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私が岐阜県郡上市の盆踊り「白鳥おどり」にどハマりしたワケ。7年間通って見えてきた白鳥の深い魅力【告知あり】

2021/10/25
2024/3/8
私が岐阜県郡上市の盆踊り「白鳥おどり」にどハマりしたワケ。7年間通って見えてきた白鳥の深い魅力【告知あり】

(写真:渡辺 葉)

岐阜県郡上市白鳥町で毎年夏に開催される盆踊り「白鳥(しろとり)おどり」。同じ郡上市で開催される「郡上おどり」と並んで人気の盆踊りです。筆者は2014年に初体験してから、祭りのない時期にも現地に足繁く通うほど、どハマりしています。2020年以降、コロナの影響で残念ながら遠征を控えてはいますが、日頃つのる思い……。こんな機会だからこそ、なぜそんなに自分が白鳥おどりにハマってしまったのか、自分なりに熱量高めに分析してみました。

※記事の最後にイベントの告知もあります!

おぬしらは「白鳥おどり」を知っておるか!?

筆者が盆踊りの世界に魅了され踏み込んだのは、およそ10年前のこと。以来、全国各地に足を運び、さまざまな盆踊りに参加していますが、個人的に特に強く惹かれる&思い入れの盆踊りが岐阜県郡上市白鳥町に伝わる「白鳥おどり」です。

写真:渡辺 葉

写真:渡辺 葉

「日本三大盆踊り」の1つともされる、岐阜県郡上市の「郡上おどり」。7〜9月の期間、何十夜にもわたって開催され、お盆期間中の8月13,14,15,16日は「徹夜踊り」と称して朝まで踊られる壮大なスケールの盆踊りです。

郡上おどりの魅力とは!?初めての人に向け、楽しみ方や徹夜踊りを解説♪

そんな「郡上おどり」と並んで、郡上市の代表的な盆踊りとされるのが郡上市白鳥町の「白鳥おどり」なのです。

郡上おどりも大好きな私ですが、白鳥おどりへのハマり方はやや常軌を逸してまして、お盆の時期を待ちきれずに何にもない日にも白鳥町を観光しに行ったり、オークションサイトなどで白鳥おどりに関する資料やレコードを買い漁ったり、果てには「白鳥おどり」の魅力の源泉を探るべく、地元の踊り関係者の方々にインタビューを敢行して、記事をブログで発表するという活動も2019年から開始しました。

郡上市の図書館で白鳥おどり関連の資料を漁っていたときの写真

地元の方に古い資料を見せていただいて興奮している様子(手前が筆者) 写真:渡辺 葉

白鳥おどりで使われている屋形(やかた)の歴史について取材したときの模様 写真:渡辺 葉

郡上の百姓たちの義民伝を太鼓で表現する地元の芸能「郡上宝暦義民太鼓」について取材したときの写真 写真:渡辺 葉

知れば知るほど、白鳥おどりが好きになり、さらには白鳥という地域やそこに住む人たちも好きになってくる。ここまで白鳥おどりに惹かれるは何なのか!? これまでの体験を思い出しながら、まとめてみました。

魅力①:ほとばしる踊り場のエネルギーに打ちのめされる

上の写真は2014年に私が白鳥おどりに初参加した時の写真です。到着したのは深夜11時。この日は徹夜おどりの日だったので、この時間でも踊り子は元気に踊っています。写真を見てもわかるように、文字通りバケツをひっくりかえしたかのような大雨でした。が、がぜん元気! 下駄を履いて、あっちこっちへ跳ねながらみんな踊っています。この時の光景は、いまだに忘れることができません。

雨が降ろうが、槍が降ろうが、とにかく朝まで踊り続けるのです。

写真:渡辺 葉

写真:渡辺 葉

写真:渡辺 葉

老若男女、さまざまな人々が踊りを楽しんでいる姿も魅力ですが、地元の若い子たちもたくさん参加しているのが、また活気があっていいんです。「伝統芸能」とか「郷土芸能」とか堅苦しいことは抜きにして、ただひたすら純粋に若者たちが楽しみのために踊る時間、時間を忘れて夢中になる空間、そんな盆踊りの純度の高い魅力がこの場に再現されているような気がします。

魅力②:没入感のある「曲」と「踊り」に引き込まれる

白鳥おどりの曲目は合計7曲。「源助さん」「シッチョイ」「老坂」「八ッ坂」「猫の子」「神代」「世栄」です。

白鳥おどりの楽曲の特徴は、ミニマルなフレーズが何度も繰り返される中で醸成される高揚感です。淡々とループしていく音楽と歌に身を委ねていくうちに、かなり大げさな言い方をすればトランス状態と言いますか、前後間隔を失うほどの心地よさに包まれていきます。特に「世栄」「老坂」など、進行していくにつれどんどんとアップテンポになっていく曲目は、現地でも人気のナンバーです。

