日本の夏の夜空に壮麗な光の花を咲かせ、我々の胸を打つ花火。中でも「長岡まつり大花火大会」は、秋田県大仙市の「全国花火競技大会(大曲の花火)」、茨城県土浦市の「土浦全国花火競技大会」とならび「日本三大花火」と称されています(諸説あります)。
この3つのうち長岡花火の歴史はとりわけ長く、明治12年(1879年)に行われた花火大会が起源です。年々発展し市民に愛された花火大会ですが、昭和13年(1938年)から戦争により中止を余儀なくされます。そして、太平洋戦争終戦直前の昭和20年8月1日夜半、長岡は大空襲を受け町の8割が焦土と化し、1500名にも及ぶ尊い命が失われました。
空襲からちょうど1年後、市民の心を慰め励ますため、長岡まつりの前身である「長岡復興祭」が開催されます。さらにその1年後から、犠牲者への慰霊、復興への祈り、恒久平和への願いを込めて花火大会が復活しました。現在でも花火大会の前夜祭にあたる毎年8月1日の22時30分、長岡空襲が起きた時間には、慰霊の花火が打ち上がり、鎮魂の願いを込め市内の寺院の鐘が鳴り響きます。
かつて「裸の大将」として知られ、花火を愛し傑作「長岡の花火」を残した山下清画伯は、こう言ったそうです。「みんなが爆弾なんかつくらないで きれいな花火ばかりつくっていたら きっと戦争なんか起きなかったんだな」と。
この言葉は長岡花火に込められた想いや物語とも繋がり、「慰霊・復興・平和を祈る長岡花火」は現在、そして未来へと変わることなく、受け継がれていきます。
ではここからは、2019年8月2日に行われた長岡まつり大花火大会の現地からのフォトレポートをお届けします。コロナ禍によって再び中止となっていた長岡の花火は2022年に再開し、2023年からは完全復活が期待されています。
花火のストーリーに思いを馳せ、込められた祈りと願いを感じながら見れば、より大きな感動と思い出になること間違いなしです。ぜひ、どんな花火が上がるのか写真を参考になさってください。
目次
2019年8月2日の様子を、現地から速報レポート!
8月2日と3日に渡って行われる新潟県の長岡まつり大花火大会。3日の本日に間に合わせる為に、速報の写真をアップしました。本日の予報はメイン側が順風だそうです。金曜の平日はお休みを取れない人も多いと思いますので、熱中症対策をしっかりと行って花火大会を楽しんでください。
早めに到着した方は駅前のアオーレ長岡で3Dの4K映像で長岡花火の予習をしてから見るのも◎、またお土産などもハイプ長岡から出張しているので巡ってみてください!
それでは2日の内容を本日観覧する人は予習がてら写真20枚でどうぞ!
※一部、天候の都合で煙がかかってしまっている写真もありますのですが御容赦ください。
慰霊と平和への祈り
真っ白な尺玉3発が打ち上がります。第二次世界大戦で受けた長岡空襲の慰霊、また未来永劫の平和を願っての花火です。花火の名称は白菊(しらぎく)と言います。担当煙火店である嘉瀬煙火工業が商標を登録していますが、長岡まつりで使用してはいけない訳ではないと言っている様です。
ベスビアススターマイン
特別プログラムの合間に超大型スターマインだったり、大スターマイン、超大型ワイドスターマインだったりと名称は違いますが、その由来はイタリアにあるベスビアス火山。とてつもなく大きい意味を表しています。以前は単色のスターマインで単調だったのに、いつの間にか染め分けや(上下で色が違っていたりする)、時差式、様々な種類の花火で飽きる事なく楽しめました。
天地人花火
茨城県水戸市にある日本屈指の煙火店、野村花火工業によるミュージックスターマイン。ちょうど風向きも良い時間に当たった為、クリアに見る事ができました。2008年に長岡市にゆかりがある上杉家の家老・直江兼続を題材にした大河ドラマ「天地人」の放送決定を祝して打ち上げたのが最初になります。年々クオリティーが上がっている気がします!
復興祈願花火フェニックス
今回は初めて会場以外から観覧しましたが、ようやく全体像を肉眼で拝む事ができました。メイン会場ではどうしても目で追えず、一体どこを見ればいいのかわからない程のワイドに広がる花火です。平原綾香さんのJupiterの曲に合わせて打ち上がります。今年は尺玉が増量されており、密度が濃いフェニックス花火でした。話題のブルーフェニックスも一度に沢山打ち上がりましたが、すぐ後の花火に隠れてしまうので写真を撮る人はご注意ください!
未来へ ~平和を願って~ (二尺玉)
今回は、4号、7号、10号、20号の合計30発のプログラムの中で二尺玉を見る事ができました。プログラムの一番最後に打ち上がりましたが、やはり遠距離から見るとより大きさの違いに気付かされます。駅側から見ると右手側に打ち上がりました!
正三尺玉
20:30からと21:00からの2回打ち上がりました。サイレンの音が鳴り響き、打ち上げの合図がありますので、すぐにわかるかと。1回目はナイヤガラ花火の後に打ち上がるので場所によってはコラボレーションの写真が撮れます。尺玉で打ち上げ場所を教えてくれるのもありがたいです。ともかく凄い迫力ですので全身で体感してみてください!打ち上げ場所は駅側から見ると左手側に打ち上がります。
花火「故郷は一つ」
山梨県市川三郷町の煙火店、マルゴーが担当。時差式花火をふんだんに使い、めまぐるしく回転して光る花火を拝めます。いつも残念な事に煙運が悪いのか、今回もクリアに写真を撮る事はできず…(泣)それでも見る分には十分に楽しめますので会場で絶叫してください!自分が撮影していた遠距離の場所でもその演出に拍手喝采が行われていました。
米百俵・尺玉100連発
米どころである新潟県ならではの花火。2発ずつ、4発ずつ、最後には一斉にワイドに打ち上がりました。やはり物量があるので、こちらも最後には煙で凄い事になってしまいました。普通の花火大会だと尺玉は貴重な花火なのに、当たり前に大量に打ち上げる新潟県は流石です!
匠の花火
長岡造形大学と長岡花火財団提供の匠の花火。全国より選りすぐりの花火師による尺玉を1発ずつ打ち上げる。最後のプログラムなので、こちらも煙ってしまい比較的良さ気な写真をアップ。
まとめ
今年はいつも以上に混雑すると予想したので、初めてメイン会場から離れて観覧してみましたが、たまには良いものです。 迫力は大幅ダウンでしたが、フェニックスの全景と駐車場徒歩1分は魅力的でした!
もちろん、初めて行かれる方はメイン会場からの観覧をおすすめします。3日の本日は過去最高に混雑するので、小さいお子様連れの方は迷子にならない様に注意です!あとトイレも混雑は凄いので早めにどうぞ!