中世から続くヨーロッパの伝統的なお祭り「クリスマスマーケット」。
いまや東京、横浜、大阪、愛知、福岡と、日本でも馴染みがでてきたようですね。
本場ドイツの中でも最大級といわれるシュトゥットガルトのクリスマスマーケットへ行ってきました。
会場は街全体!
宮殿広場、市庁舎前の広場、旧宮殿の中庭など、市民の憩いの場が会場に変身します。各所をつなぐ道には絶えることなく屋台が続き、まるで街全体が大きな1つの会場のようです。
メイン会場の市庁舎は窓1つ1つを使った巨大アドベントカレンダーに。
まさに街をあげての大祭りです。屋台がずらりと並ぶメイン会場、スケートリンクやミニ観覧車などのアトラクションが集まるミニ遊園地、毎晩コンサートが開催される広場など内容も豊富で、何往復でも楽しめます。
写真はオーナメント柄のミニ観覧車。小さく見えるが4人は乗れる。速い速度で何周も回る。
屋台上の装飾が個性的!
各屋台にヨーロッパ雑貨や食べ物が並んでいて目移りしてしまいますが、屋台の屋根上にも釘付けにされます。
どの屋台にもクリスマスにちなんだ美しい装飾が施されています。2つとして同じものはなく、店主の個性を垣間見ることができます。ちなみに美しさを競うコンテストが行われるそうで、それぞれの全力投球ぶりがうかがえます。
音楽を奏でる天使が屋根に並んでいる屋台、渾身のサンタクロース、リンゴや木材で作る自然派、本格的なキリスト像、クリスマスピラミッドが乗っている屋台など、力作揃いです。
ドイツの民芸品「クリスマスピラミッド」が屋台の屋根に。最上部の羽根と連動して中の人形が回転している。
屋台でショッピング
屋台では、木製のクリスマス飾り、キャンドル立て、可愛いお菓子、スモーキー人形、プレッツェル、ソーセージ、ガラス球、藁細工、陶器・ガラス・布製品まで、様々なものが売られています。
「このオーナメント可愛い!まだ先にもっといいのがあるかな?戻ってくる頃には売れちゃってるかな?」
「この置物、買いたいけど、部屋に合うかな?そもそも持って帰れるかな?」
「日本で買ったら、倍の値段はするよね。」
「今年一年頑張ったから自分へのご褒美…」
など止まらない独り言と、緩む財布の紐…。それがまた最高に楽しいひと時です。来年からは毎年冬にこれを飾るんだ!と大切にスーツケースに詰める時のワクワク感までが、クリスマスマーケットのお土産になります。
グリューワインと立ち話でポカポカ。
今年は暖冬だと言われるドイツでも、気温は4度ほど。だんだんと身体が冷えてきます。待ってました!と言わんばかりにここでグリューワインを。
グリューワインとは、ただの温めたワインではありません。シナモンなどの香辛料にオレンジなどのフルーツも加えた、甘くて温かいワイン。
お店が見えていなくても、そこにあることが分かるほど、いい香りが周囲まで漂います。日本で馴染みがあるグリューワインは赤ですが、白も売られ、子ども用ノンアルコール(ホットのぶどうジュース)もありました。
ご当地限定マグカップに入れてくれるのがまた嬉しく、笑みがもれます。飲めば身体の中からポカポカになり、楽しい気分も倍増です。
カップを返せばいくらかデポジットが返金されますが、旅のお土産にお持ち帰り。さらには別の柄のカップ欲しさにおかわりする人も少なくないはずです。
「どこから来たの?」自然と知らない人とも話が弾みます。
つまみはやっぱりソーセージ
クリスマスイブの様子
シュトゥットガルトのクリスマスマーケットは12月23日までの約1ヶ月間。クリスマスイブにも足を運んでみました。
300店舗近くあった屋台が一夜で片付けられていました。ガラーンとした広場に立つと、夢から醒めたような少し物哀しい気分。スーパーなどのお店も軒並み閉店です。大手ファーストフード店ですら短縮営業となり、夕方には閉店。
街の静けさが、ドイツ人の各家庭での団欒のひと時を想像させます。祖父母の家を訪ねたり、親戚で集まって食事をしながら一年間の思い出話をしていることでしょう。日本のお正月の過ごし方と通ずるものを感じます。
ロマンチックでありながら、「宗教×人々×歴史×文化×屋台+酒」が掛け合わされる祭りのもつエネルギーは、全世界共通でした。
シュトゥットガルトまでは日本からの直行便がありません。最寄りのフランクフルトまでも飛行時間は約12時間。訪れることが簡単な場所ではないからこそ、日本国内でドイツ式クリスマスマーケットが行われていることは大変ありがたいですね。次のクリスマスシーズンにぜひ行ってみてください!