もうすぐ七夕。読者の皆さんは、七夕飾りの準備をしたり、短冊に書くお願いを考えた経験はありますか?
お子さんがいる方や幼稚園・小学校の先生方は、折り紙などで子どもたちと七夕飾りを作る機会も多いのではないでしょうか。
ところで、七夕飾りにはそれぞれ意味が込められていることをご存知でしょうか。
「聞いたことがない」「昔聞いた気はするけど忘れちゃった」なんて方も多いのではないかと思います。
そこで今回は、子どもたちに覚えてもらいたい七夕飾りの作り方などを紹介するとともに、飾りに込められた願いも合わせて解説します。
七夕飾り作りにチャレンジ!
季節を感じながら七夕飾りを作るだけでも楽しい時間ですが、出来上がった飾りはさらに七夕を彩ってくれます。
まずは七夕飾りの折り方や手順などをご紹介。オマツリジャパン編集部で折り紙を買って七夕飾りつくりにチャレンジしてみました。
先に完成系を見せちゃうとこんな感じです。比較的簡単に作れる「網」「貝」「ちょうちん」をピックアップ。制作時間は大人3人で20分ほどです。
ここからは作った七夕飾りを1つずつ解説していきます。
網
まずは「網」です。豊漁と豊作、そして幸運をかき集める願いが込められています。
完成イメージはこちら。
まずは折り紙を半分に折ります
さらに半分に折ります
まずは片方、均等に切れ目を入れていきます
同様に反対側にも切れ目を入れます
こんな感じになります
広げると綺麗な網状になりました。
貝
続いては「貝」です。こちらも魚や貝がたくさん獲れるよう豊作を願う意味があります。
こちらが完成品。巻貝のイメージですね。
まずは折り紙を半分に折ります
均等に切り目を入れていきます
対角線上をホッチキスやのりでとめて
綺麗な貝の飾りが出来上がりました。
ちょうちん
上記の2つに比べて若干難易度が高い「ちょうちん」をご紹介します。ちょうちんには人の心や短冊を明るく照らすという意味が込められているそうです。
こちらが完成イメージ。
まずは半分に折り、ふちから1cmほどのところを外側に折ります。反対面もおなじように折ります。
このように切れ目を入れていきます。
ひらいて左右の端同士をホッチキスやのりで留めます。
筒状に整えて完成です。
完成した七夕飾りたちを笹に飾り付けてみました。
20分ほどの作業時間でしたが、本格的な七夕飾りができました!お子さんの年齢に合わせて作るものを選べば、いろいろな楽しみ方ができそうです。
ちなみに、こちらの七夕飾りはコスパ◎のコストコ折り紙を使用しました。気になる枚数や価格、内容はこちらの記事で紹介しています。
まだまだたくさんある七夕飾り。折り方をご紹介。
上記でご紹介した以外にも七夕飾りはまだまだあります。ここからは代表的なものをご紹介していきます。下に進むにつれて難易度が上がっていきますよ。
短冊
短冊を作る際に用意するものは和紙や色付きの折り紙、はさみやペンなどです。
まず、用意した紙を縦約15cm・横約7.5cmの大きさに切ります。
折り紙の場合は大体半分の大きさです。長方形に切り取ったら、長編の右端から約7mmの位置にまっすぐ切り込みを入れます。
この部分は折り返して紐にするため、切断しないように注意してください。
ペンで願い事を書いたら、切り込みを入れて紐の部分を紙の裏側に向けて折り返します。
紐は笹に巻きつけ、ホッチキスなどで止めましょう。
参考サイト:仙台七夕まつり公式サイト
さんまいぼし
さんまいぼしを作る際に用意するものは和紙、または色付きの折り紙と、のりです。
まず、正方形の紙を用意します。
三角折りを一度して、三角の形にしたものを3つ作ります。
3つの三角形を下記の図のように配置したあと、下の2つの三角形同士を差し込み、組み合わせた後、のりで貼ります。
最後に、上の三角形の頂点を2つの三角形を組み合わせた間に合わせ、のりで貼ったあとに裏返したら完成です。
ひしがたつづり
ひしがたつづりを作る際に用意するものは以下の通りです。
- ・和紙または折り紙
- ・はさみ
- ・のり
ひしがたつづりは、名称の通り小さく切った正方形を斜めにのりでつなげて菱形を作ることです。
正方形の端と端をのりでくっつける簡単な作業なので、小さなお子さんも喜んで作ってくれることでしょう。
また、このひしがたつづりは天の川をイメージしているそうです。
おりひめとけんぎゅう
おりひめとけんぎゅうを作る際は、和紙または折り紙とペンを用意しましょう。
まず、用意した正方形の紙を二回三角折りをして折り目をつけます。
紙をもどし、正方形の角を中心に向かって半分に折ります。
裏返したのち、折った辺の両端を中心に向けて半分に折ります。
