宇都宮市に伝わる「黄ぶな」の伝説に因んだ特別御朱印
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。一般的な御朱印は寺社名と参詣した期日が記載されるだけのシンプルなものですが、季節や言い伝えをデザインした御朱印を頒布するところもあります。栃木県の宇都宮二荒山神社では、「黄ぶな」に因んだ特別御朱印を頂くことができます。宇都宮市では昔、天然痘が流行った時に、市の中心部の田川で黄色いフナが釣れ、病人がその身を食べたところ完治したという伝説が伝わっているのです。それ以来、張子の「黄ぶな」が宇都宮市の人気の郷土玩具となりなした。
授与所に準備される種類豊富なお守り
宇都宮二荒山神社で御朱印が頂けるのは、拝殿の西に建つ社務所のロビーの窓口です。社務所の玄関に隣接する授与所では、種類豊富なお守りなどの授与品が準備されています。
古墳時代に創建されたと伝わる宇都宮二荒山神社
宇都宮二荒山神社の創建は古く古墳時代にまで遡ります。仁徳天皇41年、毛野国が下野国と上野国に分かれたときに、下野国国造に任命された奈良別王(ならわけのきみ)が豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)を御祭神として祀ったことに始まると伝えられています。「下野国一之宮」と呼ばれることが多く、イチノミヤが訛って宇都宮という地名になったと言われることもあります。二荒山神社を中心として宇都宮は門前町として発展しました。JR宇都宮駅から市の中心部を西に走る大通り沿いに建つ大鳥居から明神山に向かって社殿が整備されています。高さ約9.7メートル、直径約90センチの大鳥居の柱には樹齢400年前後の栃木県産のケヤキが使われています。
明神山の山頂に建造される社殿
大鳥居を潜ると95段の石段を上って明神山の山頂に向かいます。石段の最上部では神門が参詣者を出迎えてくれます。切妻造り銅板葺の四脚門の屋根は唐破風で装飾されています。神門を潜り石畳の道を進むと拝殿の正面です。入母屋造り銅板葺の社殿には、落ち着いた雰囲気が溢れています。拝殿の裏には三間社神明造りの本殿が繋がっています。
拝殿の前に広がる境内には、江戸時代の中頃から神楽の演舞が行われてきた神楽殿が歴史感を漂わせています。境内の西の明神の井の湧き水は、江戸時代には宇都宮名水「七水」に数えられていたものです。
ご当地グルメ宇都宮餃子の激戦区
宇都宮二荒山神社が社殿を構える明神山には神聖な雰囲気に包まれていますが、東の山裾では連日熱い戦いが繰り広げられています。大通りの一本北の宮島町通りは、餃子通りと呼ばれています。通りに沿って数多くの餃子店が軒を連ね、ご当地グルメの宇都宮餃子の味を競っています。食事時間でなくても、どの店舗の前にも長い行列が繋がります。
宇都宮駅市の中心部を東西に走る大通り沿いに社殿を構える宇都宮二荒山神社は、古墳時代に創建されたと伝わります。社務所では特別御朱印が頒布されることも多く、市内に伝わる「黄ぶな」の疫病退散の伝説に因んだ特別御朱印は、ユニークなデザインです。