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スペイン北部のラ・リオハ州アロで毎年6月に開催される奇祭の「ワイン・バトル」
9月8日はスペインワインの日です。ワインの原料となるブドウの栽培面積が世界で最も広いのはスペインです。国内では400を超える品種のブドウが栽培され、この中の約20種からワインが生産されています。ワインの生産量はイタリア、フランスに次いで第3位ですが、国内にワインがあり余っているのか、スペイン北部のラ・リオハ州アロという町で毎年6月29日に、「ワイン・バトル」というワインを使った奇祭が開催されています。一日中休むことなく赤ワインをかけ合うのです。参加者が身に着けた白色の服は、あっという間にワインレッドに染まります。毎年、何と10万リットルを超えるワインが宙に撒かれるのです。
スペイン北部のラ・リオハ州に広がるブドウ畑（エディトリアル表記: lakisha beecham / Shutterstock.com）
ラ・リオハ州アロで毎年6月29日に開催される「ワイン・バトル」（エディトリアル表記: Iakov Filimonov / Shutterstock.com）
「ワイン・バトル」でワインレッドに染まる参加者の白色の服（エディトリアル表記: Iakov Filimonov / Shutterstock.com）
10万リットルを超えるワインが宙に撒かれる「ワイン・バトル」（エディトリアル表記: lakisha beecham / Shutterstock.com）
赤の王様と呼ばれる濃いルビー色に輝く芳純なリオハ産のワイン
「ワイン・バトル」が開かれるリオハは、スペインで最も知られるワインの産地です。フランスとの国境近くを流れるエブロ川の上流では紀元前からブドウが栽培されていました。濃いルビー色に輝く芳純なワインは赤の王様と呼ばれています。黒ブドウのテンプラニーリョをオーク樽で熟成したリオハのワインには、はっきりとしたバニラの香りが溶け込みます。
リオハ・クリアンサ
リオハ・エドゥリス
世界最優秀ワイン産地に選出されるリベラ・デル・ドゥエロ
リオハの他にもイベリア半島にブドウ畑が広がります。マドリードの北部を流れるドゥエロ川の上流域も、スペインの重要なワイン産地です。昼夜の寒暖差が大きい高地で育ったテンプラニーリョは、ゆっくりと成熟します。世界的なワイン専門誌の「ワイン・エンスージアスト」で2012年に、世界最優秀ワイン産地に選出されました。
リベラ・デル・ドゥエロ産の「ラ・ガロナ」
リベラ・デル・ドゥエロ産の「センデリーリョ・ティント・ホベン」
大西洋や地中海沿いのワインの名産地
イベリア半島の北西部のガリシア州では、大西洋に面してリアス式の海岸が繋がります。リアス・バイシャスで栽培されるアルバリーニョからは、白ワインは、フルーティーな香りとキリッとした酸味を特徴とする口当たりのよい白ワインが熟成されます。
ガリシア産の「リアス・バイシャス・アルバリーニョ」
イベリア半島の地中海に面するエリアでもブドウの栽培が盛んに行われています。東部のカタルーニャ州の産ワインは高品質ではありながらも、強烈で、濃厚で、アルコール度数が高いと言われたことがあります。中部のイェクラに育つモナストレル種を用いた赤ワインも高い評価を受けています。
カタルーニャ産の「セニョリオ・デ・イニエスタ ウルティメイト ブレンド オーガニック」
カタルーニャ産の「サングレ・デ・トロ」
カタルーニャ産の「ドン・ロメロ・ティント」
カタルーニャ産の「ドン・ロメロ・ブランコ」
イェクラ産の「カスターニョ・ヘクラ」
ワインとともに味わうスペイン・グルメ
スペインはワインの品種に恵まれるばかりでなく、スペイン・グルメもバラエティー豊かです。じゃがいも入りのオムレツのトルティージャ、イベリコ豚を熟成したハモン・セラーノ、仔豚を丸焼きのコチニージョ・アサード、エビをニンニク入りのオリーブオイルで煮込んだガンバ・アル・アヒージョ、イカ墨入りのパエリア・アロス・ネグロなどとスペインワインを味わえば、スペインの味覚を満喫することができるでしょう。
トルティージャ
マドリードのハム店
コチニージョ・アサード用の仔豚
ガンバ・アル・アヒージョ
パエリア・アロス・ネグロ
9月8日はスペインワインの日です。イベリア半島には栽培面積世界一のブドウ畑が広がります。リオハ、リベラ・デル・ドゥエロ、ガリシア、カタルーニャ、イェクラなどの名産地で、数え切れない銘柄のワインが生産されています。