大阪を代表する夏祭り
夏祭りシーズンが全国で到来していますが、大阪を代表する夏祭りの一つに大阪天満宮の「天神祭」があります。
天神祭は毎年6月下旬の吉日からはじまり7月25日に本宮が開催され、日本三大祭や大阪三大夏祭りにも数えられているお祭りです。本宮では総勢3,000人もの大行列が進む陸渡御（りくとぎょ）や、約100隻の船が大川に浮かぶ船渡御、そして奉納花火と見どころ満載な行事が実施されます。それでは4年ぶりに完全復活となった2023年の天神祭の様子を見ていきましょう！
時代絵巻のような陸渡御
大阪市内、北区天神橋にある大阪天満宮。御祭神は学問の神様として知られ、天神様と呼ばれ親しまれる菅原道真公です。陸渡御が出発する15時半前に大阪天満宮の前へやってくると、境内からは出発を目前に威勢のよい声が聞こえてきました！
さあ、陸渡御出発の時間となります。約3,000人もの大行列が時代絵巻かのように大阪の町を練り歩いていく陸渡御。その先陣を飾る一行が大阪天満宮から出てきました。
投げ頭巾という赤い被り物が特徴的な催太鼓（もよおしだいこ）の方々です！催太鼓は片側3人1組の6人組の願人（がんじ）と呼ばれる叩き手で構成され、足元の大太鼓を叩きながら進み盛り上げます。
6人同時に叩く瞬間も。
バチを高々と上げ、かっこいいですね！威勢のよい声と低音の太鼓の音を響かせ、お祭りのスタートを知らせていきます。
続いてやってきたのは、白馬に乗った猿田彦。後方には神鉾の姿も見えますね。
お次は大きいものが出てきますよ。だんじりです！
その姿から「三ツ屋根地車」とも称され、3つの屋根が付いているのが特徴的。昨年に江戸時代の工法を再現して新調されたばかりでもあるので、要注目です。
鉦の音が響く「だんじり囃子」も風情がありますね。
天神祭で見ただんじりです！三ッ屋根地車とも称され、その名の通り三つの屋根があるのが特徴的。鉦の音が響くお囃子も風情がありますね！
※7月25日撮影 pic.twitter.com/22fKMOYDSJ
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) August 5, 2023
御神酒講（おみきこう）の引く、猩々山車（しょうじょうだし）もやってきました。御神酒講は酒類関係者で講が形成されているそうですが、猩々はお酒の精霊としても知られているんですよ。
そして陸渡御の華、傘踊りの登場です！傘踊りは約600人にもなる獅子舞の集団の天神講の中で、女性陣が魅せるパフォーマンスになります。この大人数で繰り広げる傘踊りが、沿道の方々を魅了していきます。
時折声を上げると活気が出ます。これはお祭りが華やぎますね！
傘踊りの前を行く女性が持つのは、四つ竹です。長方形の小さな竹板を左右両手に2枚ずつ持ち、打ち鳴らして盛り上げていきます。
まだまだ傘踊りの行列は続きますよ！
傘踊りに混じり、獅子舞の姿もありました。首を揺らしながら前へと進んでいきます。
女性陣は他にも。赤い着物が目を惹くこちらは、采女（うねめ）の皆様です。
天神様といえば、牛も有名ですよね！福梅講は、子どもたちが牛を引いて参加しています。
神様が乗る乗り物、御羽車（おはぐるま）も進みます。
こちらはご神体を覆う道具の御菅蓋（おかんがい）です。
そして、渡御の中心となる御鳳輦（ごほうれん）が現れました！御鳳輦には御祭神である菅原道真公の御神霊が乗られています。
雅楽が流れる中、ゆったりと進んでいきました。
天神祭、鳳輦の陸渡御宮出の場面です！#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/gVUjhVahQ4
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 25, 2023
御鳳輦が通って行ったら、お次は高張提灯が並んでいよいよお神輿の登場です！天神祭では、鳳神輿と玉神輿の2基のお神輿が渡御します。
まず担ぎ上げられたのは、鳳神輿。天神様の梅紋が刻まれた大きな金色のお神輿が前へ前へと歩みを進みはじめました。
お神輿の前には人が乗り、威勢よく差配を振っていきます。
空高く差し上げられました！これは盛り上がります。
担ぎ直して、前進していきますよ。
天神祭の鳳神輿が、大阪天満宮を出発してやってきました！このお神輿は大きくて迫力満点！#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/gyAQbgGe2K
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 25, 2023
続いて玉神輿も渡御をスタート！玉神輿は大阪市中央卸売市場の関係者が担ぐお神輿で、一層威勢のよい渡御を見ることができるんです。
玉神輿は前後に人が乗り、くるくる回りながら前進していきますよ。次々に声も上がり、すごい活気です。
玉神輿も差し上げられました。この熱量がたまりません！
そして大阪締めも。「打ちまーしょ（パンパン）、もひとつせっ（パンパン）、祝うてさんど（パパンパン）」の大阪ならではの手締めが気持ち良いです！ちなみに女性の場合は最初の節が「打ーちましょ」になるという話もあります。
市場関係者200人越えで担ぐと言う玉神輿が、威勢の良い大阪締めで出発です！#天神祭 #祭り #お神輿 pic.twitter.com/drv4FeFjz6
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 25, 2023
大阪天満宮からのびる参道を右に曲がると、大通りに面して鳥居があります。こちらをくぐり、陸渡御行列は大川を渡り中之島へと通じる大江橋方面へと進んでいきます。
鳥居をくぐった玉神輿。この姿、かっこ良すぎます！
間近で玉神輿を仰ぎ見ます。痺れる光景です！
中之島公会堂が見どころポイント
大阪天満宮を出た陸渡御の行列は、大川に沿うように西へと練り歩き、大江橋から中之島へと渡ります。中之島には大阪市役所や日本銀行大阪支店等が立ち並びますが、同じように並んで立つ大阪市中央公会堂（通称：中之島公会堂）前が行列を見るおすすめのポイントです！