でき上がった正方形の両端を中心の線に向けて折ったのち、中を開くように外側に向かって折ります。
この時の開き方で、おりひめとけんぎゅうに分かれます。
最後に、裏返して顔の部分を折り込み、形を整えたあとペンで顔を書いたら完成です。
参考サイト:https://orikata-app.com/orikata/4783
折鶴
折鶴を作る際に用意するものは以下の通りです。
- ・和紙または折り紙
- ・たこ糸
- ・たこ糸用針
まず、紙を半分に三角折りにし、さらに半分に三角折りしたあと、上の三角形をひらき正方形に折りたたみます。
裏返して、同様に三角形をひらき正方形に折りたたみます。
真ん中の折り線に合わせて左右を三角折りしたのち、上を三角に折り下げます。
折った部分をひらき、折りすじに合わせて折りたたみます。
裏側も同様に、折り目をつけて折りすじに合わせて折りたたみます。
両面を三角折りにして、中わり折りで頭と尾を作ります。
最後に、クチバシの部分を作り、羽をひろげてお腹を膨らませ、たこ糸を針で通したら完成です。
参考サイト:仙台七夕まつり公式サイト
ここからは難易度アップ。さらに本格的なものをご紹介していきます。
ふきながし
ふきながしを作る際に用意するものは以下の通りです。
- ・画用紙
- ・色付きの折り紙
- ・花がみ
- ・たこ糸
- ・はさみ
- ・ホッチキス
- ・両面テープ
- ・木工用ボンド
- ・セロハンテープ
まず紙を2枚用意し、向きを確認して、しなりがあるほうを縦に置き、8等分に折り目をつけます。
上を残したまま折り目にそって切り込みを入れていきます。
次に、ホッチキスを使い細長く切った画用紙で輪っかを作り、この輪っかに、両面テープを使い切り込みを入れた紙をそれぞれ重ねて貼っていきます。
続いて、輪っか部分にいろがみを貼ります。
最後に、セロハンテープと糸を使って、用意したくす玉とこのふきながしをくっつければ完成です。
参考サイト:仙台七夕まつり公式サイト
紙衣
紙衣を作る際に用意するものは以下の通りです。
- ・和紙または折り紙
- ・たこ糸
- ・たこ糸用針
- ・はさみ
- ・のり
まず、紙をそれぞれのパーツに切って準備をします。
内側と外側のおくみにのりを塗り、身ごろに貼っていきます。
両端を折りのりを塗ったあと上下を貼り合わせます。次に、切り込みを襟に差し込み、さらに両袖を貼ります。
最後に、針を指してたこ糸を通せば完成です。
参考サイト:仙台七夕まつり公式サイト
巾着
巾着を作る際に用意するものは以下の通りです。
- ・和紙または折り紙
- ・たこ糸
- ・たこ糸用針
- ・はさみ
- ・ホッチキス
- ・両面テープ
まず、ふちかざり用の長方形のいろがみを用意します。
半分に折り、段折りをしておきます。
次に、ふくろ用の紙を2枚重ねて、角をはさみで落としたら、3等分に折りすじをつけ、下1/4部分にも2枚一緒に折りすじをつけます。
寄せるように折り立体にしたあと、ふくろの裏側とふちかざりを両面テープで貼り合わせます。
両面テープをふちかざりにさらに貼り、表側のふくろを上から貼ります。
最後に、なかに紙くずを入れて形を整えたあと、たこ糸と一緒に口をホッチキスで止めたら完成です。
参考サイト:仙台七夕まつり公式サイト
投網
投網を作る際に用意するものは以下の通りです。
- ・薄葉紙または花がみ
- ・たこ糸
- ・たこ糸用針
- ・はさみ
- ・セロハンテープ
まず、正方形の紙を半分に三角折りして、もう一度三角折りをします。
さらに三角折りをしたあと、半分に折ります。
次に、三角形の頂点から5mmほどすきまをあけてはさみで切り込みを入れます。
上下交互に切り込みを入れていきます。
先端を2cmほど残し、切り落とさないように注意します。
やぶれないようにゆっくりと広げたのち、たこ糸を針で紙の中心を裏側から通し、セロハンテープで貼ります。
最後に、吊るして形を整えたら完成です。
参考サイト:仙台七夕まつり公式サイト
屑篭
屑篭を作る際に用意するものは以下の通りです。
- ・薄葉紙または花がみ
- ・たこ糸
- ・はさみ
- ・ホッチキス
まず、正方形の紙を半分に三角折りして、もう一度三角折りをします。
さらに三角折りをしたあと、半分に折ります。
次に、三角形の頂点から5mmほどすきまをあけてはさみで切り込みを入れます。
上下交互に切り込みを入れていきます。
先端を2cmほど残し、切り落とさないように注意します。
やぶれないようにゆっくりとひろげたのち、中央に紙くずを入れて、4つカドを谷折りして頂点に合わせます。
最後に、合わせた4つ角と糸をホッチキスで止めれば完成です。
参考サイト:仙台七夕まつり公式サイト
そもそも「七夕」とは?
