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日本遺産のひとつ、世界が注目する“お遍路”で弘法大師ゆかりの善通寺の見どころとは?

日本遺産のひとつ、世界が注目する“お遍路”で弘法大師ゆかりの善通寺の見どころとは?

コロナウイルスの影響で、なかなか遠出ができない現在。「旅行に行きたくても我慢している!」「コロナ明けに向けて旅行先をリストアップしている!」なんていう方々が、多いのではないでしょうか?

そんな方々におすすめしたいディープ旅行体験が、四国の“お遍路”。実は近年、世界から大注目を浴びているんです。

今回はコロナ明けにいきたい“お遍路”と、その中でもさらにマニアックでお手軽、加えて知的好奇心をくすぐる“七ヶ所まいり”についてお伝えしていきます!

みなさんは、お遍路と弘法大師のふか〜い関係をご存じですか?

巡礼文化世界一!2022年のおすすめ旅行先ランキング6位の四国で体験する“お遍路”

お遍路とは、約1200年間、弘法大師とも呼ばれるお坊さん・空海が修行した88ヶ所の霊場を辿る巡礼のこと。巡礼文化として世界一の長さを誇り、阿波・土佐・伊予・讃岐(現在の四国)にまたがるその長さは、約1400kmとされています。春に参加者が増えるため、春の季語に用いられることも。

善通寺1

2015年には、文化庁から「地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化伝統を語るストーリー」として認められ、活用の支援などを受けられる、日本遺産にも認定されています。(※1)

ところでみなさんは、弘法大師・空海が、一体どんな方なのか、想像がつきますか?

空海は、本名を真魚(まお)といい、讃岐(香川)で生まれ、真言宗を開いたことで知られる僧。唐へ渡り、大陸文化を学び、天台宗を開いた最澄と共に、現代における日本仏教の基礎を築き上げました。

書の実力が非常に高く、良い道具でも悪い道具でも素晴らしい成果が出せる「弘法筆を選ばす」や、どんな大物でも間違いはある「弘法も筆の誤り」という、ことわざが今でも伝わっています。

善通寺11引用:https://www.zentsuji.com/

そんな空海が山岳修行時代に巡り歩いた霊跡が、現代も親しまれている“お遍路”。

道中で、険しい山道や、階段、のどかな田園地帯に、静寂の広がる海辺、岬など、四国に残る歴史と自然を体験できるのが特徴です。“お遍路”を辿る“お遍路さん”を迎えるお接待、回遊型の巡礼といった、世界に類を見ない独特な文化から、国内外問わず多くの方が供養や修行、自分探しなどの目的で“お遍路さん”となっています。

2021 年には、旅行ガイドブックで世界一のシェアを誇るロンリープラネットによる、“来年のおすすめ旅行先ランキング”が発表され、お遍路などの魅力から四国が見事6位にランクインしました。(※2)

ちなみに“お遍路”を昔ながらの徒歩で巡る際は、約40日かかるそうですよ。

88ヶ所が7ヶ所に!?空海生誕の地・善通寺などを巡る“七ヶ所まいり”

お遍路のなかには、重要な存在・空海が生まれたといわれているお寺が存在します。その名は善通寺。お遍路・四国八十八ヶ所霊場の75番の札所で、真言宗善通寺派の総本山です。

善通寺5

唐から帰還した空海が、自身が生まれた地に唐式の建物を建造。父の名前・善通(よしみち)からとって、善通寺と名づけられたのです。その後、西には誕生院と名づけられるお寺が建立され、別々の活動していましたが、明治時代に善通寺に統合されました。敷地の西には5つの山が聳え、荘厳な風景を誇ることから“屏風浦”とも称されています。

さて、“お遍路”の参り方の一つとして、古来より、空海とゆかりのある善通寺を含めた7箇所・第71番札所〜第77番札所を1日で参拝する、“七ヶ所まいり”という巡り方が存在します。

