高尾山が舞台のお祭り
都内有数の登山スポット高尾山。都心からも電車で簡単にアクセスでき、新緑が心地良いこれからのシーズンには山登りに出かけられる方も多いのではないでしょうか?この高尾山中に、薬王院と言うお寺があります。744年(天平16年)の創建と伝わり、真言宗智山派の関東三大本山の1つとしても知られるお寺です。こちらで毎年3月の第二日曜日に行われるお祭りをご紹介していきます。その名も「高尾山火渡り祭」です!
2022年は3月13日に開催された、高尾山火渡り祭。ポスターで既にこのインパクトですが、火渡りとはどのようなものなのでしょうか?お祭りの様子を見ていきたいと思います!
高尾駅から高尾山へと続く道へとやってくると、お祭り当日もたくさんの登山客が訪れていました。登山客の皆さんは登山道を進みますが、私は横道にそれ、お祭り会場の「高尾山薬王院 山麓 自動車交通安全祈祷殿広場」へと向かいます!
山伏が入場!お祭りがスタート
お祭り会場の広場へ到着しました。広場の中央には護摩木に囲われたお焚き上げの場が設置されています!
遠景で見るとこんな感じ。人と比べるとかなりの大きさなのが分かりますね!
お祭りがはじまる13時、遠くから法螺貝の音が響いてきました。その音と共に、山伏の皆さんが登場です!
まずは導師が迎え入れられていきます。
続いて山伏の皆さんも、法螺貝を吹きながら入場!
静けさを破るように、法螺貝の音が響き渡ります。
高尾山火渡り祭がはじまりました!山伏の皆さんが、法螺貝を吹きながら会場へと入ってきます! pic.twitter.com/l0uWE0z7Ft
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) March 13, 2022
山伏の皆さんが所定の位置についた後、不浄を焼き尽くす火切加持(ひきりかじ)と呼ばれる儀式が行われました。
ここからは、アクロバティックな儀式がはじまります!まずは神斧(しんぷ)です。勢いよく斧が振られていきます!
お次は寶剣(ほうけん)。見事な剣捌きで、道場内と自信の魔を断ち切っていきます!
続いては法弓(ほうきゅう)。矢を放つことによって、四方から魔が入らないようにする儀式です!
勢いよく矢が放たれていました!
ここからは、願文と呼ばれる信徒の願い事をご本尊に述べる儀式。たくさんの願いが読まれていました!
閼伽(あか)です。浄めの水をかけ終わると、いよいよ点火されていきます!
火が高々と燃え上がる
さあ、火がつけられました!般若心経が唱えられる中、勢いよく燃え広がっていきます!
高尾山火渡り祭。般若心経が唱えられる中、火が上がっていきます! pic.twitter.com/AO0ZCvHbox
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) March 13, 2022
一気に強くなった火の勢いを、時折水をかけて調整。
火の目前まで行って水をかける様子は、まさに修行です!
火の上がり方がものすごい!山伏の皆さんは、まさに修行ですね…。#高尾山火渡り祭 pic.twitter.com/TsIPzVVtWR
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) March 13, 2022
儀式も同時に行われていきます。
いよいよ真っ赤に燃え上がったところで、水かけは終了です。
ここからは火の中に護摩木が投入されていきます!
たくさんの想いが順番にお焚き上げされていく光景は、見ていて引き締まりますね。
火渡りがはじまる!
お焚き上げが終わると、先ほどまで火が上がっていた場所を歩む火渡りがはじまります!その前に、熱湯で心身を清める湯加持が行われました!熱湯が左右に飛び散り迫力があります!
続いて御本尊様に対して祈願を伝える火生三昧表白(かしょうさんまいひょうはく)と言う儀式が行われました!
塩を撒いて場を清めたら、いよいよ火渡りです!
裸足になり、まだ火が燻る中を歩き進めます。
山伏の皆さんも続々と火渡りを行います!
火の熱で、場にゆらめきが残る中でも進みます!
火渡りがはじまりました!この後一般の方も火の上を進みます!#高尾山火渡り祭 pic.twitter.com/zfZPw3MsQf
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) March 13, 2022
山伏の皆さんの火渡りが終わると、ここからは一般の方も火渡りを体験することができるんです!もちろん裸足で進んでいきます!
子どもも挑戦!顔が熱そうですが、良い思い出になりそうですね!
と言うことで、私も体験させていただきました!受付でこちらのリストバンドをいただけると、火渡りに参加することができます。今年は人数制限が実施されており、リストバンドの色で参加時間のブロック分けがされていました。
自分のブロックの参加時間が近づき、列に並びます!
いよいよ会場に近づいてきました!後半だったので火の勢いはおさまっていますが、まだ煙はもくもくと上がっています。
さあ、裸足になって会場へと入場です!
足の裏に温かさを感じながら、無事歩き切ることができました!歩き切った先には御本尊様がおられるので、手を合わせて会場を後にします。なんと参加者用の特典までいただけました!
縁起物も注目
火渡りを体験した後は、縁起物を持ち帰ってはいかがでしょうか。こちらは梵天札と言う、火渡りの火に当てられた火伏せのご利益のあるお札です。キッチンなどの火を扱うところにお祀りすると良いそうですよ!
続いては渡火証。御本尊様の智慧の炎を渡った記念に持ち帰り、願いを込めて身につけてみてください!
お護摩の火炎によって御加持された清めの塩も提供されていました!
護摩木として火に入れられていた木札もあります。こちらは撫で木札と呼ばれ、御本尊様の御手を表しているそうです。こちらに願いを込めて氏名年齢を記入するのですが、ご希望の方はお祭りがはじまる前に受付へ行ってみましょう!
火渡り祭に合わせた、限定御朱印の頒布もありました!火炎が描かれ、お祭りにぴったりですね!
会場では、グルメ屋台の出店も!たこ焼きや五平餅が焼かれる香りはたまりませんね!
周辺情報・アクセス
高尾山名物と言えば、とろろそば!高尾山の登山道へと向かう道沿いにはたくさんのお蕎麦屋さんが存在しています。ぜひ、お祭りに合わせて、名物の味を楽しんで行ってみてください!
最寄りの高尾山口駅からお祭り会場へと向かう途中にある、高尾599ミュージアム。2015年に開館した、高尾山の自然や歴史文化などを体感できる施設です。入館無料で、カフェも併設していますので、ぜひ合わせて立ち寄ってみてください。ちなみに599と言うのは、高尾山の高さ599mにちなんでいるそうですよ!
■お祭り会場(高尾山薬王院 山麓 自動車交通安全祈祷殿広場)へのアクセス
京王線 高尾山口駅より徒歩約6分。