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東京・多摩地域の桜巡り - 国分寺市役所~警察学校北通り~大学通り-

2021/3/25
2021/3/25
東京・多摩地域の桜巡り - 国分寺市役所~警察学校北通り~大学通り-

世阿弥作・能楽「西行桜」に『花見にと群れつつ人の来るのみぞ あたら桜の咎(とが)にはありける』という一節があります。平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、日本の歌人であった西行という法師が詠んだ歌と言われていますが、このような歌は昔から多く詠まれて来ました。昔から桜を愛でるのは私たち日本人のDNA なのでしょうか。かく言うライターも用事があって訪れた国分寺市役所の庁舎に咲いている桜を見て、思わず取材させて下さいと市役所にお願いしてしまいました。その足で小平市、国立市にある桜の名所にも行って参りましたので、2021年3月17日の桜の模様をレポートいたします。

【国分寺市】国分寺市役所 移転前庁舎に咲く風情

国分寺市役所はJR国分寺駅から西武国分寺線へ乗り換えて1駅の恋ヶ窪駅の近くにあります。国分寺市役所に向かう途中には、生野菜の自動販売機やお洒落なカフェもあり、生活しやすそうな環境です。恋ヶ窪駅から5分程度で市役所の庁舎に着きました。高いビルのようなものを想像していましたが、他の住宅街に溶け込むようなカタチで、落ち着いた庁舎になっています。市では現在「泉町都有地」における新庁舎の建設に向けての取り組みが進められています。JR国分寺駅の改良工事に続いて、庁舎も新しく竣工されることも決まっており、今後の市の街づくりが益々楽しみであります。

こちらが現在の庁舎全体を案内したものになります。コンパクトな庁舎が複数あり、テーマパークのような感じがします。今回、桜の木があったのは「ぶんバス」付近になります。書庫棟付近の公道に面するあたりには桜並木と思われる場所もありましたが、そちらは取材日の段階では開花しておりませんでした。

ここからは現地の桜の様子を写真でお楽しみ下さい。

【小平市】住宅街に咲く警察学校北通りの桜

西武鉄道多摩湖線の一橋学園駅から警察学校北通り徒歩10分ぐらいの位置に陸上自衛隊小平駐屯地があり、その付近から桜並木がはじまり、警察学校のグランド付近まで続きます。かつてこの辺りには一橋大学駅や小平学園駅がそれぞれありましたが、1966年に統合され、それぞれの名前を取って『一橋学園』となったそうです。小平学園と言う学校があったのかと思う方もいるかもしれませんが、西武池袋線の大泉学園駅と同じで特に高等教育機関等があったわけではなさそうです。箱根土地株式会社(現:株式会社プリンスホテル)と言う、西武グループの前身となる企業によるかつての『学園都市構想』の一部だったようで、ドイツの学園都市・ゲッティンゲンをモデルに当初は高等教育や研究機関を誘致した住宅等の開発事業を行いたかったようです。

西武グループ土地開発創始期には小平学園構想について「東京市の市長だった後藤新平が、上水確保の目的で村山貯水池、山口貯水池を建設するという情報をもとに、学園都市開発と宅地分譲、観光開発の目的も兼ねた多摩湖鉄道を完成させている。学園都市構想は、鉄道との深いかかわりのなかで進められた」と記述されております。現在は、陸上自衛隊小平駐屯地、関東管区警察学校、情報通信研究機構等の公的機関や防災避難場所等を有する穏やかな住宅街となっておりますが、かつては関東大震災後、その復興以上のものを目指して、鉄道などのインフラを中心にあらゆる開発が進められて行ったことが分かります。

そのような現地の桜の様子を写真でお楽しみ下さい。

【国立市】 新東京百景 大学通り国立のシンボル

先程、学園都市構想と言う言葉が出ましたが、小平学園と大泉学園の他に国立学園の構想がありました。1926(大正15)年、国立駅が開業し、翌1927(昭和2)年に東京商科大学(現・一橋大学)の誘致に成功し、こちらは構想通りの住宅街が完成したようです。箱根土地株式会社の創業者の堤康次郎氏は、新しい日本という国がここから生まれるという意気込みで『国立』という名をつけたそうです。国立駅前のロータリーから延びる富士見通りの先には、霊峰富士を望むことができ、このような工夫も当初から計画されていたようです。

旧国立駅舎の明かりが綺麗に見え始め、日が暮れ始めておりますが、国立の桜はこれからが見ごろの時期になるかと思います。ここからは夜桜状態となりつつありますが、大学通りの桜の様子を写真でお楽しみ下さい。

桜を見ての感想

冒頭の和歌は「花見に人が大挙して押し寄せる そのことだけが桜の罪である」という現代語訳になります。西行法師は平安時代末期~鎌倉時代初期にかけて活躍した歌人ですが、ひとり静かに桜をめでたいのにと言った気持ちがあったようです。今年はまだ新型コロナの感染拡大防止のため、大勢でのお花見は自粛し、密にならないように楽しむ必要があります。まさか西行法師も、自分の詠んだ和歌が、900年後に新型コロナ対策で後世に取り上げられるとは、これっぽっちも思っていなかったと思いますが、今年のお花見は西行法師を見習い、密にならないように引き続きお花見を楽しんで行きたいものです。宴会などが出来ないながらも、名所の歴史なども踏まえて桜を見てみるといつもと異なった風情を感じることが出来るので、一人でも十分楽しめると思います。国分寺市、小平市、国立市の桜の名所近くに住んでいる方は是非、記事にある桜を中心に様々な桜を楽しんで下さい。コロナが落ち着いたら、お祭り都市構想ですかね~。

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