映像を見ていただいてもわかるように、踊り方も比較的どの曲もかなりシンプルなものなので、余計に歌や踊りに没入しやすくなっています。かと思えば、「神代」のように複雑で妙味のある踊りもあり、そのメリハリが一晩踊り明かしても飽きることがない要因となっていると思います。

踊りと曲の気持ちよさは、間違いなく白鳥おどりが人々を魅了する大きな要素の1つです。

魅力③:歴史と伝統の重層を感じることができる盆踊り

「白鳥おどり」というお祭りは、戦後に地元の若者たちが自主的に町に出て踊りはじめたものが、高度経済成長による商店街の発展とともに、町の地域振興イベントとして拡大・発展をしてきたという経緯があります。

盆踊りシーズンから外れて毎年9月に開催されている「白鳥の駅前通り 変装おどりコンクール」は、現在の白鳥おどり(町おどり)の原点であるとされている。写真:渡辺 葉

では、それ以前の伝統的な盆踊りが開催されていたのかというと、各集落の神社の「拝殿」で、下駄を履いて踊られていました。現在の町中で開催される踊りのような太鼓や三味線、笛といったお囃子はなく、踊りに参加している人たちの即興の唄と、拝殿の床に下駄が擦れる音、そして手拍子だけで、夜通し踊りが楽しまれました。

写真:渡辺 葉

まさに盆踊りの原型ともいうべきこの踊りの形式は「白鳥の拝殿踊り」として平成15年(2003年)に国選択無形民俗文化財に選ばれ、現在でも白鳥町のいくつかの地域で、地元の人たちの尽力のもと踊りの伝統が残されています。

写真:渡辺 葉

楽器が入らない、唄だけのシンプルな形式で踊る昔ながらの盆踊りは郡上市白鳥町に限らず全国各地に残っていますが、音頭取り(歌う人)と、踊り子(踊る人)の明確な区別がなく、参加者の誰もが一体となって歌の掛け合いを楽しめる盆踊りは稀有です。古くから伝わる数々の盆踊り歌が即興で繰り出され、さらに夜が深まってくると色気のある唄も入り混じり、踊り場に笑いが満ちます。この雰囲気も、なんともいえません。

神社という聖域の中で、切子灯籠の薄明かりに包まれながら踊る「拝殿踊り」の幽玄な雰囲気は、時間と空間を忘れさせてくれる特別なもの。ハイテンションで踊る町の踊りと合わせて体験することで、「白鳥」という地域の盆踊り文化の豊さ、歴史の深さを感じることができるでしょう。

【告知】11月3日(祝)に東京の北千住で白鳥おどりを体感できるイベントが開催!

そんな白鳥おどりも、2019年、2o20年と、新型コロナウイルス感染症の影響で開催が中止となっています。ここまで記事を読んで、ぜひいつか参加してみたいと思われた方もいらっしゃると思いますが……、なんと来る2021年11月3日(祝)に白鳥おどりのイベントが東京の北千住で開催されることになりました!(要予約)

白鳥おどりin北千住の申し込みはこちら!

首都圏に住んでいる白鳥おどり愛好家の有志たちと、北千住の和文化体験カフェ路地裏寺子屋ろじこやの共催でイベントが実現。

いつかは「白鳥おどり」保存会を東京に呼ぼう!という志をベースに、2021年はコロナ禍で現地からお呼びできないという状況も踏まえて、筆者も所属している「ドッコイサ白鳥」が、現地保存会の許可を得てお囃子。当日は、生演奏で白鳥おどりを体験していただくことができます。

また、1時間の踊り時間の他には、保存会の正者英雄会長をオンラインで繋いで、白鳥おどりの魅力についてトークする時間も設けていますので、白鳥おどり初心者の方には特におすすめです。もちろん踊りの練習会もありますよ!

景品の一部

そのほか、白鳥の物産やグッズを購入できるスペースや、浴衣で気分を高められる浴衣レンタル&着付けサービス、有料の妖怪変化メイク(完全事前予約)、フォトスポット、抽選会などお楽しみ要素満載ですので、ぜひネットから予約の上、ご参加ください!(定員に達した場合は、予約を締め切らせていただきます)

白鳥おどりin北千住の申し込みはこちら!

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