愛知・豊橋の祇園祭
愛知県の南東部に位置し、東三河地方の中心を成す豊橋市。江戸時代には吉田藩の城下町として、また東海道34番目の宿場町「吉田宿」として三河国内最大の都市を形成した土地です。この豊橋で、毎年7月第三金曜日から三日間を通して行われているお祭りがあります。「豊橋祇園祭」です!
今年は4年ぶりに例年規模での開催となり、7月21日から23日にかけて行われた豊橋祇園祭。その最終日、23日の様子をここからはご紹介します!
必見、笹踊り
豊橋祇園祭の中心地となるのは、吉田城の西側で背後に豊川が流れる吉田神社。素盞嗚尊(牛頭天王)を祀る神社で、東三河地方で発展した「手筒花火」の発祥の地としても知られています。手筒花火は豊橋祇園祭でも行われ、前日の22日に実施されていました。
打って変わって23日は、手筒花火とは一味違ったお祭りの魅力に出会える日。17時前の吉田神社へやってくると、境内にはたくさんの方が集まっています。
社殿の中で行われる神事。そろそろ外でも何かがはじまりそうな雰囲気です。
とここで社殿から後ろを振り返ると、赤い服を着た3名が参道を進んできます。笹踊りのご一行です!
笹踊りとは鎌倉時代から伝わるという祭礼の形の一つで、大太鼓一人と小太鼓二人の三名の若者が一組で踊ります。赤を纏った姿が目を引きますね。
社殿の前へと進むと、踊りが始まりました!
太鼓の音、踊りともに独特な光景で目が離せません。
時には飛び跳ねるような場面も!
お神輿行列の出発を前に、吉田神社社殿前で舞われる笹踊り!貴重なものが見れました!#豊橋祇園祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/b66plska3T
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) July 23, 2023
頼朝行列がお神輿と進む
笹踊りが披露されると、境内に置かれていたお神輿が出発の時を迎えます。お神輿の前で神職の方により祝詞が上げられました!
さあ、担ぎ上げられて出発です!豊橋の町を練り歩き、御旅所の素盞嗚神社を目指しますよ。
木々の生い茂る参道を真っ直ぐ進んでいきます。金色のお神輿が映えますね。
その後方からは、源頼朝公の登場です!このお神輿行列は「頼朝行列」と呼ばれているのも特徴的。吉田神社は頼朝公の崇敬が篤かったことから、頼朝公の行列を神輿渡御の行列で再現するようになったと言われています。
頼朝公の後ろからは、笹踊りも続きますよ。笹踊りは氏子各町の会所等でも披露されます。
街中へと繰り出してきた、頼朝行列。その先頭を行くのは獅子頭です。露払いをしながら進みます。
馬に騎乗し、歩みを進める頼朝公。凛々しいですね!
頼朝公の背後には、梶原景時や北條義時といった重臣の十人の武将も続きます。
そして行列の最後を飾るのはこの人、饅頭配り!沿道の方々に饅頭を投げ配りながら練り歩きますよ。このお饅頭を食べると厄払いになるそうなので、ぜひゲットしたいところですね。
17時に吉田神社を出発した行列も、町々を進んでいくと次第に夕日に照らされる時間に。
御旅所の素盞嗚神社が近づいてきましたが、ここで東海道を東へと進む行列。この通り沿いには吉田宿の本陣跡や江戸時代から続く飲食店等も立っています。
お神輿を迎えるものは?
お神輿の渡御ルートには氏子各町の会所があるのですが、そこでは驚きの方法でお神輿が迎えられます。なんと、花火で盛大な歓待を受けるのです!
さすが手筒花火が有名な豊橋祇園祭。お神輿の迎え入れにも花火が欠かせないのですね!
お神輿は歓待に応え、花火を向けられている間は上下に揺らし辺りを盛り上げます。
豊橋祇園祭の頼朝行列が各町の会所へやってくると、獅子による露払いが行われます。そしてその後には、花火での盛大なお神輿のお出迎え!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/x2stUUufbj
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) July 23, 2023
日も暮れかかった18時頃になり、御旅所の素盞嗚神社へ行列が到着しました!
ここでも盛大に花火でお出迎えされるお神輿。
どんどん花火が向けられていきます。これは見どころですね!
最後の最後までパチパチと盛り上げる花火!
花火の歓待が無事終了すると、鳳凰が外されお神輿は素盞嗚神社の中へ。
そのまま社殿の前へお神輿が安置されました。
ここで御旅所での神事が執り行われていきます。
神事が終わると、再び登場したのは笹踊り!
御旅所でも踊りが披露されました。
御旅所の素盞嗚神社でも笹踊りを見ることができました!#豊橋祇園祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/Jbt62Kq6Gi
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) July 23, 2023
アクセス
■豊橋駅まで
・名鉄名古屋駅から名鉄名古屋本線快速特急で49分
・浜松駅からJR東海道本線で32分
■豊橋駅から吉田神社まで
・豊鉄市内線(路面電車)で駅前駅から札木駅まで12分、下車後北へ徒歩で7分
・徒歩で18分
歌川広重の東海道五十三次(隷書版)にも描かれる豊橋祇園祭。毎年7月第三金曜日から三日間、開催されていますので、手筒花火をはじめ、頼朝行列や花火に歓待されるお神輿を見にぜひ来てみてください!