大阪天満宮前では人出が多くなかなか行列を間近で見るのが大変だと思いますが、こちらでは比較的ゆったりと行列を見ることができます。日も傾き始めた、17時半頃の中之島公会堂前です。こちらへ獅子舞を先頭に天神講の皆様がやってきました。
沿道に立つ見物客へ、サービスをしていく獅子舞です。
獅子舞に続くのは傘踊り。大阪天満宮の前と同様に元気よく踊っています！
中之島公会堂を背景に進む傘踊り。絵になりますね！
夕陽も差し込み、美しいシーンです！
天神祭の見どころの一つ、傘踊り！大阪市中央公会堂の前で、ユニークな踊りを見ることができました！#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/DU1cXJHCIU
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難波橋ではだんじりに遭遇。ビル群を背負いながら、だんじり囃子を響かせています。
4年ぶりの船渡御が出発
18時頃からは、天神祭の花形とも言われる船渡御（ふなとぎょ）がはじまります。船渡御が行われるのは、実に4年ぶり。関係者の皆様の喜びもひとしおのようで、船に乗り込んだ方々の雰囲気からその喜びが感じられます！
船渡御に参加する船の数は、100隻にものぼるんだとか。出発地点の天神橋付近では、着々と準備が進められていきます。陸渡御の先頭を飾った、催太鼓の皆様も船に乗っていました！
出発した船の上でも叩かれる太鼓。大川沿いの方々に、船渡御の開始をお知らせしていきます。
中之島や天神橋の上には、多くの見物客が集まっていますよ。船の出発を見守ります。
船上と両岸で手を振り合うシーンも。
続々と大川に浮かぶ船の数が増えてきました。
唯一手漕ぎのどんどこ船も登場です。これは勇ましいですね！
まだまだ船が出発していきますよ。
神鉾も船に積み込まれ、船渡御です。出発に合わせて大阪締めも行われ、盛り上がりました！
船渡御も魅力的な天神祭。神鉾が船に乗り進んで行きますよ！船の上からの大阪締めも良いですねえ。#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/4MeT8KEPkn
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御羽車は、なんとクレーンで積み込み！
無事積み込まれ、船渡御開始です。
御鳳輦もクレーンで積み込まれていきます。その手前には、ギャル神輿で有名な天神橋筋商店街の皆様が。
めちゃくちゃ盛り上がる大阪締めを披露していました！
ギャル神輿で有名な天神橋筋商店街の船渡御です！大阪締めでめちゃくちゃ盛り上がります！#天神祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/nxXjuF6811
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 25, 2023
大川を上流へと進む船の数々。まもなく日が暮れそうです。
辺りが暗くなってきました。船に掲げられた提灯の明かりが際立ちはじめ、雰囲気がありますね。
奉納花火でフィナーレ
船渡御が行われている中、19時半からは奉納花火が打ち上げられます。花火は大川沿いの二ヶ所から打ち上がり、この日は約3,000発の花火が大阪の夜空を彩りました！
船が大川を行き交う中、次々に打ち上げられていく花火。2ヶ所から同時に花火が打ち上げられる瞬間もありましたよ！
大きな花火が打ち上がると、川岸からは「おおっ！」と歓声が上がります！
御鳳輦の船渡御を見ることもできました。さらに御鳳輦と花火の共演も。これは美しいですね！
天神祭の鳳輦と花火の共演！これは美しい！#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/pK6ww1OvuC
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21時頃まで続いた奉納花火。船も引っ切り無しに上流下流へと行き交っていました。
暗くなっても船の上から大阪締め！船渡御でこれは風情がありますね。#天神祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/tQWfF7ANrc
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 25, 2023
花火を見終えてギャル神輿で有名な天神橋筋商店街へ行ってみると、こちらはまだまだ盛り上がっています！夜が遅くなってもまだまだ天神祭を楽しみたいという方は、こちらへ行ってみてもよいかもしれません。
ギャル神輿で有名な天神橋筋商店街では、花火の後も盛り上がっていました！#天神祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/iIY1GDTH8z
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 25, 2023
露店情報・アクセス
お祭りへやってきたら、楽しみたいのがお祭りグルメ。お好み焼きに焼きそば、りんご飴等、お祭りグルメを提供する露店がたくさん出ているのも天神祭の魅力です！露店は天神橋筋商店街の中や大阪天満宮周辺、大川沿いの各スペースに出店されていました。
夜には花火を見ながら露店で遊んだり、グルメを堪能したりなんてことも。これは楽しめますね！
大川沿いに立ち並ぶ露店。右側には大川が流れ、対岸に花火が上がっています。
■大阪天満宮へのアクセス
・JR東西線「大阪天満宮駅」7番出口より徒歩2分
・大阪メトロ谷町線、堺筋線「南森町駅」4番出口より徒歩2分
毎年7月25日に本宮が開催される、大阪天満宮の天神祭。ぜひ大阪の夏祭りの熱気を感じに来てみてください！