神社で眠っている。中にはどういう神様がいるか。これは絶対やります。

栂村氏:子供にとってのお神輿ってファーストインパクトが大切だと思うんです。例えば子供のことが嫌いな人が青年部長だったりで、子供を追い払ってしまうようなことがあると、子供がお祭りに来れなくなってしまうんです。
中学高校で地元を離れて社会人になって戻るのが一般的なパターンで、久しぶりにお囃子を聴くとわくわくする気持ちになれるかどうかは最初の経験にかかっている。
なので、最初の体験でフランクにやれて、その中で何となくでも神輿の成り立ちなども分かってくれるといいなと思います。

神輿が地域の中で果たす役割とは?歴史や文化を継承することもできる?

地域の中での神輿の役割って何でしょう

コミュニティはもちろんなんですけど、それだけでもなく、地域を知る良いきっかけになると思います。自分の場合、神社が好きなんですが、神輿をやっていくうちに神社をもっと知りたくなった。そうなると、氏神様とかについても知りたくなって調べていく。そこからさらにいろんな人との関わりが出てきて「ここに川があった」とか、地域について色々知っている人とも繋がっていくんです。

神輿ってだいたい江戸時代や昭和初期などから受け継がれていて、古いところはもっと古かったりします。ってことは昔の人たちが実際に同じ神輿を担いでいたということなんです。その中で、例えば担ぎ方一つでもそれぞれ想いがある。すごく揺らしたりとか、川に投げたりとか。それぞれに意味があって、気持ちまでは知れないけど、先人たちに近づけるというか


地元のお祭りも含め、様々な形で神輿に関わっている

そういった意味でも神輿は「伝える」役割を果たしている。だからこそ、神輿を「無くす」ということはすごく大きなこと。最初に作った人々や繋いできた人々の強い想いがこもっているものなので、気軽に終わらせるものではないんです。

神輿JAPANが語る、神輿のすごいところ!

神輿に代わって歴史を伝承できるものはあって神輿はその中の一つではありますが、神輿が一番わかりやすいですね。綺麗だし、大きいし、声出して担げるし、踊りのような本格的な練習もいらないんです。

確かに。英語ではポータブル・シュライン(持ち運べる神社)と言われているくらいですからね。

笑。神輿の一番すごいなって思うところは、担いでいるときに肩のすぐ後ろに神様がいることです。例えば神社に行くと拝殿でお参りするので、そこからだと神様がいる本殿がすごく遠くて、下手すれば見えないこともある。そんな神様が神輿に乗れば自分の真上にいる。それはとんでもないことなんです。ありがたさ半端ない。究極のパワースポットです。

そういう神輿の「凄さ」も子供達に伝えていきたいと思います。それだけ貴重で価値のある経験をできるわけなので、肩の痛みも勲章と思ってほしいですね。

神輿体験を通じて子供たちが学べるものとは?

お母さんの中には体験神輿の中で、あまり無理をさせたくない方もいると思います。ただ「神輿を担ぐ」という経験はなかなかできません。

例えば餅つきでも包丁でも、扱うものによっては間違ったりふざたりすると大怪我につながってしまうものもあります。軽いものであればできて当たり前ですが、重いものであると緊張感があるので、楽しい気持ちの中でもふざけると怪我をするということを教えられます。

子供神輿も一緒で、重いのも少し腫れるのも当たり前ですが、そこで「痛い」「危ない」を理由に止めてしまうと本来の意味が欠けてしまう。神様が乗っているものは重くて当然で、歴史と先人の思いを心だけでなく肩で感じることのできる経験は大変貴重なので、させてあげないと勿体無いです。もちろん安全は優先しています。

子供神輿は通常は軽いの手だけで持つんですけど、実際に100kg以上のお神輿を小学1年生の女の子たちが担いだ時は、言われなくても肩の下に体をいれていました。巨大すぎて持てないので、緊張感を持って取り組んでいました。


神輿JAPANさんのTwitterにも子供神輿の活動の様子が

神輿を担げば地域をもっと好きになれる!大切にするようになる!

神輿JAPANさんの神輿を普及させる活動が身を結んで、誰もがお神輿を担ぐようになったら、世の中はどう変わると思いますか?

横のつながりが強くなって、隣近所の顔が見えるような、良い意味での昭和に戻るんではないでしょうか。コミュニティを強化することで防犯につながっていくし、近所の悪ガキを叱って正しい方向に導くようなこともできますね。

震災やいろいろな災害の時にも力を発揮しそうですね

防災の面でももちろん、助け合いで結束が強くなると思いますね。でもやはり、自分の地域に誇りを持つようになる。神輿があると、そこから地域を大切にしたいという想いが芽生えてくる。神輿を通じて地域を好きになれば、そこから日本が好きになって、良い文化を持っていることに自信を持てるようになると思います。

神輿JAPANの皆さん、ありがとうございました。私たちオマツリジャパンもお祭りを通じて世の中を、日本を元気にしたいという理念のもとに集った仲間たちです。共にお祭りに関わる仲間として、これからもよろしくお願いします。

神輿JAPANの皆さん、ありがとうございました!
左から神輿JAPANの栂村さん、川上さん、中山さん、黒川さん。ありがとうございました!

神輿JAPANホームページ
http://mikoshi-japan.net/

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