福井県小浜市で開催される「小浜放生祭」は、380年以上の歴史を持つ若狭地方最大の秋祭りであり、地域主体で継承されてきた伝統行事です。一方で、観光資源としての活用を考える際、外部来訪者にとっての「分かりにくさ」や「参加しにくさ」が課題となっていました。本事業では、小浜市および祭礼委員会と連携し、観覧と参加を組み合わせた体験プランを造成・販売。オマツリジャパンは、文化の価値を尊重しながら、来訪者との接点を設計し、持続可能な運営基盤づくりを支援しました。
<この記事のポイント>
・観覧と参加を組み合わせた体験設計を実現
・事前予約型で収益化と受入体制を両立
・文化を守りながら外部に開くモデルを構築
文化を活かした体験設計
(提供:小浜放生祭祭礼委員会)
小浜放生祭は、各区が主体となり演し物を巡行する地域密着型の祭礼であり、町全体が舞台となる構造が特徴です。一方で、この構造は来訪者にとって「どこで何を見ればよいか分かりにくい」「休憩場所が少ない」といった課題を生んでいました。

本取り組みでは、こうした課題に対し「文化を守りながら開く」という方針のもと、観光コンテンツの再設計を実施。まず「見る体験」として、町家など既存資源を活用した観覧プランを造成しました。落ち着いて鑑賞できる環境に加え、解説や飲料提供といったホスピタリティを付加することで、体験価値を高めています。
さらに「関わる体験」として、山車巡行への参加プランを整備。来訪者が地域の一員として祭りに関われる仕組みを構築し、単なる観光ではなく当事者としての体験を提供しました。
このように、既存の文化資源を活かしながら、「見る」と「関わる」を組み合わせた体験設計を行っています。
収益と受入を両立

本施策では、観覧・体験プランを事前予約型の商品として設計することで、受入体制と収益の両立を実現しました。事前予約により来訪者数をコントロールし、地域側に過度な負担をかけない運営が可能となっています。

また、町家など既存施設を活用することで、大規模な投資を伴わずに観覧環境を整備。地域資源を最大限に活かした持続可能な仕組みを構築しています。

さらに、山車参加体験では受入可能な区との調整を行い、無理のない範囲で参加機会を提供。販売面では、観光協会や宿泊施設と連携し、地域全体での受入体制を構築。広域からの誘客にもつながり、都市圏からの来訪も確認されています。
オマツリジャパンは、こうした体験設計から販売導線の構築まで一体で支援しました。
持続可能性を創出

本取り組みにより、来訪者は祭りを「理解し、関わる」ものとして体験できるようになり、満足度の向上につながりました。同時に、観覧・体験プランの販売を通じて新たな収益源が生まれ、祭りの持続可能性を支える基盤が構築されています。
文化の価値を損なうことなく、適切に外部へ開くことで、地域と来訪者双方にとって意味のある関係が生まれた点が本事例の成果です。
オマツリジャパンでは、文化資源を活かした体験造成と販売支援を通じて、持続可能な祭り運営を支援しています。自治体・団体の皆様はぜひお問い合わせください。