写真提供:熊野那智大社
和歌山県の熊野那智大社例大祭(通称:那智の扇祭り)が7月14日に、3年振りに通常開催される。
熊野那智大社例大祭は、通称「那智の火祭」、「扇祭」として知られている。西暦317年に現社地に遷座された熊野の神々を元宮である、那智の滝元にお遷ししたことが起源で、1700年以上の歴史を有すると言われている。
那智の滝の前で、参道を清める御火行事が見どころの一つ。白装束の男たちが重さ50キロ以上の大松明を抱え、石段を駆けめぐる。那智の田楽も有名で「見せる芸能」である衣装や道具も煌びやかになっている。
一昨年は、扇神輿と松明、那智の田楽が中止になり、関係者のみで神事を行った。去年も縮小開催で宵宮祭のみ那智の田楽を行い、扇神輿と松明も数を減らして開催したという。
今年、3年振りとなる通常開催に踏み切った理由について、熊野那智大社の神職の花薗さんは、「感染状況が落ち着きつつあり、神事なので普段通り執り行うのが本義だと考えたから」と話す。開催が決定すると、一般公開も3年振りとなるため多くの問い合わせがあったという。
花薗さんは、「お祭りを執り行う者として、皆様の前で開催されることを嬉しく思う。楽しみにされている方も全国にいらしゃるので、そういった方が3年振りにきていただけることに感謝したい。お祭りを普段通りに行えるように準備したい」と意気込む。
感染症対策として、関係者は体温を測り、抗原検査を受けた上で参加する。拝観者には、マスクの着用を呼びかけるという。