神話を題材とした神楽を奉納する坂戸の「大宮住吉神楽」。大宮住吉神楽は、毎年2月23日(祈年祭)、4月第1日曜日(例大祭)、11月23日(新嘗祭)と行われます。なかでも4月の例大祭は演目が多く盛大だといわれ、2023年は、4月2日(日)に開催されます。
ここからは祭りの舞台である大宮住吉神社の歴史や、2022年2月23日に行われた祈年祭での大宮住吉神楽の様子をご紹介。4月2日の大宮住吉神楽をもっと楽しむために、ぜひお役立てください。
坂戸の大宮住吉神社
埼玉県の中央部に位置する坂戸市。江戸時代には日光脇往還の宿場町、坂戸宿として栄えてきた街です。この坂戸にある、大宮住吉神社が今回のご紹介する「坂戸の大宮住吉神楽」が行われる舞台になります!
この日(2022年2月23日)は祈年祭の日でもあり、鳥居前までやってくると、大きな旗が掲げられお祭りの開催を知らせていました!
大宮住吉神社は、959年(天徳3年)創建と伝わる神社です。鎌倉時代には、将軍・源頼朝から北武蔵12郡の総社として指定されるなど、古くからの歴史があります。こちらに伝わり、無形民俗文化財にもなっているのが、お祭りに合わせ披露される坂戸の大宮住吉神楽です!
六合堅固翁の座
毎年2月23日(祈年祭)、4月第一日曜日(例祭)、11月23日(新嘗祭)と三つのお祭りに合わせて行われる御神楽。昨日は四つの演目が披露されました!
まずは一つ目の、「六合堅固翁の座(りくごうけんごおきなのざ)」です。お囃子が鳴りはじめ、一気に境内はお祭りのムードになっていきました!
坂戸の大宮住吉神楽。お囃子の音が響いてのはじまりです!お祭りが盛り上がっていく雰囲気で高まりますね。夜だったら熱燗でも飲みながら聴いていたいところ笑#祭り #オマツリジャパン #埼玉 pic.twitter.com/XbBUtBt7UJ
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) February 24, 2022
すると登場した翁。白い髪が立派です!
鈴を鳴らしながら、舞を行っていきます。
左右に振られる長い髪。迫力がありますね!
倉稲魂命種蒔の座
続いて行われるのは、「倉稲魂命種蒔の座(うがのみたまのみことたねまきのざ)」。この日一番長い演目です。黒髪の倉稲魂命が登場しました!
扇子と農具を持って舞っていきます。
扇子を鈴に持ち替えました!
二つ目の演目、倉稲魂命種蒔の座。倉稲魂命が鈴を持って神楽を舞います。#祭り #オマツリジャパン #坂戸の大宮住吉神楽 #埼玉 pic.twitter.com/1Khs7bIBq3
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) February 24, 2022
舞が終わると、続いて赤い天狐が!
こちらも鈴と農具を持って舞っていきます。
舞が終わったら、倉稲魂命に何かを乞う天狐。
鋤が渡されました!
田んぼの様子を確認し…。
鋤で耕していきます!
鋤が終わったら万能でさらに耕します!
天狐が田を作る様子を、近所の方々も境内から見守っていますよ!
さあ、作業が終わり報告です。
続いては何を行っていくのか?
倉稲魂命による種まきです!
勢いよく撒かれて行きます!
撒き終わったと思ったら、なんとここで新キャラ登場!農夫の格好をした供奉です。
登場したばかりの供奉に、早速ちょっかいを出しはじめる天狐。
そりゃあ怒りますよね。供奉も応戦です。
まだまだやり返す天狐。
こちらも負けじと対応します。
と思ったら、何回かやり合った後で仲直り。
供奉も種を蒔いていきます!
神楽殿の前で見ていた子どもにもお裾分け!
続いては二人で協力しての餅つきです!(さっきまでの戦いはなんだったのやら)
なのですが、餅つきの最中につまみ食いをやめられない供奉。怒った天狐が布で顔を隠してしまいます。
すると、誤って臼の方へ顔をやってしまい、天狐に杵で打たれてしまった供奉が気絶してしまいます。
倉稲魂命に助けを乞う天狐。果たして供奉は助かるのでしょうか?
蘇生を試みて行きます。
無事、供奉が復活しました!ですが、また何やら企んでいるような天狐の姿が。
赤い天狐と供奉が絡んでいます。軽やかなお囃子がいい感じ!#祭り #オマツリジャパン #坂戸の大宮住吉神楽 #埼玉 pic.twitter.com/Zq78ZsSOZ8
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) February 24, 2022
杵と鋤を供奉に持たせ馬乗りになり、このまま退場でこの演目は終了しました!
またこの演目の裏では、社殿で式典も執り行われています。
関係者参列の下、今年の五穀豊穣などが祈られました。
天岩戸開の座
お昼からは、三つ目の演目「天岩戸開の座(あめのいわとびらきのざ)」。この演目は馴染みのある方も多そうな、天岩戸神話を演じる内容になります!
この演目に欠かせないのがこのお方。アメノウズメノミコトです。
朱色の美しい出立ちで登場しました!
天岩戸の前で舞が行われていきます。
天岩戸の前で舞を行うアメノウズメノミコト。お囃子と鈴の音が心地良いですね。#祭り #オマツリジャパン #坂戸の大宮住吉神楽 #埼玉 pic.twitter.com/e4ovdZkXXL
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) February 24, 2022
続いては素戔嗚尊が剣を携え登場!
天岩戸を勇壮に切り付ける!
見事、天岩戸を持ち上げました!
岩が取り除かれ、中から天照大神が出てきました。手には鏡を携えています。
天照大神を中心に、行われていく舞。
続いては、素戔嗚尊による榊の舞です!
終祓
4つ目の演目は、終祓(しゅうばつ)。悪魔祓いとも呼ばれる、清め祓って終えるための座です。
大きな大幣が振られ、清められていきます。そして9時30分から13時まで、3時間半続いた御神楽が無事終了しました。
2023年の例大祭では、桜の御朱印も!
大宮住吉神社では、4月1日から桜の花びらがあしらわれた限定御朱印が頒布されます。台紙には、埼玉県の伝統工芸品である「小川和紙」を用い、さらに例大祭で奉納される神楽「天下祭」に登場する天狗の判子が押された超豪華版。
また、例大祭が開催される4月2日のみ、御朱印帳をお持ちの方には、桜の花びらをつけて直書きしていただけるそうです。例大祭に足を運ばれる方は、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
この投稿をInstagramで見る
周辺情報・アクセス
大宮住吉神社の鳥居前には、弁天池が広がります。こちらは大宮住吉神社の神泉とされており、今では鯉が泳いだり春には周りに桜が咲くなどと憩いの場となっています。ぜひ立ち寄ってみてください!
また神社の北側には飯盛川が流れ、その川沿いには河津桜並木が続いています。この川沿いからは、遠く赤城山や浅間山が見渡せ、大宮住吉神社がかつて遠方を望む拠点だったのかもしれないと想像を掻き立ててくれます。
大宮住吉神社へ向かうには、東武バスの住吉神社前バス停から来るのが便利ですが、その通り道にあるのがこちらの神社。義家塚とも呼ばれる塚越神社で、源頼朝の祖先である源義家を祀っています。神社名の由来は、源義家が奥州への出陣時にここの塚に腰をかけたという故事から。そしてこの神社を勧請したのは源頼朝です。
■アクセス
東武バス 住吉神社前バス停より徒歩約10分。 ※東武東上線 若葉駅東口よりバスが出ています。