七夕といえば、織姫と彦星が1年に1度会える日で、短冊に願いを書いて笹竹に飾るというイメージが強いでしょう。
そもそも七夕とは、昔中国から伝わった乞巧奠(きこうでん)という裁縫や機織りの上達の想いを込めた行事が由来です。
この風習が平安時代の日本に伝わり、果物や野菜などを供えて、詩歌を詠む宮中行事となりました。
その後、江戸時代に庶民の間で広まり、短冊に詩歌などの上達の願いを書いて笹竹に吊るすというお祭りへと変わっていきました。
案外知られていない?七夕飾りに込められた願い
その七夕になくてはならないものが七夕飾りです。
日本三大七夕まつりのひとつに数えられる「仙台七夕まつり」の七夕飾りは、「短冊」「紙衣」「折鶴」「巾着」「投網」「屑篭」「吹き流し」という7つの飾りがあります。
ここでは、これらの七夕飾りに込められた願いや由来をご紹介します。
短冊
現在では、ペンで願い事を書いて飾っている短冊の起源は、サトイモの葉に溜まった夜露で墨をすり、書道や学問の上達を願って和歌を書いたことに由来しています。
このことから、短冊に書く願い事は、習い事などの上達を願うほうが良いとされていて、単にモノが欲しいというのはあまり良くないようです。
紙衣
昔は、着物の縫い方を先生や親御さんに習ったものです。
紙衣は、裁縫の上達を願いながら、紙で作った着物を捧げる習慣に由来しています。
また、病や災いの身代わりに流す形代としての意味も含まれていて、子どもが無事に育つように願いが込められています。
折鶴
日本伝統のおりがみの代表作に折鶴があります。
おりがみの折り方を通して教える心や教わる心を育んできました。
亀は万年、鶴は千年というように、鶴は長寿の象徴として知られています。昔は、鶴を一家の最年長者の年齢分だけ折ることで、延命長寿を願いました。
また、鶴はつがいの仲のよさから夫婦円満の象徴、声が遠くまで届くので天上界に通じる存在として縁起の良い鳥とされています。
巾着
巾着は、火打ち道具を入れた火打ち袋が由来とされています。
昔は、金銭のほかに印鑑やお守り、薬なども入っていたそうです。
そんな巾着は金銭に不自由をしないことや商売繁盛の願いが込められています。
また、口をしっかりと閉じることで無駄遣いを防げます。巾着は貯蓄と節約の心を養ってくれます。
投網
投網は魚をとるための網のことです。
この網を使って、たくさんの魚をとって欲しいという人々の願いが込められていて、豊漁と豊作の意味があります。
また、寄せ集める動作から、たくさんの幸運を拾ってくるという意味もあるそうです。
屑篭
屑篭には整理整頓をしてものを大切にしようという、清潔と倹約の意味があります。
実際に、七夕飾りを作る時に出た紙くずなどを拾い集めてこの屑篭に入れて飾っていたそうです。
こうしてゴミが飾りに変わるという発想が素晴らしく、無駄遣いを避けものを粗末にしないで他のことに役立てるという昔の人の想いを大切にしたいですね。
吹き流し
吹き流しは、手芸や機織りなどの上達したいという願いが込められています。
それは、昔の織り糸を垂らした形をあらわし、機織りの名手である七夕物語のヒロイン織姫を象徴していることに由来します。
また、くす玉とセットで、七夕が飾られている仙台のアーケード街を歩くと、もっとも目に付くのがこの吹き流しでしょう。
参考サイト:仙台七夕まつり公式サイト
まとめ
七夕飾りの作り方や、それぞれに込められた意味についてご紹介しました。
これらには、商売繁盛、無病息災などの意味があり、昔の人達の想いがこもっています。
はるか昔より想いが引き継がれ現代につながっていると思うと感慨深いものがありますよね。
そういう想いを感じながら、七夕飾りを改めて観たり作ったりすると、また違うものが見えてきて新たな発見があるかもしれません。