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3年ぶりの通常開催!2022年の阿波おどり、会場の様子は?見所をまとめてご紹介!

2022/9/1
2022/9/1
3年ぶりの通常開催!2022年の阿波おどり、会場の様子は?見所をまとめてご紹介!

徳島県徳島市で毎年お盆期間に開催される「阿波おどり」。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年は中止、2021年は規模を縮小しての開催でしたが、2022年の今年は3年ぶりの通常開催となりました。本年は「未来」をテーマに、「阿波おどり未来!2022」と称して新しい形の阿波おどりを開催。近年阿波踊りの魅力に惹かれた筆者が今回満を持して徳島へ向かい初観覧を果たしました!この記事では同じく初めての方にも役立つ情報満載で、2022年に行われた阿波おどりの様子をお届けします。

阿波踊りの本場・徳島阿波おどりとは

阿波おどり

阿波おどりは徳島県徳島市で行われる盆踊りです。毎年8月12日〜15日のお盆期間に開催され、日本三大盆踊り(西馬音内盆踊り・郡上おどり)のひとつとして数えられています。現在では東京の高円寺、埼玉の南越谷など、全国各地で行われる阿波おどりですが、その本場となるのがここ徳島市となります。

また地域によっても違いがあるものの、徳島では踊りそのものを指す場合は「阿波踊り」、祭典としての名称は「阿波おどり」となるのも特徴です。

街中が一気にぞめく!各演舞場の様子

阿波おどりは18:00〜22:30の間に行われ、徳島駅の南側を流れる新町川を中心に8箇所の演舞場と、路地裏の一角などでも踊るなど、とにかく街中が阿波踊り一色に染まり、”ぞめき”が響き渡ります。日中時間帯にも徳島駅から徒歩5分程の場所にある「あわぎんホール」で選抜阿波おどりと呼ばれる有料舞台公演、前夜祭が行われる多目的コンベンション施設である「アスティとくしま」などでも公演が行われています。
踊るのは「連」と呼ばれる阿波踊りのチームで、阿波おどり振興協会、徳島県阿波踊り協会等に加盟する「有名連」は特に人気・知名度も高く、精力的に活動を行っています。その数は有名連で34組あり、協会等に加盟していない連や市外の連もあるので、具体的な連数は不明であるものの、およそ1000はあるとも言われています。

騒き[ぞめき] 阿波おどり特有の鳴り物の音や二拍子のリズムの総称として用いられる。元の意味は「うかれて騒ぐこと、(遊郭などを)ひやかして回ること」。

 

アスティとくしま

今回、まずは無料公演の行われていた、アスティとくしまへ足を運びました。無料ではあるものの予約による優先入場と当日受付があり、当日受付の場合は代表者の氏名と連絡先を記入しての入場チェックが行われました。場所が市の中心部から少し離れている(※1)こともあってか、客席は4分の3が埋まる程度。屋内ということで空調の効いた場所で快適に観ることができます。

ここでのお目当ては、私自身が阿波踊りに魅了されるきっかけとなった有名連のひとつ「阿呆連」の踊り。その魅力といえばやはり「奴踊り」(写真左下)。ゆかたの裾を持ち、両腕を広げて奴凧のように踊る振りのことで、阿呆連の持ち味でもあります。
動画を拝見した際にその美しさに惹かれ、徳島を訪れたらぜひ一度観たいと思っていた夢を叶えることができました。写真に収めることもできたので感無量です。

(※1)アスティとくしまへは、徳島駅より路線バス33系統で17分程度。文理大学前バス停下車。

アミコドーム

徳島駅前のペデストリアンデッキ上にあるアミコドームは、駅についたらすぐ観れるアクセスの良さが魅力。出演する連の告知は現地での掲載のみだったようで、行ってからのお楽しみ。100席分確保された客席は、見物客で埋め尽くされ満席状態でした。

18:00になるといよいよ本祭が開催されますが、誰かが号令を出すまでもなく、街中に突然鳴り物の音色が一斉に鳴り出します。同時にお客さんの数も増え、ボルテージが急上昇!

阿波おどりでは6箇所の無料演舞場(両国本町演舞場新町橋演舞場新町橋東おどり広場両国橋南おどり広場アミコドームシビックセンターさくらホール)と2箇所の有料演舞場を中心に、さまざまな連が踊りを披露します。

阿波おどりの魅力といえば、本場の阿波踊りを観れること、各連の個性的な踊りに魅了されることはもちろんですが、その中でもスター踊り子(※3)と呼ばれる踊り手さんを間近で観れるのはとても貴重。ユニークな衣装がとても印象的なこちらの本家大名連は、阿波踊りの始祖とされる蜂須賀家政公に扮した清水理連長が名物で、スター踊り子のひとりに数えられています。

出演する連がどこの演舞場に出るかは、各連のSNSなどで情報を発信しているので、気になる連はフォローなどをして事前にチェックしておくと良いでしょう。

(※3)徳島を中心に活動する踊り手の中でも、特に知名度も実力も高いとされる踊り手のこと。

双六こちらは苔作調の連としても知られている「双六(すごろく)」

また演舞場以外にも、路地裏の広いスペースがあるところでも踊りが行われており、こちらは「苔作調」と呼ばれるいわゆるストリートで活動する連で、二拍子が基本とされる正調踊りとは対象的に、一拍子で勢いよく踊るのが特徴です。

正調と苔作の違いはこちらの記事も併せてチェックしてみてください!

