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三重県津市で巨大な和船山車、唐人も踊る!2023年「津まつり」は10月6日から!見どころを徹底予習!

2023/10/4
2023/10/4
三重県津市で巨大な和船山車、唐人も踊る!2023年「津まつり」は10月6日から!見どころを徹底予習!

三重県の県庁所在地、津市。城下町として栄えた古い歴史を持つこの街で、毎年10月に市民あげて盛大に行われるお祭りが「津まつり」です。2023年は10月7・8・9日の3日にわたって開かれます。
そこで今回は、津まつりを徹底予習!盛りだくさんの見どころや、お祭りの歴史などについてご紹介します。

(2023年10月3日編集部更新)

津まつりの始まりと歴史は?

津まつりは、元々は「八幡神社祭礼」と呼ばれた祭りで、江戸時代初期の寛永年間に始まりました。
初代津藩主・藤堂高虎を継いで第2代藩主となった藤堂高次が、1632(寛永9)年に八幡宮を現在の地に移し、新社殿を造営。寛永12年には、毎年祭礼が行われるようにと八幡宮に銀子10貫目を寄付し、保護・奨励したため、祭りが盛大に行われるようになりました。

当時は神輿の行列に、群衆が囃し踊る風流(ふりゅう)行列が続き、参加者は総勢1,750人にものぼったといいます。「風流」とは派手で奇抜で華やかなものを良しとする美意識のことで、町ごとに大名行列や仙人、山伏の物真似など趣向を凝らした行列で練り歩いたそうです。

江戸時代後期になると、曳き屋台の上に能役者の人形などを載せた山車(だし)行列が主流になり、その賑やかな様子は、京都の祇園祭や江戸の山王祭にも劣らないほどだったそうです。

その後、明治時代以降はからくり人形の豪華な山車や芸妓踊りなどに主役が移り、大正時代には各町の行列が囃子方をともなうせり上げ式の山車に変わるなど、華やかさを極めました。商店街もみな閉店して祭りに参加して観音境内にはたくさんの露店がひしめき、各家庭では鰯寿司や煮しめ料理を作って祝ったそうです。

しかし、戦争により山車や屋台がすべて焼失してしまったことで、スタイルが大きく変化。昭和43年以降は「津まつり」として開催されるようになり、大名行列や市民総おどりなどが新しく加わりました。
そして現在は、かつての山車と行列を彷彿とさせる巨大な和船山車「安濃津丸」と大パレード、新旧の郷土芸能の数々が堪能できる人気のお祭りへと発展を遂げています。
では、ここからいよいよ津まつりの見どころを紹介していきましょう。

最大の見どころ!大パレード

現在の津まつりの最大の目玉は、国道23号線やフェニックス通りを練り歩く「大パレード」。10月9日の10:00から、市内小中学校のマーチングバンド、幼稚園・保育園によるお神輿、よさこい踊り、郷土芸能など46団体がまさに市民総出で続々と練り歩き、街は熱気に包まれます。
中でも最も注目なのは、荘厳な武者行列の「高虎時代絵巻」、巨大な和船山車「安濃津丸(あのつまる)」でしょう。

◎初代藩主・藤堂高虎の「高虎時代絵巻」

「高虎時代絵巻」は、1608年に初代藩主・藤堂高虎が安濃津に入城したことを題材にした武者行列です。公募による参加者が鎧・兜をまとい、藤堂高虎公とその家臣団に扮して、当時の勇壮な様子を再現しパレードに参加します。

見ている人たちまで江戸時代にタイムスリップしてしまいそうなムードに溢れた行列ですが、主役となっている藤堂高虎とはどんな人物だったのでしょう?詳しく知りたい方はぜひ下記の記事もあわせてチェックを!

◎祭りのシンボル・和船山車「安濃津丸」

日本最大級の和船山車「安濃津丸」は、津市のふるさと創生事業の1つとして市民のアイデアをもとに作られ、平成3年に完成しました。市民から募集して決定した安濃津丸という名称は、かつて津市が「安濃津」と呼ばれていたことにも由来しているそうです。

全長13メートル、幅・高さそれぞれ4.5メートルの立派な船を、赤と紫2色の荘厳な西陣織の幕やカラフルな吹き流しが鮮やかに彩ります。後部には、豪華な西陣織の「見送り」も。さらに津まつり当日は、著名人が「一日船長」を務め、祭りを盛り上げます。

ただ残念なことに、密を回避するため2022年は「安濃津丸」の大パレードへの参加は中止となりました。来年はぜひその雄姿を見たいものですね。期待して待ちましょう!

