こんにちは!甲信越を愛する歴史好きライターのりかちゃんです。
今回は、山梨県富士吉田市で行われる「吉田の火祭り」の見どころをご紹介しようと思います!
吉田の火祭りは、富士山の裾野に位置し、富士登山の玄関口でもある山梨県 富士吉田市で毎年夏に行われるお祭り。幻想的な松明の炎と、世界遺産富士山のコラボが楽しめるお祭りは写真映え必至!!
そして…何を隠そう、私の主人は山梨県富士吉田市の出身。これは地元民ならではのディープな記事が書けそうだ!旦那氏、よろしく頼むよ!!
元:富士吉田市民が語る「吉田の火祭り」の思い出
早速、元:富士吉田市民で、富士吉田市民歴18年の旦那氏に、「吉田の火祭り」の見どころを聞いてみました。
旦那氏)え…吉田の火祭りの見どころ?松明がただ燃えてるだけだよ??
りか)…ええええ??????それだけ?
旦那氏)うん。あと、熱いね。
りか)そんなーーー!もっとこう、お祭りが近づいてくるとワクワクしたとか、神輿を早く担ぎたくてもどかしかった…とか、屋台のりんご飴が不味かったとか…そういうのあるでしょうよ!
旦那氏)う~ん…別にそんな思い出ないなぁ。
りか)そっかぁ…。
(心の声:使えねぇええええ!)
それもそのハズ。実は旦那氏の出身は富士吉田市の中でも「下吉田」と呼ばれる地域で、吉田の火祭りが行われる「北口本宮冨士浅間神社」の氏子は「上吉田」と呼ばれる地域で全然別なんだそう。例えるなら、調布と府中くらい違うみたいです。(分かりにくい!)
ちなみに、旦那氏の地元「下吉田」地区は「小室浅間神社」の氏子となるんだとか。全国各地に浅間神社は数多くあれど、同じ市内に2つも浅間神社が建立されているとは。。やはり富士山の麓は違いますね~。
* 上吉田:北口本宮冨士浅間神社 ⇒ 通称「上浅間」
* 下吉田:小室浅間神社(旧称:冨士山下宮浅間神社) ⇒ 通称「下浅間」
地元の方には、このように親しまれています。「下浅間さん」と、さん付けで呼ばれたりすることもしばしば。いかに浅間神社への信仰が身近なものであるかがお分かりいただけるかと。
ちなみに「下浅間」のお祭りは秋に流鏑馬が行われたりしていますが、これについてはまた別の機会に。
…ということで、のっけから旦那氏情報が役に立たなくなってしまったので、、気を取り直して見どころをご紹介したいと思います。(とほほ)
吉田の火祭りってどんなお祭り?
吉田の火祭りは、富士山の登山シーズンに終わりを告げるお祭り。富士山のお山じまいの祭りとして毎年8月26日、27日に行われます。日本3奇祭、日本10大火祭りにも数えられており、北口本宮冨士浅間神社とその摂社である諏訪神社のお祭りで、古くからこの地に根付く富士山信仰に基づいています。
同じ境内に2つの神社があり、どちらもとっっても素敵な神社なので是非一度足を運んでほしいです!変に観光地化されていなくて厳かな雰囲気。
<北口本宮冨士浅間神社>
<諏訪神社>
御朱印をいただいて来ました~!「吉田の火祭り」との記載がありますね。
境内のご神木からもパワーを貰えます!巨木!!
【北口本宮冨士浅間神社】
HP:https://www.sengenjinja.jp/index.html
アクセス:富士急行線「富士山」駅よりバス(山中湖・三島・御殿場方面)「浅間神社前」下車
駐車場が8ヶ所ありますので、自家用車で行くのが便利です!
「御師(おし)」が住む町、氏子である上吉田地区
先ほど北口本宮冨士浅間神社は「上吉田地区」を氏子としているとご紹介しましたが、実はこの地域は富士山信仰と密接な関係があるんです。
昔から上吉田地区には「御師(おし)」と呼ばれる、富士山信仰をする上で重要な役割を果たした人たちが住んでいました。御師たちの住宅は、仏教で言う宿坊のようなもの。
また、御師は単に宿の提供だけでなく、富士山信仰に関する教義の指導や祈祷なども行い、富士信仰の全般をお世話していました。
<現存する御師住宅>
こちらの写真の他にも古い趣を残す御師住宅が上吉田地区にはたくさん残っています!巡りたい。
ちなみにこんなガイドツアーも行われていますので、興味のある方はぜひ~!
