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寝~たら起こせ!地元の子供たちが町をねり歩く2023年「御日待祭」に密着!

寝~たら起こせ!地元の子供たちが町をねり歩く2023年「御日待祭」に密着!

島根県大田市温泉津町の小浜厳島神社で、毎年2月14日に行われる「御日待祭(おひまちさい)」。3年ぶりに子供たちのねり歩きが復活し、町に子供たちの声が響きわたりました!

御日待祭は「火鎮めの祭」と「翌日祭」にて構成されています。夕刻、神社にて神事が行われると同時に、太鼓の音色とともに子供たちが「寝〜たら起こせ、起〜こせ起こせ」と声を出しながら小浜地区をねり歩き、境内では夜どおし火が焚かれます。

地元の人たちが力を合わせてお昼から準備!

12:00
御日待祭当日、お昼ごろから、担当の地区の方たちが近くの公民館に集まり約100人分の物相(もっそう:円柱型の小豆ご飯)の準備をしていました。おいしそうですね!
お祭りが終わった際に子供たちや当日の参加者に配られるようです。

境内に当番地区の方々が集まり始めました。
参加する皆さん準備に余念がなく、境内と公民館を行ったり来たり駆け回っています。

ねり歩きの際に叩く200年前に作られた太鼓を倉庫から出しています。
200年もの間使用されている太鼓は、御日待祭の時にだけ顔を出します。歴史を感じますね。

大人4人でも重い太鼓を境内の下まで運んでいます。
階段を下りる様子がたくましいですね!
歴史ある太鼓が3年ぶりとなるねり歩きで、どんな音色を響かせてくれるのか楽しみです。

焚火の準備をしている最中、地元の人たちが各々古くなったお札などを持ってきていました。

担当の方々が着火した後、さまざまなものがお焚き上げされます。
御日待祭は火祭りともいわれており、火に関する災難除けを祈りながらも、夜通し火を焚き続ける例祭です。個人的には、この対比こそが、太陽信仰(日待ち)と小浜地域で伝承された昔話の融合をよく表しており、独特の形となって引き継がれているように思いました。まだまだ謎が多いことだらけのお祭りです。

関係者、参加者が火の周りに集まってきました。
お祭り当日は2月中旬とあって、外は厳しい寒さです。暖を取りながら、拝殿で行われる神事の開始とねり歩きに参加する子供たちを待ちます。

当番地区の方はお昼から準備をしているため、日中の寒暖差もあったことでしょう。暖を取る姿が、夕刻の冷え込みをものがたっているようでした。。
薪を追加しながら、決して火を絶やさないように!
火を絶やさないことも御日待祭の大切なポイントなのです。

拝殿での神事の準備も進み、徐々に緊張感が高まる中、いよいよ御日待祭が始まります。

18:30
老若男女を問わず人々が境内に集まってきました。

保護者に連れられた子供たちの姿も多く見えます。挨拶を交わす人たちの表情を見ているとお祭りの大事さを感じますね。年に一度の御日待祭は、地域の人たちにとって、顔合わせやコミュニティを再確認する場所なのかもしれません。
みなさんいい笑顔です!

子供たちのねり歩きがスタート!さあ声を出していきましょう!

浴衣を着て参加する子供たち。境内で挨拶をして、ねり歩きの準備をします。

太鼓と一緒に子供たちが神社を出発します。

「寝~たら起こせ」と、町内に元気な声が響きわたると、沿道の人が子供たちに拍手を送ります。

太鼓の音に合わせて、リズム良く町内をねり歩く子供たち。寒い中、よく頑張っていました!

拝殿で行われる3人の宮司による神事

19:30
宮司の準備も整い、拝殿での神事が始まりました。拝殿内は神聖な空気で満たされ、場が引き締まります。

宮司が祝詞を唱え、お祭り役員の方たちも真剣な表情で参加しています。

拝殿の外では、地元の人たちや市外、県外の人たちも神事の様子を見守っていました。毎年この神事に足を運ばれている方はもちろん、今回初めて神事を見るという方も。誰でも参加できるのも、御日待祭の魅力ですね。

笛の音が鳴り響き、神事も終盤へと向かいます。

小浜厳島神社 総代による挨拶の様子

子供たちによる、豊作を願う「床板割り」

神事が終わると、ねり歩きが終わった子供たちのために大人たちが拝殿の畳を上げていきます。

畳がはがされた床板に、子供たちが上がっていきます。
さぁ、みんなで床板を割るぞー!

「五郎さんの王子、王子や王子」と叫びながら、床板の上で飛び跳ねる子供たち。木のきしむ音が拝殿中に響きわたります。

床板の間が割れると、その年は豊作という言い伝えがあることから、みんな一生懸命に飛び跳ねます。

床板が割れる瞬間です!子供たち、よく頑張りました!

参加してくれた子供たちに、担当区の代表がお礼とお菓子を配ります。

はがした畳を元に戻したら、次は直会(なおらい)の準備です。

子供たちは、外で焚かれた火で暖を取ってから家路につきます。3年ぶりのねり歩きや、拝殿での飛び跳ねに興奮が冷めやらないのか、境内は笑い声で溢れています。子供たちあってのお祭りだと改めて気づかされます。

直会では、宮司やお祭り役員の方々が集まり、今年の振り返りや来年の当番の話が行われていました。その熱く語り合う様子から、御日待祭に対する深い思いが伝わってきます。
次の世代への継承のために、日々取り組まれている関係者の方々の後ろ姿がとても頼もしく目に映りました。
本当にお疲れさまでした!

御日待祭は、夜どおし火が焚かれるため、担当区の方々は境内に残りますが、家路に向かう人々の表情は、満足感に満ちあふれていました。

「また来年も開催できますように」と願いを込めて。

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