※2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響で諸行事は中止(神事のみ開催)となりました。2021年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。(2020年11月6日 編集部)
冬の訪れを感じさせる11月ですが、毎年この月に開催されるお祭りが「酉の市」です。
よく名前を聞くのは三大酉の市と呼ばれている浅草の鷲(おおとり)神社、新宿の花園神社、府中の大國魂神社ですね。
実は酉の市は関東を中心にさまざまなところで開催されており、横浜もその一つです。その中でも横浜最大級なのが金刀比羅大鷲神社で行われる酉の市です。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年11月6日 編集部更新)
今回は横浜・金刀比羅大鷲神社で行われる酉の市にスポットを当てて紹介していきます。
横浜・金刀比羅大鷲(ことひらおおとり)神社の酉の市の概要
酉の市は毎年決まった月に、日を分けて開催されます。2019年の開催日や時間、開催場所はどのようになっているでしょうか。
そもそも酉の市とは
酉の市とは毎年11月に鷲や大鳥など鳥の名前にちなんだ神社を中心に行われ、今年の無事や来年の幸福を願い、商売繁盛を祈願するお祭りです。名前にもなっている酉は十二支のトリを指し、干支のように毎月日ごとに決まっている12種の動物の日から「酉の日」を選んで行われます。年に2、3回酉の市が開かれますが、酉の日は毎年変わるため注意が必要です。
起源については、仏教と神道で異なる説があります。
仏教では、日蓮が1235年の酉の日に鷲妙見大菩薩(わしみょうけんだいぼさつ)が鷲の背に乗って現れるのを見たのが起源となっています。その際に、国の平安を明るく占うような金星が光輝き、以来酉の日に祭りを開催するようになりました。
神道では、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東夷遠征の際に、勝利を祈願して埼玉県・久喜市の鷲宮神社にお参りしたことが起源になっています。無事遠征を終えた後、彼は熊手を持って鷲宮神社にお礼参りしました。それがきっかけで酉の市では熊手が売られるようになったそうです。
商売繁盛を願って行われる酉の市は縁起物として飾られる熊手は、その形から「福をかき集める」といった意味が込められています。商売繁盛や幸福を祈願し、おかめや招福で飾った縁起熊手を購入して家に飾ります。価格も500円ほどのお手軽なものや、数百万する大掛かりなものまでさまざまです。最近では出世を願うサラリーマンの購入者も増えたようです。
日時
※2020年は神事のみ。熊手商も屋台も出店されません。
その年によって開催日の数が変わる酉の市ですが、2019年の開催は2回です。
・一の酉 11月8日(金)
・二の酉 11月20日(水)
両日とも屋台の出店時刻は11時~23時の予定です。
アクセス
開催会場である金刀比羅大鷲神社は駐車場がなく、酉の市開催日は道路が混雑する恐れがあるので電車で行くことをオススメします。
【電車】
・横浜市営地下鉄ブルーライン「阪東橋駅」より徒歩5分
・JR京浜東北根岸線「関内駅」より徒歩15分
混雑情報
2019年の開催は平日なので、昼間の場合はそこまでの混雑は予想されません。参拝もスムーズにでき、屋台もゆっくり見て回れるでしょう。
夕方になるにつれ人出は増えてきます。特に18時以降は、仕事を終えた近隣に住んでいる人が家族と来ることが多く、阪東橋駅から金刀比羅大鷲神社までの道は混みあってきます。
また、電車で訪れる人が多いので、帰宅の時間になると電車がちょっとしたラッシュになります。
都内の酉の市は深夜まで開催しているところもありますが、金刀比羅大鷲神社の酉の市は23時頃に屋台も終わってしまうので、電車で帰宅する場合は混雑を覚悟するか、避けるために関内駅を利用するのもおすすめです。
横浜・金刀比羅大鷲神社の酉の市の特徴
都内の三大酉の市は60万人もの人が集まる大きな規模のお祭りですが、横浜の酉の市はどうなのでしょう?横浜金刀比羅大鷲神社の酉の市は、露店の数は三大酉の市に引けを取りませんが、来場者は都内に比べて少な目です。
実は穴場?ゆったりと散策できる酉の市
横浜金刀比羅大鷲神社の酉の市は都内の三大酉の市と比べ、来場者が少な目です。酉の市は関東を中心に全国で行われますが、開催日が同じなので自分がアクセスしやすい所に行く傾向があります。
そのため、新宿や浅草、府中といった都内の三大酉の市が約60万もの人が訪れるのに比べ、金刀比羅大鷲神社の酉の市は2日間で10万人ほどです。阪東橋駅から金刀比羅大鷲神社までの屋台が並ぶ道や境内はさすがに混雑しますが、それでも比較的ゆっくりと見て回れます。
きらびやかな提灯の数々!手作りの提灯が酉の市の夜を照らす
酉の市が行われている境内の夜は多くの提灯によって照らされます。
大きな鳥居を囲むように飾られた提灯は全て職人の手作りで、その数は数百にもなります。提灯は近隣町内の会社や店舗からの奉納で作られるので、それだけ地域に根付いたお祭りなのが伺えます。
眩い提灯と飾られた熊手、多くの屋台が並ぶ華やかな夜道は歩いているだけでも楽しくなります。
横浜・金刀比羅大鷲神社の酉の市の見どころ
横浜真金町
金刀比羅大鷲神社⛩酉の市
歌丸師匠の提灯もしっかり飾られていました。横浜橋通り商店街はじめ、一帯はずらりと屋台が並び、まともに歩けないほどの賑わい✨友人とたこ焼きやチーズダッカルビ、いちご飴・・・たくさん食べました💕娘にはピカチュウのみずぶえを買ってあげました💕 pic.twitter.com/nhOeKzDC0x— 大河原あゆみ@アナウンサー (@AyuO419) November 13, 2018
横浜最大の酉の市は横浜ならではといった見どころがあります。行くのが楽しみになる美味しい露店の情報やちょっとした豆知識を紹介します。
中華に韓国料理!本場の味を露店で楽しもう
露店の出店数は400を超え、たこ焼きや金魚すくいといった定番はもちろんのこと、中華系の方が多いエリアなので、中華系屋台やキムチ専門店のような国際的な屋台を満喫することができます。
横浜の商店街と言えばここ!隣接する横浜橋商店街で舌鼓
阪東橋駅から金刀比羅大鷲神社までの道中にあり、古き良き商店街の雰囲気を残したまま活気のある賑わいを見せるのが横浜橋商店街です。
この横浜橋商店街は惜しまれつつも亡くなった落語家、桂歌丸師匠が名誉顧問を務めていました。歌丸師匠の名前が書かれた提灯が飾られたり御朱印があるのは真金町の出身だからだそうです。
そんな活気のある横浜橋商店街は、酉の市になると商店街全体で祭りを盛り上げます。
酉の市限定のメニューを出すお店も多く、とある魚屋では酉の市に出した生牡蠣があまりにも美味しくて多くの人にツイートされ、ちょっとした話題にもなりました。キムチたっぷりの「トック」(200円)もオススメです。
横浜観光のついでに金刀比羅大鷲神社で酉の市を楽しもう!
秋の終りを感じさせるお祭りの酉の市ですが、横浜・金刀比羅大鷲神社では、その規模の割りにゆっくりと散策できるので穴場かもしれません。中華街やみなとみらいといった観光スポットも近いので、酉の市の前後に観光をしてからお祭りに参加するのもおすすめです。横浜ならではの酉の市を楽しんでください。