江戸時代末期に活躍し、その名を轟かせた新選組。近藤勇や土方歳三、沖田総司といった名前を知っている方は多いと思いますが、「新選組の日」という日があることをご存じですか?
この記事では、新選組の日についての解説と合わせて、隊士が由来となったお祭りを紹介します。
新選組とは?時代の波に立ち向かったラストサムライたち
新選組の始まりは幕末。当時の日本には、幕府による支配に対抗しようとする倒幕思想を持つ浪士が多数いたほか、外国人を排除する攘夷思想も広まっていました。そんな不安定な世の中において、将軍警護と治安維持のため、京都で結成されたのが新選組です。
のちに政権が朝廷に返還されると、薩摩・長州藩を中心とした新政府と徳川家中心の旧幕府が対立し、1868年に「戊辰戦争」が勃発。この内戦は新政府軍の勝利で終わりますが、新選組は旧幕府軍に従って「ラストサムライ」として最後まで戦いました。浪士たちの勇姿は現代の人々の心をも掴み、今もなお語り継がれています。司馬遼太郎の小説『新選組血風録』や『燃えよ剣』は映画化もされ、漫画では『風光る』から『ちるらん』。新選組をモチーフにした恋愛シミュレーションゲーム「薄桜鬼」など、新選組を題材にした作品は、いつの世も若い人に絶大な気があります。
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3月13日は「新選組の日」!
ところで、「新選組の日」という日を聞いたことはありますか?
1863年3月13日、それまでははっきりした身寄りのなかったのちの新選組が、京都守護職を担う会津藩のお抱えとなりました(※諸説あります)。それにちなみ、日野市観光協会が3月13日を新選組の日と制定したのです。日野市は新選組副長の土方歳三や六番隊長の井上源三郎らの生まれ故郷で、新選組にゆかりのある土地。新選組を通じた町おこし・地域活性化を目指しています。
ちなみに、2月27日も新選組の日とされていますが、こちらは新選組にとってどういう日だったかというと、記念すべきものは何もない日。辞典の記載の誤りから生まれた誤解が広まって、新選組の日が二つになってしまったのであろうと指摘されています。
新選組にまつわるお祭りは日本各地で開催!
全国的に高い人気を誇る新選組。現代では、新選組の主要メンバーの生地がある多摩地区、活躍の舞台となった京都、戊辰戦争最後の地となった函館など、各地で新選組に由来するお祭りが開催されています。ここでは、特に有名な3つのお祭りをご紹介します。
ひの新選組まつり
ひの新選組まつりは、土方歳三の命日(5月11日)に合わせ、東京・日野市で毎年行われるお祭りです。隊士コンテストやクイズ、スタンプラリーなどさまざまなイベントが開かれ、盛り上がりを見せています。なかでも、大勢の人が隊士の衣装を着て練り歩くパレードは大人気です。
函館五稜郭祭
北海道・函館を代表する観光地である五稜郭で5月に開催されるお祭りです。五稜郭は戊辰戦争の終盤に激しい攻防が行われた場所。土方歳三の戦没地でもあります。
2日目に行われる「開城セレモニー」は城の明け渡しを再現するイベントで、五稜郭と新選組の歴史をたどることができる貴重な機会です。
壬生寺・新選組隊士等慰霊供養祭
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新選組ゆかりの寺である京都・壬生寺では、毎年、隊士の慰霊のために供養祭を行っています。開かれるのは、池田屋事件が起こった7月16日。その日は祇園祭の宵山真っ只中だったと言います。尊王攘夷派の江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を暗殺計画を未然に防ぐという大金星を挙げ、新選組が名を上げるきっかけとなった出来事です。隊士に扮した有志の皆さんによってパレードが行われ、京都の平和を祈り、かつて同じ地を生きた隊士たちに祈りを捧げます。
まだまだある!隊士ゆかりのお祭り
ここまで、新選組を由来とする3つのお祭りについて解説しました。ですが、以上で紹介したのはほんの一部。全国を見渡すと、まだまだ新選組に関連するお祭りがたくさん存在します。
流山新選組まつり
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毎年4月第2日曜日に開催されます。1868年の「新選組流山事件」が由来のお祭りです。
なめがた新選組まつり
『なめがた新選組まつり』開催中\(^o^)/
曇&雨の予想でしたが、見事な快晴!!! pic.twitter.com/3o3s5xCwn1— saint_right (@RightSaint) September 15, 2019
新選組初代筆頭局長、芹沢鴨の地元である茨城県行方市で、芹沢の命日の9月16日に合わせて開催されます。
近藤勇生誕地まつり
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近藤勇の出身地である東京・調布市で、生誕日の10月5日に合わせて開催されます。
山南忌
山南忌は、毎年3月第2日曜、新選組局長の山南敬助を弔う会。山南が切腹した旧前川貞邸で開かれます。
会津新選組まつり斎藤一忌
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新選組三番隊長である斎藤一の法要のため行われるお祭りです。斎藤の墓がある福島・会津若松市の七日町で9月後半に開催されます。
まとめ
この記事では、3月13日の「新選組の日」と、新選組の隊士にまつわるお祭りについて解説しました。激動の幕末を生き、時が経った今でも人々をひきつける新選組。
ここで紹介したように、新選組ゆかりのお祭りは全国各地で行われています。もともと新選組が好きな方も、この記事を読んで興味を持った方も、足を運んでみてはいかがでしょうか。