改めてご紹介!「吉田の火祭り」の見どころ
富士山信仰に基づいたお祭りであることが分かったところで…吉田の火祭りの見どころを気を取り直してご紹介して行きます!
①お神輿の形に注目!神輿渡御
明神型神輿と富士山型神輿の全くデザインの異なる2つのお神輿が出るのが、吉田の火祭りの特徴。お神輿が富士山の形…さすがは富士山信仰のメッカである浅間神社のお祭りですね。
▼明神型神輿
▼富士山型神輿
富士山型のお神輿は渡御の途中で3回地面に打ち付ける…という場面がありますので、見逃さないようにしましょう!
ちなみに…渡御の途中で神輿を打ち付けるのは御旅所の前。火祭り当日は富士吉田コミュニティセンターが御旅所となりますので、こちらでカメラを片手に、お神輿を待ち構えているのも良いかも…!シャッターチャンスを逃すなっ!
【当日の御旅所】富士吉田市 上吉田コミュニティセンター
②幻想的な世界がそこに…松明点火
神輿渡御が終わり、辺りが暗くなってきたところでいよいよ松明に点火です!この松明、お祭りの始まる1ヵ月以上前から制作を進め、当日は80本以上の松明が参道に所狭しと並べられます。富士山のシルエットと松明の炎…なんとも幻想的な光景です!
松明が燃え尽き、炎が消えゆく様もまた美しい…
ちなみに松明には2種類ありますので、その形にも注目してみて下さいね!
* 筍形(高さ約3メートル)⇒ 主に企業が奉納する松明
* 井桁 ⇒ 家毎に組まれた松明
…とまぁ、これだけ巨大な松明ですので、当然火の粉も飛んでくる可能性大!地元の人の間では「一張羅は着て行くな」と言われているんだそう。おめかしして行かないことをおススメします!
⇩ ドローンで空撮している動画を発見!これ見てるとお祭り気分アガる~~!!
と、こんなにゴウゴウと燃えていて「周りの家は火事になったりしないの?!」と心配になる方もいるでしょう。
ご安心あれ。屋根に松明の火の粉が降りかかることもありますが、これまでに一度の火事も起こしたことはないと言われているんです。
むしろ、松明の燃えた後に残る炭は「オキ」と呼ばれ、火防のご利益があるとか。
ちなみに、北口本宮冨士浅間神社のホームページには…
※「オキ」の持ち帰りには作法があり危険も伴います。希望者は各人の責任でお願いします。
※引用元:https://www.sengenjinja.jp/himatsuri/index.html
との記載が!
炭(オキ)を持って帰りたい方は、自己責任となりますのでご注意を!!
まとめ
今回は、富士吉田市で毎年8月に行われる吉田の火祭りをご紹介しました。うちの旦那氏情報は、ちっとも役に立ちませんでしたが…(笑)
富士吉田市へは高速バスや電車を利用しても首都圏から2時間ほどと好アクセス!富士山は遠くから眺めてもキレイですが、麓から見る富士山はまた一層の迫力があります。
吉田の火祭りは、日にち固定のお祭りなので今年は開催が平日となりますが、少し遅めの夏休みor夏休み最後の思い出に、ぜひ足を運んでみて下さい!お祭りのクライマックスは松明点火後の夜の時間帯ですが、少し早めに来て周辺の街並みを楽しみつつ、神輿渡御の力強さもぜひ味わって欲しい見どころの一つです。
また、富士吉田市に来たら、是非食べてみて欲しいのがご当地グルメの吉田のうどん!こちらの記事でおススメを紹介していますので、合わせて読んでみて下さい♪
「吉田の火祭り」を行う、北口本宮冨士浅間神社にお願いして、神職さんに吉田の火祭りの見どころをインタビューした記事も!歴史や由来など、ディープな情報が知りたい方は必見です♪
吉田の火祭りに、「来らっせぇ!」
※トップ画像出典:wikipedia