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京都 瀧尾神社「龍縁祭」剣術 水心流『人を斬らぬ刀』を現代で学ぶ居合の魅力

更新日:2021/7/14 佐々木 美佳
京都 瀧尾神社「龍縁祭」剣術 水心流『人を斬らぬ刀』を現代で学ぶ居合の魅力

京都瀧尾神社

東福寺駅から徒歩圏内にある瀧尾神社。近くには美しい紅葉で有名な東福寺や、天皇ゆかりの泉涌寺、源氏物語の宇治十帖「夢の浮橋」の石碑があります。東福寺駅は京都駅からほど近く、静かに穴場散策ができるエリアです。

今回は瀧尾神社のなかでも近年、新しく開催されたお祭り「龍縁祭 (ろうえんさい) 」をご紹介いたします。

龍縁祭の日は和太鼓が近所を練り歩き、おまつり気分を盛り上げる。
そして瓜生山舞子連中による石見神楽の奉納。京都で石見神楽を見られる数少ない貴重な舞台です。

水心流による剣術の奉納演武

太鼓や石見神楽が行われる「龍縁祭」中でも、特に目を引いたのは剣術の奉納演武。
美しい龍の彫刻の下で鋭い真剣を振るう姿が印象的でした。

そこで水心流 楠誠会館の館長をしている渡部達也さんにお話を伺いました。

カメラマン佐々木
「剣術の奉納演武、かっこいいですね!剣術はなかなか見る機会がないので何もわかりません。色々教えてください!」

水心流 楠誠会館 館長 渡部さん
「今回は「龍縁祭」の運営委員会よりご招待いただき、ご奉納の演武をさせていただきました。
剣術は演奏や舞のような魅せる表現とは異なり、武術という性質上、一般的には見る機会も少ないと思います。
剣術は武術ではありますが、長年磨いてきた技を神前にてご披露させていただくことは剣士にとって誉の場とされています。新伝水心流居合剣術平法(以下、水心流)は歴史の浅い流派ではありますが、技術だけでなくその精神も大切にしており、気持ちを込めてご奉納させていただきました。
ご覧いただいた方より『場の空気が締まり、奉納プログラム全体の構成が整えられた。』とのお言葉をいただきました。当流に派手さはありませんが、技の空気感と共に居合剣術の魅力が少しでも伝わったなら嬉しく思います。」

以下、剣術について分かりやすく教えていただきました。

剣術について

剣術とは読んで字の如く、剣を扱う術を以て敵を制することが目的の武術です。
刀は古来より剣と呼ばれ、扱う者により技や扱う目的といった流儀が体系化されながら『剣術』が成立していきました。それらの流儀を基に、時代を経るにつれて新しい流派が数多く生まれ、江戸時代に『剣術』は最盛期を迎えたことにより、その意義は日本文化に根付きます。明治維新を期に剣術文化は衰退していくものの、その意志は現代の剣士に引き継がれています。

剣術の認知の難しさ−技術の流出vs門外不出の神秘性

剣術が流派として体系化され始めた戦国時代以降、剣術の一派は強さの象徴であり、その技を極め達人と評価された剣士は国の強さの象徴ともされ、庇護されていた歴史があります。
当時、流派の技術が漏洩することは即ち敵に手の内を明かすようなもので、多くの流派はその教えを門外不出として頑なに守っていました。
剣術が戦いで使われなくなった現代においても、その慣習はある種文化として受け継がれており、見世物となることをよしとされていません。
私も奉納や大会以外において人前で披露する行為には慎重であり、熟考を重ねます。そのため、人前に出る機会も多くありません。
この秘匿性のある文化は現代では翻って神秘性として置き換えられ、一つの魅力として捉えられている意見もありますが、情報社会の現代においては認知度の低下にも繋がっていることは否めません。

水心流の技について

水心流は静かな動きで一見地味ですが、無駄を極力省いた実戦的な動きとなっていることと、居業(座り技)が多いことが特徴です。
今回、「龍縁祭」にて御奉納した技の中から、二本ご紹介させていただきます。

