フィルムにカラフルな絵柄が描かれる深川不動堂の月替りの御朱印
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。東京都の深川に成田山新勝寺の東京別院として建立された深川不動堂では、豊富な種類の御朱印を頂くことができます。ご本尊名と寺院名が記されたオーソドックスな御朱印の他に、関東三十六不動の御朱印、月替りの御朱印が準備されています。月替りの御朱印はフィルムにカラフルな絵柄が描かれます。
朱印帳にもオリジナリティーが溢れ、表紙を梵字が埋め尽くしています。
足を踏み外した大工の身代わりとなった成田山新勝寺のお守り札
深川不動堂では、御朱印や朱印帳の他にも多種多様の授与品が準備されています。成田山のお守りは江戸時代、成田山新勝寺の仁王門の再建に携わっていた大工の辰五郎が、足場から落ちたときに身に着けていたお守り札が身代わりとなって割れ、かすり傷なく助かったという逸話から、ご利益が期待されるようになりました。境内の中央の巨大な「わらじ守り掛け」には目を引かれます。
終戦後に再建、新築された新旧の本堂
深川不動堂は、江戸時代の元禄年間の1703年に、成田山のご本尊を江戸の深川に奉持し特別拝観したことに始まります。それ以来、「深川のお不動様」の愛称で親しまれています。江戸時代から数多くの参詣者が訪れた堂宇は、関東大震災や東京大空襲などによって繰り返し焼失しました。終戦後の1951年に千葉県の印旛沼沿いの龍腹寺の地蔵堂が本堂として移築され、現在は旧本堂となっています。
開創310年の2011年には、旧本堂の西に隣接して新しい本堂が造営されました。外周を「真言梵字壁」で囲まれる空間には、仏の力が漲っているように感じられます。
江戸の下町情緒が漂う「人情深川ご利益通り」
深川不動堂に公共交通機関を利用して訪れる場合の最寄り駅は、東京メトロ、都営地下鉄の門前仲町駅です。永代通りの出入口に接するように朱塗りの鳥居が建っています。
永代通り沿いの鳥居から深川不動堂に向かう参道は、「人情深川ご利益通り」と呼ばれています。
約150メートルの「人情深川ご利益通り」の両側には和菓子店、甘酒店、京漬物店、江戸小物店、宝飾品店などが軒を連ねています。
「人情深川ご利益通り」の鳥居から永代通りを渡ったところに店舗を構える門前茶屋では、「深川めし」など伝統の江戸前の味覚を楽しむことができます。
成田山新勝寺の東京別院として建立された深川不動堂の月替りの御朱印は、カラフルな絵柄が描かれとてもユニークです。江戸時代の元禄年間に開創されてから繰り返しの災禍に見舞われながら、現在は新旧2つの本堂が境内に建立されています。堂宇と永代通りを結ぶ参道の「人情深川ご利益通り」には、江戸の下町情緒が漂っています。