七夕といえば、短冊に願いごとを書き、笹の葉に吊るす日として有名ですが、実は七夕はお盆行事と深い関係があることをご存知でしょうか。
今回は七夕の由来や起源、お盆との関係などについてご紹介します。
七夕のルーツとは
七夕は日本のみならず中国大陸、台湾、韓国、ベトナムなどでも行われる節供・五節句の一つで、縁起が良いとされる「陽数(奇数)」の連なる7月7日の夕べに行われます。
そのルーツは中国伝来の星伝説に由来します。
天の川の西岸に住む機織りの娘・織姫と、東岸に住む牛使い・彦星は、織姫の父のすすめで結婚しました。
夫婦になって円満に過ごす二人でしたが、あまりに仲が良すぎて仕事をしなくなり、怒った父親が天の川を隔てふたりを引き離しました。
すると、今度は悲しみに明け暮れ働かなくなってしまいます。
結果的に仕事に励むことを条件に七夕の夜にだけ二人が再会することを許し、カササギの翼にのって天の川を渡り年に一度だけ再会するようになった、というお話しです。
七夕伝説の織姫にあやかり、機織りなど技芸が「巧みになるように乞う祭り」と言う意味から「乞巧奠(きこうでん)」という行事が中国で催されるようになりました。
奈良時代、日本に乞巧奠が伝わると、貴族は庭の笹の葉に和歌を綴り、祭殿に索餅(さくへい:そうめんの原型とされるもの)をお供えし、裁縫の上達を祈りました。
七夕は先祖供養のための盆行事だった
七夕には水が深く関係しています。また、お盆前のお清めにも関係しています。
旧暦のお盆は7月15日頃なので、その一週間前である7月7日頃はちょうどお盆の準備をする頃にもあたります。
そのため、お盆に併せて身を清めたり、梅雨どきにたまった井戸の底の泥を取り除いたりなどして、不浄を清める風習がありました。
現在もお墓掃を掃除したり、仏具を洗ったりする「七日盆」と言う習わしが残っています。
七夕に使う道具はお盆と深い関係があった?!
地域にもよりますが、昔は盆踊りの際に手に笹を持って踊る風習がありました。
笹は先祖の魂の依り代(よりしろ)とされ、踊り手たちが笹を振れば先祖が帰ってくると言い伝えられていました。
最初は貴族が和歌を綴って吊るしていたものが庶民にも広がり、勉学や習い事の上達を祈願するなど現在の願い事を書く風習につながっていったのです。
旧暦七夕。奄美では旧暦でお盆をするところが多く(全部じゃ無い)、それに合わせて旧暦で七夕も飾ります。お盆に帰ってくるご先祖様は七夕飾りのおかげで迷わないのだとか。たいてい家に飾るのですが、以前、大和村の大金久で見かけた七夕飾りは、海を背景に立っていて印象的でした。 pic.twitter.com/zOFwy4STMH
— 別府亮/RyoBeppu (@ryo_beppu) August 28, 2017
まとめ
今でも多くの人々に親しまれている七夕。お盆と深い関係があったことは意外でしたでしょうか?
友達や恋人とイベントや七夕祭りに参加するのがイメージが強い七夕ですが、ぜひご先祖様のことを想いながらご家族と一緒に過ごしてみてはいかがでしょうか。