藍場浜演舞場

「無料で気軽に見れるのもいいけど、落ち着いて桟敷席で見たい」という方には有料演舞場もあります。
2箇所あるうち最大規模となるのがこちらの「藍場浜(あいばはま)演舞場」。通年と比べて約4分の3に縮小はされているものの、約3800人収容可能な桟敷席はたくさんの人で賑わっていました。

南内町演舞場

もうひとつの有料演舞場となるのが「南内町(みなみうちまち)演舞場」。藍場浜から新町川を東へ行った場所にあります。こちらは藍場浜より少し規模は小さいですが、そのぶんより近くで観られるのが魅力となっています。

この日はお目当ての連が南内町に多く集まるということで、完全に入り浸ってしまいましたが(笑)日中にも観た阿呆連の奴踊りに2回目の感動を覚え、白黒基調の浴衣がとてもシックな藝茶楽(げじゃらく)は名物の奴凧踊り「黒龍奴」のアクロバティックな踊りが見応え抜群!
また、うちわか提灯を持って踊ることが多い阿波踊りにおいて、男踊り・女踊りともに扇子を持って踊る阿波扇(あわおうぎ)は、華麗な扇さばきがとても美しく観るものを魅了します。
そして連員数が徳島最大で根強いファンも多い娯茶平(ごぢゃへい)。三大正調(※4)の中でも緩やかなテンポで踊るのが持ち味。網打ちと呼ばれる振りと、モモと呼ばれる女ハッピの元気でキュートな踊りが名物となっています。2020年の阿波踊りネクストで先代連長である岡秀昭氏の踊りは観ることができましたが、娯茶平全体での踊りは2019年から3年ぶりということで、待ちに待ったリアルの娯茶平はその規模も美しさもまさに圧巻でした!

(※4)阿波踊りの三大正調には、元気にテンポよく踊る「のんき調」、豪快で迫力のある武士の踊りと称される「阿呆調」、スローテンポで渋みのある地を這うような「娯茶平調」があります。

そして、阿波おどりの締めくくりははなんと言っても、阿波おどり振興協会所属連による総踊り。15ある連の踊り手・鳴り物総勢1000名が一斉に演舞場を行脚する、阿波おどりの締めくくりに相応しい名物となっています。
鳴り物のオーケストラも音が増えることで音圧が何倍にも上がり、女踊りは各連の美しい衣装で彩られ、男踊りは各連横一列で各々の個性を際立たせながら踊る姿は圧巻の一言です。

阿波おどりを引き立てる露店とグルメ

阿波おどりの露店とグルメ

祭りといえばやっぱり欠かせないのが屋台グルメ!阿波おどりでも例外なく、藍場浜〜南内町の新町川沿いを中心に露店がズラーッと並んでいます。
お店はだいたいドリンクと、1本の大きさがジャンボサイズの焼き鳥屋さんが多く目立ちました。
食べる場所については、お店によってイートインスペースを用意していましたが、川沿いに公園や広場もありますので、購入場所によって決めるでも良いでしょう。また18:00の開催時間以降は人が通るのがやっとなくらい混雑しますので、落ち着いて飲み食いするなら開始前の16〜17時台を狙うのがベターです。

まとめ

中止、縮小開催を経て3年ぶりの通常開催となった阿波おどり。
私自身もその美しさに魅了されて2年ばかり。2020年に行われた阿波おどりネクストにも訪れておりましたが、日程の関係でお目当ての連が観られなかったりと、いつかリベンジを・・・!と思っていたところ、ようやく憧れのここ徳島の地で、本格的な阿波おどりを初めて体感することができました。

当初のイメージでは、1日中かけて街中で阿波おどりが繰り広げられているものだと思っていましたが、初めての方であれば阿波おどりの盛り上がりと雰囲気を楽しめる18:00〜の本祭を観るだけでも充分ではないかと思いました。
もし私のように好きな踊り手さんや連がいらっしゃるとかでしたら、お目当ての連の行動をリサーチして日中からから楽しむもアリ!

そして今回念願の阿波おどりを観て、やはり本場ならではの街のぞめき、各連の個性的な踊り、何を取っても憧れていたものばかりで、そんな光景が日常かのように繰り広げられ、夢でも見ているような気持ちになりました。
反省と悔いがあるとしたら、やはり見たいものが多すぎて、1日では回りきれなかったことでしょうか。ちゃんと楽しむには2〜3日は必要だと実感しました。

次回訪れるときは準備を万全にして、この憧れの地にまた戻ってきたいと思います。

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