新旧の郷土芸能の共演は必見

津まつりには、地域の発展や文化振興、地区の神事などのために技を伝承し磨いている郷土芸能の団体が16団体も登場します。そのうちの数団体は10月8日の朝から行われる津八幡宮の祭礼で演舞を奉納。そしてすべての団体が大パレードや、A~Kまで11の会場のうち半分以上に設けられたステージや演舞場などで演奏・演技を披露します。

◎しゃご馬

津を代表する貴重な伝統芸能といえば「しゃご馬」です。かご馬の中に入り、面とかつらを着けてほら貝・陣太鼓・錫杖に合わせて踊り、駆け回って驚かすしゃご馬は、津市の無形民俗文化財に指定されています。

 

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江戸時代初期から魔除けの神事として行われてきましたが、当時は鎧を着た騎馬武者姿でした。明治・大正・昭和初期には鎖かたびら風の刺し子襦袢を着た姿となり、現在は陣羽織を着ています。明治期までは津市近郊の一部の村落で見られたそうですが、今は津市以外では見られなくなり、市民に深く親しまれています。

◎唐人踊り

「唐人踊り」は、異国情緒あふれる衣装をまとい、おどけた面をかぶった行列が独特の踊りを披露するもので、三重県の無形文化財に指定されています。
江戸時代に朝鮮から幕府に派遣された使者「朝鮮通信使」を模したものといわれていて、津まつりの前身である八幡神社の祭礼の出し物として約360年以上前から行われていました。

 

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笠をかぶり喜怒哀楽を表す面をつけ、黄・白・赤色の上着を着て、虎の縞模様のズボンとわらじを履いた人々が、ラッパや笛、鉦や太鼓の囃子に合わせて街を練り歩きます。
両腕を胸の前に置き、天を仰ぎながら跳ねるように前進し、両腕を広げて腰をかがめた後、跳ねるように後退するコミカルな踊りで、「歓喜踊り」とも呼ばれています。

◎獅子舞・囃子・太鼓

八幡獅子舞

金色の獅子頭が華やかな伝統ある獅子舞です。1635年に祭礼の行列で神輿の先に立ち、魔除けとして登場したのが始まりといわれています。入江和歌囃子と共に、津市指定無形民俗文化財に指定されています。

入江和歌囃子

山車の上でひょっとこの面をつけた人が「釣り踊り」を踊ります。踊り手が振る「ばれん」は神事のお祓いを意味し、「神楽」が発祥といわれています。

高虎太鼓

1973年に津青年会議所の記念事業として発足されました。「築城の名手」といわれた津藩主・藤堂高虎の功績を紡いだ楽曲演奏を中心に活動してきましたが、現在は会員自らが手掛けた創作和太鼓も披露しています。

◎安濃津よさこい

多彩な伝統芸能と一緒に新しい芸能も楽しめるのが津まつりの良いところ。「安濃津よさこい」は、津青年会議所が主体となって平成10年の津まつりから始めた踊りです。北海道札幌市のYOSAKOIソーラン祭りや、本家・高知市のよさこい祭りを参考にしたもので、年齢・性別等に関係なく、誰でも参加できる催しものです。

歴史は浅くとも、今では参加者が50チーム・約2,300人にのぼるほど大きく発展。津まつりでは7か所の演舞会場で、熱く華麗な演舞を堪能できます。

津まつりは今週末開催!

今回は、10月6日(金)に前夜祭、7日(土)・8日(日)に本祭が盛大に行われる津まつりをご紹介しました。

津藩主・藤堂高次が祭りを奨励してから間もなく400年。絢爛な山車行列が豪華を極めた時代もあれば、戦火で山車や曳き屋台のすべてを失うという苦難の歴史もありました。それでもすべてを乗り越え、形を変えながら受け継がれ、大切に守られてきたお祭りです。

津の人々の郷土を愛する熱い思いも伝わってくる「津まつり」。その熱気を体感しに出かけてみてはいかがでしょうか。

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トップ写真提供:津市観光協会

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