善通寺10引用:https://www.zentsuji.com/ohenro/nanakashomairi/

巡るお寺は、弥谷寺・曼陀羅寺・出釋迦寺・甲山寺・善通寺・金倉寺・道隆寺の7つ。

江戸時代に描かれた“四国八十八番寺社名勝”では、「足よはき人は、此印七り七ヶ所を巡れば、四国巡拝にじゅんずといふ」と、「足が悪い人などは、七ヶ所まいりを行えば、八十八ヶ所まいりと同じ効果がある」と紹介されているのです。(※3)

7ヶ所1日で、88ヶ所40日と同じ効果が得られる“七ヶ所まいり”。絶大な効果ですね。

また7ヶ寺にはご本尊と共に、七福神なで仏がお祭りされており、弘法大師と二人であることを意味する“同行二人”の信仰を持って巡拝すると、福運を授かれるといわれています。

“七ヶ所まいり”で楽しみたい!3つの体験をピックアップ!

大きなご利益が得られる“七ヶ所まいり”。今回は参拝にあわせて楽しみたい、3つの体験をご紹介します!

精進料理をフレンチで!?“ル ペイザン”

善通寺市にあるフランス料理店“ル ペイザン”。

善通寺8

このお店では、フレンチのコース料理でありながら、動物性の食材を使わず、野菜を中心にした料理・精進フレンチを提供しています。人が草を食べて栄養になり、人が肥やしを大地に返す。食の原点を追求したいという考えから提供されるフレンチは、絶品の一言。“七ヶ所まいり”の際は精進フレンチ“ル ペイザン”で、食にも気を使った参拝をしてみてくださいね!

予約ページ

甲山寺で、圧巻の作品に囲まれた特別な瞑想体験!

境内のさまざまな所にある、うさぎの意匠が特徴的な74番札所・甲山寺。

伝説では壮年の空海が、幼少のころ遊んだ甲山を散策していた際に老翁に遭遇したとされています。空海は老翁を、この地の洞窟に住む毘沙門天の化身と考え、「お寺の建立をすべし」というお告げのもと、お寺を建てたそう。

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こちらのお寺は、書家・岡本考平による襖絵“般若心経曼荼羅”を所有。36枚の襖からなるこの作品は、まるで異世界のような特別な空気感を生み出しています。

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これまで一般公開はされていませんでしたが、2021年より特別な瞑想体験の場として訪れることが可能に!住職のお話のもと、荘厳な空間で心を整えれば“七ヶ所まいり”がより深い体験となっていくこと、間違いなしですね。

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空海の生まれた地に想いを馳せる宿坊 善通寺・いろは会館

弘法大師・空海誕生の地、善通寺には、お遍路の方や遠くから参拝に来る方のため、宿泊施設“いろは会館”が存在しています。いろは会館があるのは、西院・誕生院の敷地内。お部屋はおもに和室ですが洋室も確保されています。窓から見えるのは、善通寺の境内。

善通寺9

“いろは会館”には、“大師の里湯温泉”という浴場もあるので、ゆっくり疲れを癒すことができます。

“七ヶ所まいり”が終わったら善通寺に戻り、“いろは会館”に宿泊する。これぞ通な、お遍路の参り方ですね!

予約ページ

おわりに

世界から注目されている“お遍路”、そしてそのディープな楽しみ方“七ヶ所まいり”。

古き良き日本の文化を残しながらも、新しい挑戦もしている“お遍路”、これからもさまざまな楽しみ方が生まれていくことでしょう。

コロナ禍が収束した際は、ぜひ足を運んでみてくださいね!

善通寺2

(※1)http://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story015/index.html#ancTabArea

(※2)https://nordot.app/843680087142105088?fbclid=IwAR1bV6H-VU-b6h_ALzmu72xxc4RezjwYNEMN_yWZzjErBq8SjJJWsRVs_zI

(※3)https://www.zentsuji.com/ohenro/nanakashomairi/

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
地域のお祭りやインタビュー、由来を調べるのが好き。いろんなお祭りを知りたいと思っています。

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