「鳥居崩し」
座っている状態にて、前方右側より斬撃が来ることを想定した技です。
※頭上で刀を受ける構えから敵を崩す姿を鳥居に例え、「鳥居崩し」と称する。

「阿吽」
座っている状態にて、左右に座っている者が攻撃してくることを想定した技です。
※左右の敵に対し阿吽の呼吸で察するが如く仕留める様より「阿吽」と称する。

剣術の技は基本的に一対一もしくは一対複数の型で構成されており、足の運び方などの動きの全てに意味があります。この意味のことを「理合(りあい)」といい、技の理合を想像しながらご覧いただくことで違った面白さも感じられるかと思います。
※さらに詳しい技の流れについてはこちら

水心流の稽古について

刀を扱うということは、どのような剣術であっても身体の基礎ができていないと継続した上達は望めません。そのため、当流では基礎を作る稽古を中心に行っております。ひたすら地味な反復稽古ですが、基礎を作った者ほど後々の上達に目覚ましいものがあります。
また、門下には学生や初心者の割合が多いこともあり、修行者の上達速度に応じて内容を随時考えながら採り入れております。
剣術が本来何を目的に使われていたかは皆様もご存知かと思いますが、現代においてはその目的が果たされることはありません。あってはならないとも思います。
殺人剣ではなく活人剣として、私たち剣士は先代よりの流儀を継承し、次の世代へ伝えていく。極め続けられることと継承していく楽しさ、さらにその修行過程で継ぐ者の人格形成の一助となる可能性が高く秘められているところに剣術の魅力を感じています。

カメラマン佐々木
「渡部さん、解説ありがとうございます!
なかなか触れることのない伝統武術。奉納演武をきっかけに知ることができました。

近年は『るろうに剣心』『鬼滅の刃』『刀剣乱舞』などでも刀が大ブームですが、技について少しわかると、より剣術を見るのがより楽しくなりますね。

渡部さんのお稽古場『楠誠会館』は居合と空手の両方を同じ場所で勉強しているというのも特徴で、より武術に興味がもちやすくて素敵です。

舞台人を斬らぬ刀』でも門外不出の掟と魅力を伝える難しさを取り上げていますね。わかりやすく現代社会における伝統武術の課題を提議しつつ魅せる技、感服いたしました。

また毎年6月4日は「武士の日」。
剣士たちにスポットがあたり、日本の伝統の素晴らしさが世界中に広がりますよう、心から願っております。」

7スタジオ京都にて撮影 (通常は模造刀の使用のみ。特別な許可を得て撮影。)

水心流の奉納演武スケジュール

平安神宮 奉納演武古武道大会出場 2021年10月3日(日)

青龍殿 国宝青不動明王奉納演武大会出場 2021年12月5日(日)

※通常時の日程です。コロナの影響により開催が変更・中止になる場合がございます。

お稽古:毎週水曜日

問い合わせ先
新伝水心流居合剣術平法 楠誠会館
ホームページ http://nansei-kaikan.com/ (工事中)
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瀧尾神社の魅力と年間行事

瀧尾神社は魅力満載の神社。ぜひ知って欲しい魅力を紹介いたします。

写真:祇園祭「大船鉾龍頭は現在は白木だが、長く使えるように漆箔を塗る予定。

瀧尾神社は、京都三大祭のひとつ「祇園祭」にも関係の深い場所。

拝殿の天井を見上げると後祭の最後を飾る大船鉾を思い浮かべる光景がそこにはあります。
江戸末期の京都の彫物師、九山新太郎が作ったという見事な龍。九山家当主は代々、名工「九山新之丞」という名前を継ぎ、大船鉾の龍頭を作っていたのだそうです。

瀧尾神社の年間行事で注目すべきは、毎年9月の最終日曜に行われる神仏習合の神幸祭。
京都らしい剣鉾が美しい音色で魔を祓い、火消しの纏、龍舞の行列のあと御神輿が練り歩きます。

また10月26日には日本でも珍しい「うなぎの神様」を境内にある三嶋神社にて祀っており「鰻祭(鰻放生大祭)」が行われます。


写真:うなぎの入った水槽。鰻の関連業者やうなぎのお店の方々が多数参列。

ほかには節分に宝恵駕籠(ほえかご)行列など見どころが満載です。
ぜひ一度、瀧尾神社にお立ち寄りください。

瀧尾神社
京都市東山区本町11丁目718
https://www.facebook.com/takiogu/

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
毎日「京都散歩の旅」なカメラマン。
奈良・吉野アンバサダー。観光経済新聞、楽天トラベル等を執筆。聖地と舞が好き。民俗芸能や瀬織津姫研究中。
instagram @kyoto.photographer
https://earth-traveler.com/

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