※2021年は新型コロナウイルス蔓延の影響で内容を変更し、関係者の健康管理・感染防止対策には万全を期しながら開催することとなりました。2021年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。(2021年1月17日 編集部)
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2021年1月17日 編集部更新)
◆若草山焼きの起源は幽霊?!
「鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)から幽霊が出る」。
鶯塚古墳は若草山三重目の頂上にある前方後円。
幽霊が悪さをしないようにと山を焼く民間の風習があり、東大寺が何度も延焼の危機にあったため、江戸時代末期ごろから東大寺、興福寺、奈良奉行所が立ち合い、山を焼くようになりました。
幽霊の霊魂を鎮め、防火や平和を祈る春日大社・興福寺・東大寺合同による神仏習合の祭礼です。
◆花火の火付け役は奈良県民
毎年1月第四土曜に行われる「若草山焼き」。
新日本三大夜景にも数えられる若草山は奈良公園の東の端にあり、標高は342m、面積33haの山です。
若草山焼き 公式WEBより
古奈良・篠原村(現・五條市大塔町)の木地師一党の集落に生まれた、鍵屋弥兵衛という人。幼少期から花火作りに長けていた彼は、五條の火薬製造所での奉公を経て、江戸に上がり日本橋で小さな花火屋を構え、それが、1659年から現在も続く「鍵屋」の始まり。
有名な隅田川花火大会も、亨保17年(1732)に起こった大飢饉と疫病で亡くなった人々の慰霊と悪病退散を祈って行われた水神祭で打ち上げられた20発の花火を由来としているそうです。この時の花火こそが「鍵屋」による立火と仕掛け花火。大和魂が今なお息づく美しさです。』
◆奈良県最大級「奈良礼賛大花火」約600発の花火があがる!
「2020年の新作花火を日本の各地から集め、花火マニアには見応えがある」という若草山焼きの花火。
若草山焼きの撮影スポットは、奈良公園・若草山のふもとをはじめとした浮雲園地、西ノ京の池若草山山麓、平城宮跡などがあります。
ポスターなどでは山焼きと花火が一緒になった写真をみかけますが、実は画像は合成。山焼きと花火は同時に行われず、花火が終わると山焼きが始まります。
花火と一緒に遠景で観光スポットを撮影したい場合、前日から場所取りをする方もいらっしゃるようです。
山焼きの行われる奈良公園は広いので「はげやまになっているところ」を目当てにするとわかりやすいです。山焼きや花火を見るだけでしたら場所取りをしなくても若草山のふもとにお散歩がてらにふらりと来ても十分見られます。
若草山焼きスケジュール(2020年度)
※2021年度は新型コロナウィルス蔓延の影響で、内容が大幅に変更となっています
詳しくは公式HPをご確認ください
◆鹿せんべい飛ばし大会(12:00~14:30)
◆三社寺(春日大社・興福寺・東大寺)にゆかりのある温食(13:00~19:00)
◆音楽奉納(15:45~16:30、18:30~19:00)
◆若草山焼き行事
16:45 御神火奉戴祭
17:05 聖火行列出発
17:15 松明点火
17:40 野上神社祭典
18:15 大花火打ち上げ
18:30 山焼き一斉点火
◆初めての花火撮影でも簡単にできる撮影方法
今回は花火カメラマン「花火の心得」蛭田眞志さんに簡単にできる花火の撮影方法を教えていただきました!
~初心者向け・花火の撮影方法~
花火撮影の準備・持ち物
・24-70mmレンズ (狭い場所からや、広く撮りたい場合は16-35mmを用意)
・NDフィルター ND4
・三脚 (重くて背の高い三脚だとなおよい)
・レリーズ
セッティング
・水平をとって縦構図にする(花火だけ撮る場合)
・レンズの手ブレ補正とAFを切る
・ピントは筒場(花火が打ち上がる場所)を10倍拡大して合ってるか確認する
カメラの設定
・ISO100
・F8スタートでスターマイン(連続花火)のみF13などに変更
・B バルブ撮影
・花火が打ち上がる時から終わるまでレリーズを使い押し続ける
・基本的に構図は変えない(あとでトリミング)
・色温度は蛍光灯スタートで好みでK(ケルビン)を変える
蛭田さんから一般の人は通常、見ることのない貴重な本日の花火のプログラムも見せていただきました。しかし書いてある内容が全く分からない…。
プログラムを見て、花火の名前や花火師さんの名前で、どのくらいの間隔で撮影するなど、事前イメージをするために必要なのだそうです。
「ピントは『筒場(つつば)』に合わせる」という花火があがる場所を「筒場」というのも初めて知りました。
全部、セッティングしていただいて、私は「レリーズは一つの花火が上がるところから終わりまで」という教えにより、シャッター切っただけ。
とはいえ、人が多くなりすぎて花火が見えなくなりそうになり、少し移動。
すでに暗くなっていたのと花火も始まったため、ピントをきっちり合わせる心の余裕もない。
また今回は花火と花火の間の間隔が狭いプログラムだったそうで、最初はレリーズに力を入れすぎてスイッチが凹んだり、長く押しすぎて明るくなりすぎて花火が真っ白だったりとトラブル続出。SDも速度が速いものを使わないと、全然撮影できた花火のチェックが出来ないのも焦りました。
でもそんな普段と違う撮影方法で混乱したものの、花火カメラマンに教えていただいただけあって、現像してみると綺麗に撮れていて大感激!
次の奈良での花火は「なら瑠璃絵」の奈良公園バースデー花火。奈良公園140回目の誕生日のお祝いの花火があります。
これはまた花火撮影しにいかねば…!
花火のある日はお昼に大立山まつり「奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり」も開催されています!
夜はその平城宮跡から花火も一緒に撮影可能です!
若草山焼き
近鉄「近鉄奈良駅」 JR「奈良駅」より徒歩、またはバス市営循環2番「春日大社」下車
奈良県奈良市奈良公園内 若草山一帯 map
TEL.0742-27-8677 FAX.0742-22-7832
URL:若草山焼き